今回は、2021年10月からお楽しみBOXの販売を開始した熊本県北部のまち、菊池市を紹介します。1 菊池市とは(1)菊池市の基本情報①地理 菊池市は、熊本県北部に位置しています。南西部は熊本市と隣接し、北部は大分県日田市と隣接する地域です。熊本平野の北東の端から阿蘇外輪山にかけてを市域としており、菊池川の上流に当たります。 アクセスは、阿蘇くまもと空港からは比較的至近で、車で約30分。公共交通機関を使う場合は、空港ライナーで肥後大津駅へ(12分)移動した後、肥後大津駅からバスで約40分かかります。JR熊本駅からは、車で約1時間、バスで約70分かかります。②人口 菊池市の人口は、令和3年11月時点で47,489人。10年前の平成23年11月末時点の人口は、51,229人であり、ここ10年で約7%の人口が減少しています。③歴史 菊池市は、2005年(平成17年)に、旧菊池市、菊池郡七城町、旭志村、泗水町の1市3町の新設合併によってできた市です。 旧菊池市は、1956年(昭和31年)に、隈府町、菊池村、河原村、水源村、竜門村、迫間村、花房村、戸崎村の1町7村が合併し、菊池町となった後、2年後の1958年(昭和33年)には、菊池町が菊池市となっています。 江戸時代には、熊本藩の中で、穀倉地帯として知られ、非常に質の良いお米を作っていたそうです。 中世には、平安時代後期から戦国時代まで熊本県北部で活躍した武士の一族の菊池一族が治めていたことが知られています。菊池一族については、菊池市役所政策企画部の中に菊池一族プロモーション室を設けるなど、市一丸となってプロモーション活動を行っています。④その他 菊池市の地名である「隈府(わいふ)」と「wife(妻)」が同じ読み方であることにかけて、「おしどり夫婦の里」「妻(wife)を大切にするまち」としてPRを行っており、平成17年から「夫婦の手紙・絵手紙コンクール」を開催しています。優秀作品に選出された作品は11月22日の「いい夫婦の日」に表彰が行われ、市内施設での展示が行われています。 また、2021年5月には、内閣府からSDGs未来都市に選定され、SDGsの取組を推進しています。特に、里山の恵みに人々が集い、農家・ITベンチャー・学術機関などの人々がつながることを通じて、カーボンニュートラルや地域の活性化の実現を目指しています。(2)菊池市の産業 菊池市では、地域経済の活性化に関して「農業」と「観光」を両輪に取り組んでいます。①菊池市の農業について 菊池市では、美しく豊富な水資源を活かし、多様な農業が営まれています。 江戸時代から続く九州でもトップクラスの米所であり、稲作が盛んであるとともに、肉用牛の生産を中心に畜産業も盛んです。 野菜では、「菊池水田ごぼう」がGI(地理的表示)の登録をされています。この菊池水田ごぼう、水田で栽培するごぼうであり、一般的な畑地で栽培するごぼうと比べて肌が白く曲がりが少ないという外観上の特徴に加え、柔らかくあくが少ない、という特徴があります。 さらには、メロンやいちご、栗といった果物も栽培されており、多様な農業が可能な土地になっています。 菊池市でのユニークな取組として、安全で安心な農林畜産物を生産供給するため、市独自の農産物栽培基準である「環境王国菊池農業生産基準(通称:菊池基準)」を策定しています。JAS認定やくまもとグリーン農業宣言などとも連携し、独自の基準で、化学肥料や農薬の使用回数を低減した農産物の生産を後押ししています。 この「菊池基準」を満たした農産物は、インターネットショップ「菊池まるごと市場」でも販売されています。②菊池市の観光について 菊池市は、自然と緑を活かした観光に強みがあります。 近隣の山鹿市、玉名市、和水町との3市1町合同で、菊池川流域のストーリー「二千年にわたる米作り」が日本遺産に認定されています。 近年のトピックとしては、熊本地震からの復興のシンボルとなる菊池渓谷の入谷再開、ビジターセンターの整備、小学校跡地へのエミュー観光牧場の誘致、菊池一族歴史街道として、福岡県の自治体との広域連携の取組を行ってきています。 菊池市のおすすめ観光スポットについては、このあとご紹介します。2 オススメ観光スポット(1)菊池渓谷 菊池の観光といえば、まずはここ、菊池渓谷です。 「癒しの里」と銘打つ菊池市の象徴的スポットであり、農業をはじめとする産業や人々の暮らしの基盤となる菊池川の源流となっています。 環境省が選定する「日本名水百選」にも選ばれています。 阿蘇外輪山の北西部の標高500~800mの間に位置し、約1,193haの広大な面積の渓谷地帯です。敷地内は、うっそうとした広葉樹で覆われ、その間をぬって流れる清水は、大小さまざまな瀬と渕と滝をなしています。変化する渓流と、美しい森林からなる絶景が楽しめるスポットです。豊かな自然が残り、オオサンショウウオの生息も確認されています。 夏場でも渓流の平均水温が13℃と低く、広葉樹が強い日差しを防ぐので、避暑地として知られています。また、秋は自然のままの紅葉を、春は新緑の景色を五感で感じられます。 渓谷内は、遊歩道も整備されており、本格的な装備がなくても、日常の服装・靴でハイキングを楽しむことができます。 入口ゲートでは、ガイドマップを入手することもできます。往復1km、所要約30分の気軽な「癒しコース」と、往復2km、所要約1時間の「マイナスイオン満喫コース」がおすすめのコースとして示されており、都合に応じて森林浴を楽しめます。 また、この菊池渓谷は、2016年4月に発生した熊本地震により甚大な被害を受け、約2年間閉鎖を余儀なくされました。震災直後は、巨木が倒れ、崩落した巨大な岩や土砂によって、渓流が塞がれたり水が濁ったりという被害が出ましたが、地元の方々の懸命な復興に向けた取組もあり、2018年3月に再オープンにこぎつけ、現在では再びその美しい自然を見ることができます。(2)菊池神社 菊池神社は、1870年(明治3年)創建。菊池一族のうち、南北朝時代に活躍した第十二代菊池武時公、第十三代武重公、第十五代武光公が主神として祀られている神社です。菊池城の本丸跡地に建てられています。 菊池神社の東側の道路にある駐車場に車を停めて、境内を目指します。入口から、階段を覆うように幾重にも重なる鳥居が構えられています。この鳥居を抜けた先には、開けた広場が。広場には、銅像も建てられています。市街地から少し登った丘の上に位置していることから、この広場からは市内の様子が一望できます。 ここには、稲荷神社、生目神社が合祀されており、商売繁盛の神様として、市内で事業を営む多くの人が参拝します。自動販売機には、キャラクター化した菊池一族のイラストも。 広場を抜けると本殿に到着。緑に囲まれ、心静かに参拝することができます。 境内の中には、歴史館があります。神社創建50周年に当たる1920年(大正9年)に設立されました。菊池一族ゆかりの古文書、武具、能衣装や能面などの文化財が展示されています。 特に人気の季節は春。桜が美しく咲き、散った花びらがじゅうたんのように参道を覆います。多くの花見客で賑わうスポットです。(3)道の駅「七城メロンドーム」 菊池市内の七城地区の田園の中に突如現れる巨大なメロンの半玉。こちらは、道の駅の七城(しちじょう)メロンドームです。 ここでは、菊池で栽培されたメロンや米、野菜などの農産物を入手することができます。 オリジナルのピクルスや、ゼリーシャーベット、ジャムや米粉を用いた麺などの多種多様なギフト商品もラインナップされています。 中でも、建物の名前にもなっている七城メロンにはかなりのこだわりが詰まっています。水はけのよい土、夏は暑く冬は冷え込みが厳しい盆地型気候、豊かな水資源に加え、与那国島の化石サンゴを粉末状にした肥料を使用しています。また、このメロンドームで販売しているメロンは全て光センサー(糖度測定器)で計測され、糖度14度以上の甘いメロンだけが店頭に並ぶよう工夫されています。メロンは、昼夜の気温差が大きい時期ほど甘くなるため、5月〜6月のメロンが一番甘いらしいですよ。 昼の時間帯はレストランも運営されているため、昼食を取ることも可能です。ゆったりとランチを楽しんだ後は、菊池の名産品をお土産としてゲットしましょう。(4)菊池温泉 官民一体となったプロジェクト「温泉総選挙2020」では、歴史・文化部門で神奈川の箱根温泉などを抑え、全国1位を獲得した名湯。 昭和29年に湧出した、比較的新しい温泉街です。村川翁という人物の夢枕に、白龍のお告げがあり、温泉を掘り当てたという逸話があり、毎年8月には、この白龍伝説にちなんだ「きくち夏まつり」が開催されています。 温泉の泉質はアルカリ性単純温泉(pH 9.19)であり、疲労回復・美容・健康増進・リウマチ等への効能があります。無色の湯は、別名「美肌の湯」「化粧の湯」と呼ばれるほど肌ざわりがよく、風呂上がりに石鹸で洗ったみたいにすべすべになる、と驚く人もいるとのこと。また、飲用も可能となっています。 温泉街には約10軒ほどの温泉旅館が点在しています。温泉街を訪れたら、これらの温泉旅館で利用できる、「周湯券(しゅうゆけん)」の利用がおすすめ。1,000円の料金で3回分の入浴券となっており、1人で3軒回るもよし、家族や友人と分けて使うもよし、旅館の温泉をお得な価格で利用できます(通常の入浴料は約500円)。 また、温泉街には複数の足湯スポットも設置されており、こちらは無料で楽しむこともできます。3 まとめ 菊池市の魅力をご紹介してきました。ぜひ「癒しの里 菊池」に足を運んでみましょう!
公式記事一覧
- 1