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【英語表記】SDGs17個の目標とは?読み方や問題・解決策を学ぼう!

世界共通の目標である「SDGs」は、外国人との会話に出てきたり、様々な英語の試験に使われたりと、英語で使用される機会も多くあります。また、SDGsの原文内には、世界の様々な問題を考える際に必要な英単語がたくさん含まれています。そのため、SDGsについて英語で学んでおけば、英会話・英作文などで役に立つこと間違いありません。SDGsの17個の目標の英語原文を読みながら、問題点や解決策を一緒に学んでいきましょう。この記事の監修者小田 勝宣(おだ かつのり)第6回SDGs検定取得。SDGsに関連したWebメディア記事執筆やブログの運営など実績多数。大学事務職員時代にSDGsに関する企画立案、運営業務に携わったことからSDGsに興味を持つ。現在はSDGs未来都市に選定された「岩手町」へ移住し、地域おこし協力隊として、地方におけるSDGsの取り組み強化に貢献している。SDGsの英訳・意味とは?まずはじめに、SDGsとは何かについて英訳をしながら確認していきましょう。Sustainable Development GoalsSDGsは Sustainable Development Goals の頭文字をとったもので、〈サステナブル・デベロップメント・ゴールズ〉と読みます。それぞれ、sustainable は「持続可能な」、 development は「開発」「発達」、goals は「目標」という意味です。これらのことから、SDGsは「持続可能な開発目標」を意味します。・意味|SDGsとは「持続可能な開発目標」そもそもSDGsの「持続可能な開発」とは「将来の世代の欲求を満たしつつ、現在の世代の欲求も満足させるような開発」のことで、国際連合にて定義づけされています。こういった開発を実現するために、世界全体で達成すべき17個の目標を定めたものがSDGsなのです。また、SDGsは「誰一人取り残さない(leave no one behind)」社会を掲げています。このことから、現代やこの先の未来、誰もが犠牲にならずに生きられる社会をつくるための目標がSDGsだと言えます。・別称|海外では「グローバルゴールズ」と呼ばれる場合もあるSDGsは、先進国・発展途上国ともに、すべての国が取り組むべき課題だとされており、「世界的なさま」「包括的なさま」を表す global を用いて「グローバルゴールズ」と呼ばれることもあります。SDGsの目標17原文で英語を学ぼうここからは17個の目標別に、英語原文を通してSDGsを見ていきます。Goal1.No Poverty1つ目の目標は “No poverty” 〈ノー・ポヴァティ〉「貧困をなくそう」です。 “poverty” は「貧しさ」「貧困」という名詞です。「貧しい」という形容詞 “poor” も合わせて覚えておきましょう。この目標は「あらゆる場所で、あらゆる形態の貧困に終止符を打つ」ことを方針として掲げています。以下で具体的に見ていきましょう。・Goal1の問題“More than 70 million people still live in extreme poverty.”「いまだ7000万人以上の人々が極度の貧困状態の中で生きている。」“million” は「100万」を意味するので、“70 million” は「7000万」ということになります。世界にはまだまだ苦しい生活をしている人がたくさんいます。貧困状態から、個人の力だけで抜け出すのは非常に困難なため、国際社会全体で問題に取り組む必要があるのです。【その他の和訳】・“still”:「まだ」「いまだ」・“extreme”:「極度の」「極端な」・Goal1の解決策“Donate what you don’t use.”「使わないものは寄付する」私たちにできることのひとつが寄付です。1人1人の量は少なくとも、多くの人が寄付をすることで貧困に苦しむ人々を救う大きな力になります。身の回りの使わなくなったものを探し、寄付することから始めてみましょう!【その他の和訳】・“donate”:「寄付する」「寄贈する」Goal 2. Zero Hunger2つ目の目標は “Zero Hunger” 〈ゼロ・ハンガー〉「飢餓をゼロに」です。“hunger” は、「空腹な」という形容詞 “hungry” を名詞化したもので、「飢え」「空腹感」という意味を持ちます。一緒に覚えておくのがおすすめです。この目標は「飢餓に終止符を打ち、食料の安全確保と栄養状態の改善を達成するとともに、持続可能な農業を推進する」ことを方針としています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal2の問題“A third of the world’s food is wasted, yet 821 million people are undernourished.”「世界の食料の3分の1が廃棄されているにもかかわらず、8億2100万人が栄養不良に陥っている。」栄養不足の人が多いことは、とても深刻な問題となっています。また、栄養不足となっている人々がいる一方で、多くのフードロスが起こっているというのも、格差問題を表していると言えるでしょう。【その他の和訳】・“waste”:「無駄にする」・“undernourished”:「栄養不良の」・Goal2の解決策“Waste less food and support local farmers.”「食べ物を無駄にせず、地元の農家を支援する。」私たちにできる解決策のひとつは、フードロスをなくすことです。フードロスは、生産にも廃棄にもエネルギーを使うものの、最終的には何にもならないという非常にもったいない行為です。適切な分だけを購入・消費することで、まんべんなくすべての人に食料がいきわたるよう気遣いましょう。ほかにも、地産地消を意識することで、地元の農家さんの持続可能な農業運営に貢献できます。Goal 3. Good Health and Well-Being3つ目の目標は “Good Health and Well-Being”〈グッド・ヘルス・アンド・ウェルビーイング〉「すべての人に健康と福祉を」です。“well-being” は「幸福」「健康」という意味で、身体的・精神的・社会的に満たされている状態をさします。「幸福」という意味を持つ類義語に “happiness”・“welfare”・“pleasure” などがありますが、 “well-being” には個人の内面に根ざした「持続的な幸福」というニュアンスがあります。この目標は「あらゆる年齢のすべての人の健康的な生活を確保し、福祉を推進する」ことを方針としています。それでは具体的に見ていきましょう。・Goal3の問題“As of May 2022, more than 80 per cent of people had received at least one dose of a vaccine in high-income countries but the proportion is only about 17 per cent in low-income countries.”「2022年5月現在、高所得国では80%以上の人がワクチンを1回以上接種しているが、低所得国ではその割合は17%程度にとどまっている。」健康を維持するために必要なワクチンを例にしていますが、国ごとに接種率が異なっています。この状況はSDGsの「誰一人取り残さない」という方針にも沿っておらず、誰もが摂取できるように仕組みを整えていく必要があります。【その他の和訳】・“dose”:「接種」・“vaccine”:「ワクチン」・Goal3の解決策“Vaccinate your family.”「家族でワクチンを打つ。」私たちにできることは、まず身近な人からワクチンを摂取するよう促すことです。この意識が世界中に広まり仕組みが整備されれば、すべての人がワクチンを摂取できるようになり、その他の健康福祉についても全員が享受できるようになるでしょう。Goal 4. Quality Education4つ目の目標は “Quality Education”〈クオリティ・エデュケーション〉「質の高い教育をみんなに」です。“quality” は「高品質の」という形容詞です。「品質」そのものを表す名詞として用いられることもあります。この目標は「すべての人に包摂的かつ公平で質の高い教育を提供し、生涯学習の機会を促進する」ことを方針として掲げています。それでは以下で詳しく見ていきます。・Goal4の問題“617 million children and adolescents lack minimum proficiency in reading and mathematics.”「6億1700万人の子供と若者が、最低限の読解力と数学の能力に欠けている。」教育を受けられていない子供の多くは、貧困の家庭で育っています。貧困の中で親の仕事を手伝い教育を受けられず、結果として安定した職に就けないため貧困から抜け出せないというサイクルにいるのです。このサイクルを打破するには、質の高い教育を受けることが必要不可欠ですが、個人の力だけで解決するのは難しい問題です。そのため、国際社会全体で教育の機会を創出する必要があります。【その他の和訳】・“adolescents”:「青少年」「若者」・“proficiency”:「習熟度」「熟達」・Goal4の解決策“Help educate the children in your community.”「地域の子どもたちの教育に貢献する。」1人1人にできる解決策としては、地域の子供たちの教育活動に積極的に関わっていくことです。難しいことは教えられずとも、一緒に本を読んだり、簡単なお金の計算をしたりするなど、子供とのコミュニケーションの中で基本的な能力を伸ばすことが問題解決に繋がります。Goal 5. Gender Equality5つ目の目標は “Gender Equality”〈ジェンダー・イクオリティ〉「ジェンダー平等を実現しよう」です。“gender” は「性」「性別」という名詞です。生物学的な性を表す “sex” とは違い、社会的な性別を表します。“equality” は「平等」という名詞で、これを形容詞にしたものが「平等な」という意味の “equal” です。この目標では「ジェンダーの平等を達成し、すべての女性と女児のエンパワーメントを図る」が方針として示されています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal5の問題“1 in 3 women has experienced physical and/or sexual violence.”「女性の3人に1人が身体的・性的暴力を受けた経験がある。」1 in 3 で「3人に1人」「3人の中の1人」という意味です。Goal5の問題では、多くの女性が性的な差別を受けていることが分かります。性別に関係なく、すべての人が幸せに生きられる社会を構築していく必要があるのです。【その他の和訳】・“experience”:「経験する」・“violence”:「暴力」・Goal5の解決策“Empower women and girls and ensure their equal rights.”「女性と女児に力を与え、その平等な権利を確保する。」男女間で格差のある慣行が続いていたり、女性に不利なルールなども存在したりします。そういった慣行やルールを是正し、性別によらず平等な権利を保証することが解決に繋がるでしょう。【その他の和訳】・“empower”:「力を与える」「権限を付与する」・“ensure”:「保証する」「確保する」Goal 6. Clean Water and Sanitation6つ目の目標は “Clean Water and Sanitation”〈クリーン・ウォーター・アンド・サニテーション〉「安全な水とトイレを世界中に」です。“sanitation” は公衆衛生という名詞です。目標6では、「すべての人に水と衛生へのアクセスと持続可能な管理を確保する」という方針のもと、公衆衛生をはじめとして、水に関わる幅広い目標が定められています。・Goal6の問題“Water scarcity affects more than 40% of the world’s population.”「水不足は、世界人口の40%以上に影響を及ぼしている。」深刻な水不足に苦しむ地域はたくさんあります。清潔な水が得られないことで、病気にかかる人も多くいるのが現状です。健康的に生活するには清潔な水が必要不可欠だということが分かります。【その他の和訳】・“scarcity”:「欠乏」「不足」・“population”:「人口」・Goal6の解決策“Avoid wasting water.” 「水の無駄遣いをしない。」私たちにできることは、無駄遣いを減らすことです。水道から出てくる水も、有限で貴重な資源だということを意識しましょう。【その他の和訳】・“avoid”:「避ける」「防ぐ」Goal 7. Affordable and Clean Energy7つ目の目標は “Affordable and Clean Energy”〈アフォーダブル・アンド・クリーン・エナジー〉「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」です。“affordable” は「手ごろな」「入手できる」という形容詞で、誰にでも手が届くというニュアンスを持ちます。“clean energy” というのは、エネルギーを作り出すときに環境に負荷がかからない「きれいな」エネルギーのことを指しています。この目標は「すべての人に手ごろで信頼でき、持続可能かつ近代的なエネルギーへのアクセスを確保する」ことを方針としています。以下、具体的に見ていきましょう。・Goal7の問題“Three billion people still lack clean cooking fuels and technologies.”「今も30億人の人々にクリーンな調理用燃料や技術が不足している。」“billion” は「10億」を意味するので、“three billion” は「30億」を表します。必要な分のクリーンエネルギーがたくさんの人々に届けられていないことは、とても重要な問題と言えます。また持続可能な開発のための再生可能エネルギーの生産も、まだまだ足りていないのが現状です。【その他の和訳】・“fuels”:「燃料」・Goal7の解決策“Use only energy-efficient appliances and light bulbs.”「エネルギー効率の良い電化製品や電球のみを使用する。」私たちにできることは、エネルギーを効率よく使うことです。効率の良い電化製品や電球を使うことで、その分のエネルギーを他の人に届けることができます。身の回りの電化製品を見直してみましょう!【その他の和訳】・“appliance”:「電化製品」Goal 8. Decent Work and Economic Growth8つ目の目標は “Decent Work and Economic Growth”〈ディセント・ワーク・アンド・エコノミック・グロウス〉「働きがいも経済成長も」です。“decent” は「よい」「適切な」という形容詞です。“Decent Work” には仕事を単なる労働としてでなく、人間としての生活を守るためのものという意味合いが含まれています。この目標では「すべての人のための持続的、包摂的かつ持続可能な経済成長、生産的な完全雇用およびディセント・ワークを推進する」ことが方針とされています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal8の問題“One fifth of young people are not in education, employment or training.”「若者の5分の1は、教育、雇用、訓練のいずれにも携わっていない。」“one fifth” は「5分の1」を表します。このように数字+序数(何番目かを表す数字)で分数を表すことができ、例えば “two thirds” では「3分の2」という意味になります。 世界の中の5人に1人が仕事に就けていないということがGoal8の問題によって分かります。これからの未来をつくっていく若者がその力を存分に発揮できていないと、持続可能な社会をつくっていくことは不可能です。働く場所や環境を整えていく必要があると言えます。【その他の和訳】・“employment”:「雇用」・Goal8の解決策“Create job opportunities for youth.”「若者の雇用機会を創出する。」若者が働きたいと思う環境を整備することが必要です。例えば、フレキシブルな働き方を許容したり賃金のシステムを見直したりと、これまでの環境を見直して新たな仕事形態を模索していくことが求められます。【その他の和訳】・“opportunities”:「機会」Goal 9. Industry, Innovation and Infrastructure9つ目の目標は “Industry, Innovation and Infrastructure”〈インダストリー・イノベーション・アンド・インフラストラクチャー〉「産業と技術革新の基盤を作ろう」です。“industry” は「産業」、“innovation” は「技術革新」、そして “infrastracture” は「社会基盤」という意味を持ちます。この目標は「強靱なインフラを整備し、包摂的で持続可能な産業を推進するとともに、技術革新の拡大を図る」ことを方針に定めています。以下、具体的に見ていきます。・Goal9の問題“Roads, water, sanitation and electricity remain scarce in many developing countries.”「道路、水、衛生設備、電気は、多くの途上国で依然として不足している。」産業を発展させるには、その基礎となるインフラを整備することが最低条件です。しかし多くの途上国ではこのインフラが整備されておらず、そのために産業も発達させることができていません。【その他の和訳】・“remain”:「依然として」「とどまる」・“developing countries”:「発展途上国」・Goal9の解決策“Fund projects that provide basic infrastructure.”「基本的な社会基盤を提供するプロジェクトに資金を提供する。」“fund” も “provide” も提供するという意味を持ちますが、“fund” は投資的な意味合いを持ち、“provide” はものやサービスを提供するという意味です。 インフラの整備不足を解決するためには、基礎となる資金を提供していく必要があります。結果として産業が発達すれば、資金を提供した側も取引先が増えることでメリットに繋がるのです。資金提供をすることで、お互いに持続可能な産業形態を構築することが出来ます。Goal 10. Reduced Inequalities10個目の目標は “Reduced Inequalities”〈リデューストゥ・インイクオリティーズ〉「人や国の不平等をなくそう」です。“reduce” は「減らす」という動詞です。“inequalities” は、目標5で紹介した “equality” に否定を表す接頭語の “in” を加えて「不平等」という意味になります。“equality” と合わせて覚えておきましょう。この目標は「国内および国家間の格差を是正する」ことを方針としています。以下で詳しく見ていきます。・Goal10の問題“The poorest 40% of the population earn less than 25% of global income.”「最貧困層の40%は、世界所得の25%以下しか得ていない。」世界の4割の人々の所得を足しても、世界全体の所得の4分の1にしかなりません。これは一部の高所得の人たちが、世界所得の大部分を占めていることも意味します。一部の人が富を独占するのでなく、世界中の人々が幸せに生活できるぐらいの富を共有できるように努力する必要があります。【その他の和訳】・“earn”:「稼ぐ」・“income”:「収入」・Goal10の解決策“Support the marginalized and disadvantaged.”「社会から疎外され、不利な立場に置かれた人々を支援する。」生まれながらに不遇な環境の中にいたり、障害を持っていたりするなど、社会の中で不利な立場に置かれている人は多くいます。どんな人でも平等に生活が出来るよう、精神的な面や金銭的な面で支援の輪を広げることが、平等な世界をつくるための第一歩になります。【その他の和訳】・“marginalized”:「社会的に無視された」・“disadvantaged”:「(社会的に)恵まれない」「不利な条件に置かれた」Goal 11. Sustainable Cities and Communities11個目の目標は “Sustainable Cities and Communities”〈サステナブル・シティーズ・アンド・コミュニティーズ〉「住み続けられるまちづくりを」です。“cities” は「都市」、“communities” は「地域社会」という意味になります。都市開発の面だけでなく地域社会という面からも、持続可能なまちづくりを考えていく必要があります。この目標は「都市と人間の居住地を包摂的、安全、強靱かつ持続可能にする」ことを方針としています。以下で見ていきましょう。・Goal11の問題“9 out of 10 urban residents breathe polluted air.”「都市に住む10人のうち9人は、汚染された空気を吸っている。」“9 out of 10” は「10人中9人」を表しています。“A out of B” で「BのなかのA」と言う意味になるため覚えておきましょう!自動車から出る排気ガスなどにより、都市の空気は汚れています。このままでは健康を害し、その都市で持続可能な生活を送ることは不可能です。持続的に都市を発展させるためにも、都市環境について考える必要があります。・Goal11の解決策“Bike, walk, or use public transportation.”「自転車、徒歩、または公共交通機関を利用する。」自動車から出る排気ガスは空気汚染の原因のひとつです。代わりに自転車や公共交通機関を利用することで、都市環境を守ることができます。移動手段を徒歩にすることで自身の健康増進にもなるため、自分も周りも持続可能な生活を送ることができます。【その他の和訳】・“public transportation”:「公共交通機関」Goal 12. Responsible Consumption and Production12個目の目標は “Responsible Consumption and Production”〈レスポンシブル・コンサンプション・アンド・プロダクション〉「つくる責任 つかう責任」です。“consumption” は「消費」、“production” は「生産」を意味する名詞です。なじみのある関連語句として、“consumer”「消費者」があります。この目標は「持続可能な消費と生産のパターンを確保する」ことを方針として掲げています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal12の問題“By 2050, the equivalent of almost three planets could be required to sustain current life styles.”「2050年までに、現在の生活スタイルを維持するために、ほぼ惑星3個分のエネルギーが必要となる可能性がある。」現代の生活では、地球だけでは足りないほどの大量のエネルギーを消費してしまうということです。これでは持続可能な社会とはいえません。早急に、「大量生産・大量消費」のような生活スタイルを見直す必要があります。【その他の和訳】・“equivalent”:「同じ」「相当する」・“require”:「必要とする」・“current”:「現在の」・Goal12の解決策“Recycle paper, plastic, glass, and aluminium.”「紙、プラスチック、ガラス、アルミをリサイクルする。」解決策の1つとして、資源のリサイクルが挙げられます。有限な資源をすぐに廃棄せずに繰り返し使うことで、持続可能な生産・消費に繋がります。その他にも不要な分はつくらない「リデュース」、繰り返し使う「リユース」など、資源を無駄にしない取り組みが必要となってきます。Goal 13. Climate Action13個目の目標は “Climate Action”〈クライメート・アクション〉「気候変動に具体的な対策を」です。“climate” は「気候」という名詞です。“climate change”「気候変動」という単語もよく使うので覚えておくといいでしょう。この目標は「気候変動とその影響に立ち向かうため、緊急対策を取る」ことを方針として掲げています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal13の問題“Global emissions of carbon dioxide (CO2) have increased by almost 50% since 1990.”「世界の二酸化炭素(CO2)排出量は、1990年からほぼ50%増加している」気候変動の主な要因とされている二酸化炭素ですが、現在も増加を続けています。このままではさらに二酸化炭素排出量が増え、地球温暖化をはじめとする様々な気候変動を止めることが出来ません。早急に具体的な対策をとることが求められています。【その他の和訳】・“emission”:「排出量」「放出」・“increase”:「増加する」・Goal13の解決策“Act now to stop global warming.”「地球温暖化を食い止めるために、今すぐ行動する。」多くの人が地球温暖化について知っていても、具体的に行動に移している人はまだまだ少ないのが現状です。具体的に行動すると言っても、これまでに紹介してきた持続可能な社会への取り組みが、そのまま地球温暖化を食い止める行動になります。「リサイクルをする」「自転車や公共交通機関を使う」など、小さな行動でもまず行動に移すことが重要です。【その他の和訳】・“global warming”:「地球温暖化」Goal 14. Life Below Water14個目の目標は “Life Below Water”〈ライフ・ビロウ・ウォーター〉「海の豊かさを守ろう」です。“below” は「~の下」などという意味合いを持つ前置詞です。直訳すると「水面下の命」というのが、「海の豊かさを守ろう」と意訳されています。この目標は「海洋と海洋資源を持続可能な開発に向けて保全し、持続可能な形で利用する」ことを方針としています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal14の問題“Continuing ocean acidification and rising ocean temperatures are threatening marine species and negatively affecting marine ecosystem services.”「海洋酸性化の進行と海水温の上昇は、海洋生物種を脅かし、海洋生態系サービスに悪影響を及ぼしている。」プラスチックの流入問題などもあり、2009年から2018年の間には、世界で約14%のサンゴ礁が失われました。海は世界の年間二酸化炭素排出量の約4分の1を吸収し、気候変動の緩和とその影響の軽減に必要不可欠なものでもあります。そのため、海の保全は持続可能な社会の実現に向けて重要な意味を持つのです。【その他の和訳】・“temperature”:「温度」・“marine ecosystem service”:「海洋生態系サービス」・Goal14の解決策“Choose certified ocean-friendly products”「海に優しい認定製品を選ぶ」天然水産物を示す「MSC認証」や養殖水産物を示す「ASC認証」など、海にやさしく持続可能な生産物であることを保証する制度があります。こうした認証制度を指針にして製品を選ぶことで製品の需要が増え、結果として持続可能性を意識した製品が多く生産されるようになります。私たちの製品選びが、海を守ることに繋がっていくのです。【その他の和訳】・“certified”:「保証された」「公認の」Goal 15. Life On Land15個目の目標は “Life On Land”〈ライフ・オン・ランド〉「陸の豊かさも守ろう」です。目標14と同様「陸上の命」が「陸の豊かさを守ろう」というように意訳されています。この目標は「陸上生態系の保護、回復および持続可能な利用の推進、森林の持続可能な管理、砂漠化への対処、土地劣化の阻止および逆転、ならびに生物多様性損失の阻止を図る」ことを方針としています。以下、詳しく見ていきます。・Goal15の問題“Forest cover fell from 31.9  per cent of total land area in 2000 to 31.2 per cent in 2020, a net loss of almost 100  million hectares.”「森林被覆は2000年の総面積の31.9%から2020年には31.2%に減少し、ほぼ1億ヘクタールの純減となる。」世界では急激に森林の数が減少し、代わりに土地の砂漠化や荒廃が進んでいます。森林は二酸化炭素を吸収し地球温暖化を軽減する役割を果たすだけでなく、持続可能な世界を実現するための生物多様性を保証する場でもあるため、森林の保全は必要不可欠なのです。【その他の和訳】・“forest”:「森林」・“net loss”:「純損失」・Goal15の解決策“Plant a tree and help protect the environment.”「木を植えて、環境保護に貢献する。」森林を守っていくには、まず失われた木を植えるのが解決に繋がります。植林活動に力を入れる企業も増えてきています。一般の人でも参加できる植林活動も多く行われているため、参加してみるのもいいでしょう。【その他の和訳】・“environment”:「環境」Goal 16. Peace, Justice and Strong Institutions16個目の目標は “Peace, Justice and Strong Institutions”〈ピース・ジャスティス・アンド・ストロング・インスティテューションズ〉「平和と公正をすべての人に」です。“institution” は「制度」「機構」という名詞です。原文の直訳では「平和、正義、そして強力な制度」となりますが、日本語では意訳されており、平和と公正をすべての人に提供するための強力な制度について考える必要があります。この目標は「持続可能な開発に向けて平和で包摂的な社会を推進し、全ての人に司法へのアクセスを提供するとともに、あらゆるレベルにおいて効果的で責任ある包摂的な制度を構築する」ことを方針としています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal16の問題“In 2018, the number of people fleeing war, persecution and conflict exceeded 70 million.”「2018年、戦争や迫害、紛争から逃れた人々の数は7000万人を超えた。」戦争や紛争で苦しい生活を余儀なくされる人はたくさんいます。多くは法整備が整っていない地域であったり、人権について保証されていない地域で起こっているため、まずはその整備を整えることが重要です。・Goal16の解決策“Stand up for human rights.”「人権を守るために立ち上がる。」人権は誰にも保証されるべきものですが、人権が守られていない地域も多くあります。人権を守るために1人1人が声を上げることで大きな力となり、政府や市民社会が動くきっかけになるのです。【その他の和訳】・“human rights”:「人権」Goal 17. Partnerships for the Goals17個目の目標は “Partnerships for the Goals”〈パートナーシップス・フォア・ザ・ゴールズ〉「パートナーシップで目標を達成しよう」です。この目標は「持続可能な開発に向けて実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する」ことを方針に掲げています。以下で詳しく見ていきましょう。・Goal17の問題“The share of total SDG investment that went to least developed countries decreased from 19 per cent in 2020 to 15 per cent in 2021.”「SDGsの投資総額に占める後発開発途上国への投資の割合は、2020年の19%から2021年には15%へと減少した。」持続可能な社会をつくるためには途上国の発展が重要になり、そのためには先進国などの投資が必要不可欠です。しかし、現状ではその支援が減少しています。【その他の和訳】・“investment”:「投資」・Goal17の解決策“Join/create a group in your local community that seeks to mobilize action on the implementation of the SDGs.”「地域社会でSDGsの実施に向けた行動を喚起するグループに参加したり、グループをつくったりする。」個人がSDGsへの意識を高め世の中に発信していくことで、SDGsに積極的になるべきだという世論が形成されます。結果、政府がSDGsに向けた投資を増やす可能性を高めることができるのです。他にも、こうした行動が周りに伝播して、多くの人がSDGsに取り組むきっかけになります。【その他の和訳】・“mobilize”:「動員する」・“implementation”:「実施」「履行」SDGsを詳しく学べる「Socialgoo」がおすすめここまで英語でSDGsについて学んできましたが、「この目標ってどういうこと?」「具体的ににどんな取り組みがあるの?」と思った方もいらっしゃるかと思います。本サイト「Socialgoo」では、SDGsの細かい内容や具体的な取り組みなどを、様々な記事を通して発信しています。SDGsについてもっと知りたいと興味を持たれた方は、ぜひ「Socialgoo」をチェックしてみてくださいね!まとめ本記事ではSDGsの17個の目標を、英語の原文を通して学んできました。世界で共通認識されているからこそ、SDGsは話題にもなりやすく、英語で触れる機会も多くなります。SDGsを知るため、そしてグローバルな視点で物事を考えるための英語力を養うため、SDGsを英語の原文を通して学んでみるのはいかがでしょうか。【参考サイト】・日本SDGs協会・Home | Sustainable Development ・Home - United Nations Sustainable Development

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化粧業界が目指すSDGsゴールとは【10年後・30年後別】メーカーやブランドの取り組み例を紹介

化粧業界が目指すSDGsゴールとは【10年後・30年後別】メーカーやブランドの取り組み例を紹介化粧品業界に関連のある、SDGsのゴールをわかりやすく掲載!現在・30年後・100年後に分け、化粧品業界のSDGsへの取り組みやビジョンをわかりやすくご紹介します。アメリカ・中国に次ぐ化粧品大国「日本」。日本製は品質が良く安全性も高いため、海外でも大変人気があります。環境への配慮が求められている「化粧品業界」は、リユースできる容器の開発などのSDGsへの取り組みが行われているのです。有名メーカーやブランドで取り組んでいる内容もピックアップしているため、ぜひチェックしておきましょう!この記事の監修者小田 勝宣(おだ かつのり)第6回SDGs検定取得。SDGsに関連したWebメディア記事執筆やブログの運営など実績多数。大学事務職員時代にSDGsに関する企画立案、運営業務に携わったことからSDGsに興味を持つ。現在はSDGs未来都市に選定された「岩手町」へ移住し、地域おこし協力隊として、地方におけるSDGsの取り組み強化に貢献している。化粧品業界に関連するSDGsゴールとは?化粧品業界に関連しているSDGsのゴールには、いったいどんな内容があるのかをわかりやすくご紹介します。製造~廃棄まで関連ゴールは「4つ」化粧品開発後、わたしたちユーザーの手元に製品が渡り、廃棄されるまでの流れのなかで、4つの関連するSDGsのゴールがあります。4つのゴールとはどんな内容なのかをこちらで確認してみましょう!5.ジェンダー平等を実現(画像: SDGs 17の目標 | unicef)化粧品業界は、日本のジェンダーギャップを縮めることに大きく貢献していることをご存知でしたか?多様性が求められる今、男性も女性もメイクを楽しめる製品の開発が進んでいます。12.つくる責任 つかう責任(画像::SDGs 17の目標 | unicef)消費財である化粧品は、必ずゴミが出ます。廃棄物の量を少しでも減らすために、化粧品をつくる人もつかう人も、商品を通して環境のことを考える必要があり、「脱炭素」「循環型社会」の実現を目指さなければなりません。14.海の豊かさを守ろう(画像: SDGs 17の目標 | unicef)海洋汚染は環境問題のなかでも特に深刻な問題です。使用済みの化粧品類をポイ捨てした場合、海へとシャンプーのプラスチック容器やビニール製のパッケージが流れ出てしまい、近い将来には、海の中は魚よりもゴミの量が多くなると言われています。海洋ゴミの中で最も多いプラスチックゴミを減らすために、化粧品業界ではどんなことができるかを考えます。15.陸の豊かさも守ろう(画像: SDGs 17の目標 | unicef)年〜2020年の30年間の間に日本の国土面積の約5倍に相当する森林が減少しています。そこで、森林を守るための取り組みの例として、・パッケージやパンフレットに使用する紙は環境へ優しいFSC認証紙を使用する。・オーガニック原料を使用し、土の中の微生物を化学肥料の被害から守る。上記のように森林や土の中を守れば、生き物の生態系と多様性を守ることに繋がります。【現在】化粧品業界が取り組むSDGsの内容商品選択や企業選択において重視されるようになり、SDGsに関連するゴールをもとに、業界内では環境に配慮した商品開発・取り組みがすでに進んでいます。こちらでは、化粧品業界が現在取り組んでいるSDGsの内容をまとめているので、ぜひどんな部分に力をいれているのかをチェックしておきましょう!開発1|容器・パッケージの環境配慮化粧品は消費財であるため、いつか必ず廃棄されます。そこで企業は、商品が廃棄される時に環境に与える負荷を考え、環境に配慮したパッケージの開発を盛んに進めています。詰め替え・付け替えを前提として開発・推進企業は、「リデュース」「リユース」「リサイクル」の3Rの視点から、プラスチック使用量の削減を目指しています。よって、プラスチック容器を減らす「詰め替え」、容器自体の環境負荷を抑えた「付け替え」商品の開発へ取り組んでいるのです。スマートホルダーなど新型容器(画像:【特長】「スマートホルダー」とはどんな製品なの?|花王)新たに開発された「スマートホルダー」は、詰替え用のシャンプー・ボディーソープを専用容器に取り付ける商品です。スマートホルダーは「詰め替えが楽」「最後まで無駄なく使い切れる」などの点でユーザーから絶賛されています。開発2|容器・原料を植物由来の素材を使用化粧品の容器や原料に、植物由来の成分を使うことで、機能に優れながらも環境への負担が少ない商品の実用化を進めています。植物由来プラスチック配合のパッケージを使用することで、環境負荷の高い新品の石油由来バージンプラスチックの使用量を削減することができます。回収|使用済みプラスチック容器をリサイクル(画像:資生堂、イオンにて化粧品の使用済み容器回収を開始|資生堂)化粧品業界は、使用済みプラスチック容器のリサイクルに積極的に取り組んでいます。例えば、使用済みプラスチックフィルムの回収・リサイクルの実証実験化粧品を取り扱う店舗で、プラスチック容器の店頭回収  など循環したプラスチックの流れの確立に取り組んでいます。活動|ジェンダー平等・女性活躍支援化粧品業界では、女性活躍の推進の一環として育児休業や育児時間制度を導入する取り組みが行われています。さらに、最近では管理職を目指す女性社員のための研修も実施。女性だけでなく男性でも手に取りやすい、ジェンダーレス・ジェンダーフリーの商品開発・発売を進めています。【10年後】化粧業界が取り組むSDGsのビジョン例2021年に日本の化粧品産業の発展を目指し、産学官が連携して「化粧品産業ビジョン」を策定しました。地球環境の変化に対応するため、10年後までに化粧業界が取り組むべきことを3つご紹介しているのでぜひチェックしておきましょう。1.環境に配慮した製品の普及プラスチックには、大きなデメリットが2つあります。1つ目は、廃棄するとき土に埋めても分解されずに残り続けること。燃やして処分しようとしても、二酸化炭素が発生し酸性雨や地球温暖化の原因となってしまいます。2つ目は、プラスチックを使用すると限りある資源である石油を消費してしまうことです。そこで、化粧品業界は環境に配慮した取り組みを公表することで、脱炭素社会を目指します。例えば、「炭素の足跡」とも言われるカーボンフットプリントを公表し、排出するCO2の量を「見える化」するツールが注目されています。また、プラスチック利用量の削減を具体的な目標として掲げています。2.エシカル消費の拡大エシカル消費には、「道徳上の消費行動」という意味があります。商品の高級感やブランド力、ネームバリュー、ブランド力などにとらわれず、地球環境に配慮することが求められています。そんなエシカル消費の目印となるのは、次のような認証マークです。エコマーク:商品の生産~処分まで環境保護商品と認められたマーク有機JASマーク:農薬や化学肥料に頼らずに生産されたマーク国際フェアトレード認証ラベル:国際フェアトレード基準を満たした商品のマークFSC認証マーク:持続可能な森林管理のもとで採られた木材を使用しているマークNATURE認証マーク:ナチュラル及びオーガニック成分が配合されたマークレインフォレスト・アライアンス認証:農園の環境や、土壌・水を含めた天然資源、生態系や生物多様性などを守っている農園のマーク3.「動物実験代替法」の確立動物実験は商品開発のために、化粧品分野を中心に研究開発が広まりました。しかし、動物福祉の観点から反対の声が多く、動物実験で安全性を確かめた商品でも、人が使用した時に薬害が起こることは度々起きてしまうことが問題になっています。医師・研究者などの専門家からも動物実験の過ちが指摘されているなか、「動物実験代替法」の確立を進めています。また、欧米では動物実験の行われていない化粧品には、ウサギのマークがついた「クルエルティフリー」認証をつける取り組みがされているのです。【30年後】化粧業界が取り組むSDGsのビジョン例 「化粧品産業ビジョン」では30年後に予想される世界の変化を挙げています。脱炭素を実現する循環型社会の到来「2050年カーボンニュートラル」の実現に向けて、日本は「2050年までに二酸化炭素排出量実質ゼロ」を表明しました。具体的には、プラスチック資源循環の取り組み「3R+Renewable※」があります。※Renewableとは、「再生可能な資源に替えること」を意味します。身近な例として、プラスチック製のパッケージなどをバイオマスプラスチック製に変えています。※日本では、2030年までにバイオマスプラスチックを約200万トン導入することが目標として定められています。科学によるエビデンスの重要度の拡大「日本の商品は高品質」というイメージを維持し続けるためにも、品質の高さを科学的・客観的なデータで示せるように、エビデンスの重要度が拡大しています。また、競合のメーカーやブランドとの差別化を図るために、研究開発を継続的に実施することが必要です。 そのためにも、エビデンスを正確かつ具体的に示すことで、説得力を強めることができるのです。SDGsへ取り組む化粧品メーカー例SDGs達成のために取り組む化粧品メーカーをご紹介します。コーセー(画像:グッドデザイン賞 雪肌精クリアウェルネス|GOOD DESIGN AWARD)KOSÉ(コーセー)は、人々や地球環境の未来をよりよいものにするために、「コーセー サステナビリティプラン」を決定しました。商品の容器にはバイオマスプラスチック・ガラス・アルミを積極的に使用し、プラスチック使用量の削減を実現しています。そして、環境にやさしい素材を使用した「雪肌精クリアウェルネスシリーズ」は2021年度にグッドデザイン賞を受賞しました。花王(画像:プラスチック容器の完全リサイクル化をめざして|花王)洗剤やシャンプーの詰め替え用パックを開発した「花王(Kao)」。そんな花王は新たに、薄いフィルムに空気を入れ、浮き輪のようにふくらませることでボトルのように使える新型容器を開発しました。フィルムボトルは100%リサイクルすることができ、プラスチック使用量を約50%も削減することができる、環境に優しい画期的なボトルとなっています。POLA(画像:未来に、次世代に環境をつなぐアクション|POLA)スキンケアアイテム、メイクアップアイテムおよび美容に関連する商品を展開しているメーカー「POLA(ポーラ)」。「未来に、次世代に環境をつなぐアクション」をテーマに、ショッピングバッグの原則廃止やデジタル化で環境負荷を減らすなどの取り組みを行っています。SDGsへ取り組む化粧品ブランド例SDGsに取り組む具体的な化粧品ブランドをご紹介します。LUSH(画像: 店舗一覧|LUSH)LUSH(ラッシュ)は、スキンケア・ヘアケア商品や、石鹸・バスボムなどのバスグッズが人気のブランドです。「地球に共存するすべてのものをハッピーにしたい」「エシカルバイイングポリシー」を理念に掲げるLUSHは、SDGsに積極的に取り組んでいます。最も象徴的なのは、商品を梱包しないで裸の状態で販売している部分。容器レス・ラベルレス商品をLUSHでは「ネイキッド」と呼んでおり、プラスチック使用量の削減に大きく貢献しているのです。ロクシタン(画像: L'OCCITANE)「豊かな自然そのもの」を理想と掲げ、原材料の生産段階から環境や生産者のことを考えている企業、L'OCCITANE(ロクシタン)。地産での原材料調達に努め、運送時の環境汚染を最小限にし、地域ビジネス、女性の自立の支援に取組んでいます。2025年までに1000種類の植物を保護することを目標としており、現在までに350種の保護を実現。商品に使用する自然由来の成分はおよそ200種類にも及び、その1/4がオーガニックの認証を受けています。KIEHL’S(画像: 内容詳細|KIEHL’S)科学・ハーブの知識をもとに天然由来成分を配合した、スキンケア商品を展開するKIEHL’S(キールズ)。「スキンケアからアースケアをはじめよう。」をフレーズに、独自の循環型エコシステムを確立しました。具体的には、リサイクルパッケージ商品の製造や、空き容器の回収などを行い、キールズは限りある資源を守るために紙製ショッピングバッグを有料化。さらに、エコバッグを使用した際のお買い物1回につき10円が、森林保全団体の「more trees」に寄付する取り組みを行っています。イヴ・サンローラン(画像:OURIKA COMMUNITY GARDENS | IVES SAINT LAURENT)YVES SAINT LAURENT(イヴ・サンローラン)では、SDGs活動として、女性支援・地球環境への配慮・肌への安全性の3つを掲げています。特に力を入れているのは、モロッコに立ち上げた自社庭園「ウリカ コミュニティ ガーデン」。200種以上の植物を育てながら、化粧品に使う植物原料の研究を行い、現地の方に教わった伝統的な農法やソーラーシステムの導入などで、地球環境に配慮した無農薬での植物栽培に取り組んでいます。SDGsを詳しく学べる「Socialgoo」がおすすめSDGsに関する活動をもっと知りたいという方におすすめな「Socialgoo(ソシャグ)」。ソーシャルグッド(社会にとって良いサービスや活動)に特化したメディアであり、プロボノやSDGsへの取り組み事例など様々な情報を掲載中です。ぜひ会員登録をして他の記事もチェックしてみてください!まとめ今回は化粧品を通じてSDGs達成に貢献する方法と、サステナブルなメーカーとブランドをご紹介しました。私達の生活に必要な化粧品だからこそ、サステナブルな意識を持ちながらSDGs達成に貢献することが求められています。まずは化粧品からSDGsについて考えていきたい方は、記事を参考に取り組んでみてはいかがでしょうか?

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【最新版】SDGsランキングと日本の課題とは?|日本国内の取り組みについて

こちらの記事では、SDGs達成度ランキングに見る日本の課題や、国内で行われている取り組みについてご紹介します。日本では政府や企業がSDGs達成のための取り組みを進めていますが、ジェンダー格差や環境破壊について多くの課題が残されているのが現状です。SDGsが目指す持続可能な社会を作るためには、私たち一人ひとりが日本の抱える課題について知る必要があります。ぜひこちらの記事を参考に、日本におけるSDGs達成の現状を把握し、私たち一人ひとりができる取り組みについて理解を深めましょう!この記事の監修者小田 勝宣(おだ かつのり)第6回SDGs検定取得。SDGsに関連したWebメディア記事執筆やブログの運営など実績多数。大学事務職員時代にSDGsに関する企画立案、運営業務に携わったことからSDGsに興味を持つ。現在はSDGs未来都市に選定された「岩手町」へ移住し、地域おこし協力隊として、地方におけるSDGsの取り組み強化に貢献している。2022年版世界のSDGs達成度ランキングで日本は「19位」持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)が公表した、2022年のSDGs達成度ランキングにおいて、日本は世界163カ国中19位でした。アジア諸国では1位となっています。このランキングではSDGsの達成度を100点満点中のスコアで示しており、2年連続トップのフィンランドが86.5点、日本は79.6点でした。アジアの中では高い評価を受けた日本でしたが、スコアで見るとヨーロッパ諸国に大きく差をつけられています。ここでは、SDGs達成度ランキングにおける日本の順位の推移と評価から、日本の課題を探っていきましょう。日本のSDGsランキングの推移SDGs達成度ランキングにおける日本の順位、そして達成度を示すスコアの推移は以下の通りです。2016年:18位(75点)2017年:11位(80.2点)2018年:15位(78.5点)2019年:15位(78.9点)2020年:17位(79.1点)2021年:18位(79.8点)2022年:19位(79.6点)2018年以降、日本の順位は低下し、スコアも最高点を更新できずにいることがわかります。この順位とスコアから見えてくる日本の課題は、2022年度時点でSDGs達成度について他国より遅れが出始めているということです。また、スコアが停滞している原因として、国内のSDGsへの取り組みが進んでいないということが考えられます。SDGsランキングにおける日本の評価SDGsでは持続可能な開発のために、経済・差別・環境など21世紀の世界が背負う課題について、17の目標を掲げています。SDGsランキングでは17の各目標について、「達成済み」「課題が残る」「重要な課題がある」「深刻な課題がある」の4段階で評価されました。それでは、日本の各目標の評価状況を確認してみましょう。【達成済み】目標4:質の高い教育をみんなに目標9:産業と技術革新の基盤をつくろう目標16:平和と公正をすべての人に【課題が残る】目標1:貧困をなくそう目標3:すべての人に健康と福祉を目標6:安全な水とトイレを世界中に目標8:働きがいも 経済成長も目標11:住み続けられるまちづくりを【重要な課題がある】目標2:飢餓をゼロに目標7:エネルギーをみんなに そしてクリーンに目標10:人や国の不平等をなくそう【深刻な課題がある】目標5:ジェンダー平等を実現しよう目標12:つくる責任 つかう責任目標13:気候変動に具体的な対策を目標14:海の豊かさを守ろう目標15:陸の豊かさも守ろう目標17:パートナーシップで目標を達成しよう2021年の調査で「深刻な課題」とされる目標は5つでしたが、2022年では、新たに「目標12:つくる責任 つかう責任」が「深刻な課題」に引き下げられました。また、2021年から引き続き、ジェンダー平等や環境関連の目標が「深刻な課題」のままとなっています。この評価から、日本が2023年度以降に優先的に解決するべき課題は、性別による差別や気候変動に与える影響、資源の使いすぎであることが見えてきました。日本の課題となっている6つのSDGs目標日本で「深刻な課題がある」と評価された6つの目標について、具体的な内容と日本の現状を見ていきましょう。目標5:ジェンダー平等を実現しよう目標5では、すべての人が性別に関わらず能力を最大限発揮できる社会を目指しています。日本で特に問題視されているのは、政治・経済面での男女格差です。2022年の日本のジェンダーギャップ指数は146カ国中116位であり、企業の管理職や国会議員に占める女性割合の低さが低評価につながったと考えられます。目標12:つくる責任 つかう責任目標12では、資源の使いすぎとゴミの増加を防ぐことで、持続可能な生産と消費を目指しています。日本では食品ロスが特に大きな問題で、2022年には522万トンもの食品が廃棄されました。また、産業廃棄物のリサイクル率が他の先進諸国と比べて大きく下回っている問題もあります。目標13:気候変動に具体的な対策を目標13では、地球温暖化による気候変動の影響を軽減し、また気候変動による災害から復興する力を備えることを目指しています。2020年の日本の温室効果ガス排出量は11億5,000万トンで、世界ワースト5位でした。環境省によると新型コロナの感染拡大で排出量は減少しましたが、経済活動の回復とともに再び高まると見込まれています。目標14:海の豊かさを守ろう目標14では、水質の向上や海の生態系を保護するため、海洋汚染を防ぎ、海洋資源を持続的に開発することを目指しています。日本では、プラスチックなどの廃棄物による海洋汚染が問題視されています。環境省の調査によると、海洋ゴミの約3分の2が、漁具・発泡スチロール・ペットボトルなどのプラスチックであることがわかりました。目標15:陸の豊かさも守ろう目標15では、陸上の生態系の保護、また森林のような資源の持続可能な利用を目指しています。日本では地方の森林伐採がもたらす生態系の破壊が問題になっています。さらに林業の担い手の高齢化により、定期的に森林を管理できる人が減っているのが現状です。目標17:パートナーシップで目標を達成しよう目標17では、SDGsの実施手段を世界中でシェアし、国・政府・企業・自治体・個人の間におけるパートナーシップの強化を目指しています。株式会社アスマーク調べによると、日本ではSDGsに対する認知度がアメリカ・中国に比べ高いものの、情報収集や関連企業の応援には消極的という結果が出ました。企業は様々なSDGsの取り組みを実施していますが、政府との連携が不十分であるために情報が行き渡っていないと考えられます。日本国内におけるSDGsの課題解決に向けた取り組み日本の課題となっているSDGs目標を達成するために、政府・企業でどのような取り組みが行われているのか見てみましょう。政府のSDGs推進本部が策定した、SDGs実施のために政府や企業などが行う取り組みの具体的な方針をまとめた「SDGsアクションプラン」を参考に、取り組みをご紹介します。ジェンダー問題に対する取り組み「目標5:ジェンダー平等を実現しよう」達成に向けた取り組みを見ていきましょう。アクションプランでは、女性の積極的な登用・「生理の貧困」への支援・女性デジタル人材の育成など、女性の活躍をサポートする方針を取り決めています。厚生労働省厚生労働省は2016年に「女性活躍推進法」を施行しました。女性活躍推進法は、労働者数が301人以上の事業主に対して、採用者に占める女性比率や勤続年数の男女差を把握し公表するよう義務付けています。また2019年の法改正により、2022年からは、労働者数が101〜300人以内の事業主も対象となりました。日本IBM株式会社日本IBM株式会社は、女性の活躍を推進するため、1998年に女性社員を中心に「Japan Women’s Council(JWC)」を発足しました。JWCはこれまでに、以下のような取り決めを実行しました。・役員・理事以上の部門長は、後任候補に必ず女性を含める・女性管理職育成プログラムを実施する2018年時点でIBMの管理職の女性比率は14%であり、2024年末までにこの比率を22%にするという目標を掲げています。 持続可能な生産・消費に関する取り組み「目標12:つくる責任 つかう責任」達成に向けた取り組みを見ていきましょう。アクションプランでは持続可能な生産・消費を促進し、「食品ロス量を2030年までに489 万トンまで低減する」という具体的な方針を掲げています。消費者庁消費者庁は「食品ロスの削減の推進に関する法律(食品ロス削減推進法)」を2019年に施行しました。この法律は食品ロスを減らすために、国・地方公共団体・事業者・消費者の役割を規定しています。政府はこれに基づき、消費者や事業者に向けて食品ロスの現状を記したリーフレットの作成・配布に努めています。また、消費者庁は料理レシピサービス「クックパッド」に消費者庁専用ページを開設し、「食品ロス削減レシピ」の募集・提供に取り組んでいます。株式会社セブン&アイ・ホールディングス株式会社セブン&アイ・ホールディングスでは、食品廃棄物削減のためにバラ売りや量り売りを実施しています。顧客が必要な分だけを購入できるようにすることで、食品ロスの削減につながります。また、イトーヨーカドー・ヨークベニマルの店頭にペットボトル自動回収機を設置し、廃棄物のリサイクル率向上に貢献しています。気候変動や自然環境への取り組みアクションプランでは、環境問題に関わる次の3つの目標について、以下の方針を掲げています。・「目標13:気候変動に具体的な対策を」について2050年までにカーボンニュートラル(温室効果ガスの排出量と吸収量を均衡させること)を達成する、クリーンエネルギー分野に大胆な投資を行う ・「目標14:海の豊かさを守ろう」廃棄物を処理する過程でプラスチックゴミを回収することやリサイクルの徹底、海洋生分解性プラスチック(海の中で微生物が二酸化炭素と水に分解できるプラスチック)の開発・「目標15:陸の豊かさも守ろう」地方公共団体や森林所有者等が行う森林の整備や、植林・間伐に必要となる森林内の作業道の整備に対する支援環境省環境問題への取り組みとして、環境省は「地球温暖化対策計画」を2021年に閣議決定しました。具体的な取り組みとして、電気自動車などの次世代自動車の普及や、LEDなどの省エネにつながる機器の普及を挙げています。また、温室効果ガス削減の進捗管理を厳格に行い、3年ごとに計画の見直しを検討するとしています。株式会社SUSTAINABLE JAPAN株式会社SUSTAINABLE JAPANは海洋汚染を防ぐため、海洋浮遊ゴミ回収機「SEABIN(シービン)」の普及を進めています。「SEABIN」は海水を取り入れて機械の中で濾過し、マイクロプラスチックなどの海洋ゴミを一度の稼働で20キロも回収することができます。アート引越センター株式会社アート引越センター株式会社は、手書きの見積書をタブレットを使用して電子化することで、「ペーパーレス化」を進めています。また、燃費が良いクリーンディーゼル車の利用で、CO2排出削減を目指しています。パートナーシップに関する取り組み最後に「目標17:パートナーシップで目標を達成しよう」に向けた取り組みについてです。アクションプランでは、有識者・民間企業・国際機関などの関係者が集まるSDGs推進円卓会議を中心に、国内外のあらゆる関係者との連携を目指しています。また、国民一人ひとりがSDGsを自分ごととして捉えられるよう、政府と民間の連携を深めSDGsの認知度を高めることを目標にしています。公益財団法人 日本ユニセフ協会ユニセフは日本政府と連携して、公平性を掲げ格差の是正に取り組んでいます。政府はユニセフの要望で、SDGs実施指針にユニセフが重視する「子どもの貧困の削減」や「子どもに対する暴力の根絶」を含めました。関西大学関西大学は様々な企業や自治体と連携して、幅広いSDGsの目標に取り組む「関西大学SDGsパートナー制度」を制定しました。NPO法人Blue Earth Projectなどがこの制度に登録し、エコ啓発のイベントの共同開催などを通してSDGsの認知度拡大に努めています。目標達成のために私たち一人ひとりができること政府・企業が日本のSDGsの課題に対してどのような対策を実施しているかご紹介しましたが、目標を達成するためには私たち一人ひとりの行動も重要です。ここからは、個人ができる具体的な取り組みを見ていきましょう。SDGsへの理解を深めるこの記事でご紹介した政府や企業の取り組みはほんの一部に過ぎません。まずはアクションプランで政府が掲げる具体的なSDGsの方針を確認し、国内で行われている取り組みについて調べましょう。さらに、SDGsに取り組む企業や団体はSNSで活動を発信している場合もあり、個人でできる取り組みの参考になります。「いいね」やTwitter上の「リツイート」でこうした活動をシェアすることは、企業や団体への支援にもつながります。地域に貢献する地域社会に貢献することもSDGsの有用な取り組みの一つです。個人ができる身近な取り組みとして、ゴミ拾いがあります。街中で見かけるポイ捨てされたゴミは、街の環境悪化につながり、放置すると水路や河川を通じて海に流出することもあります。私たちがポイ捨てされたゴミを回収することで、「目標14:海の豊かさを守ろう」や「目標11:住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献することができるのです。また、ポイ捨てされるゴミにはペットボトルや缶もあります。これらを収集してリサイクルにつなげることで、「目標12:つくる責任 つかう責任」を進めることもできるのです。ボランティア団体やNPO法人を支援するSDGsに関連する活動をしているボランティア団体やNPO法人は日本にたくさんあります。「子ども食堂」は地域や自治体が中心となり、子供たちに無料または安価で食事を提供する活動です。地域の子ども食堂に食材や調理器具、調味料などを寄付をすることで、「目標12:つくる責任 つかう責任」の課題解決に繋がります。また、NPO法人エコキャップ推進委員会はプラスチックゴミ削減のため、50,000社を超える企業・団体からペットボトルのキャップを集め、リサイクル製品に変えています。SDGsが掲げる、資源の持続可能な利用と海洋汚染の防止という二つの目標達成に尽力しているのです。こうした活動に参加することが難しい場合は、寄付という支援の形もあります。現在様々なボランティア団体やNPO法人がSDGsに関わる活動を展開し、個人ができる支援を公開しているので、気になる活動があるかチェックしてみましょう。SDGs活動に興味がある方は「Socialgoo」がおすすめSDGsに関する活動をもっと知りたいという方には「Socialgoo(ソシャグ)」がおすすめです。Socialgooは参加型メディアであり、ボランティア活動や地域貢献の情報共有ができます。日本が抱える課題やその解決のための取り組みについても紹介されているので、記事を参考にSDGsに関する理解を深め、個人でできる活動を探してみましょう。ぜひ会員登録をして他の記事もチェックしてみてください!まとめ2022年のSDGsランキングと達成度の評価から、日本にはいまだ深刻な課題が残されていることがわかりました。政府や関連団体はこの課題を解決するために、多くの取り組みを実行しています。私たちもSDGsの目標達成のため、日本の現状を把握し、個人ができる取り組みを実践していきましょう!

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【2022年SDGs達成度】ランキング上位国と日本の取り組み事例も紹介!

近年テレビ番組などでもよく見かけるようになったSDGsですが、日本ではどのような取り組みが行われているのでしょうか?そして、そもそも日本ではどのくらいの目標が達成できているのか気になりますよね。そこでこの記事では、世界のSDGs達成度ランキングを取り上げ、ランキング上位の国々の取り組みや、気になる日本の取り組み事例をご紹介します。この記事の監修者小田 勝宣(おだ かつのり)第6回SDGs検定取得。SDGsに関連したWebメディア記事執筆やブログの運営など実績多数。大学事務職員時代にSDGsに関する企画立案、運営業務に携わったことからSDGsに興味を持つ。現在はSDGs未来都市に選定された「岩手町」へ移住し、地域おこし協力隊として、地方におけるSDGsの取り組み強化に貢献している。2022年の日本は世界で19位!SDGs達成度ランキングとは?SDGs達成度ランキングとは、各国のSDGsの取り組みを100点満点で点数化し、ランキング化したものです。ランキングは、国際的な研究組織「持続可能な開発ソリューション・ネットワーク(SDSN)」が作成した「持続可能な開発報告書(Sustainable Development Report)」で発表されています。2022年度版のランキングでは、日本の順位は世界163カ国中19位、アジアでは1位でした。世界163カ国中19位と聞くと、それほど悪くはない気がしますよね。では、日本以外で上位にランクインしたのはどの国なのでしょうか?次の「達成度ランキング1〜20位」で20位までにランクインした国をご紹介します。達成度ランキング1~20位2022年度版SDGs達成度ランキング1〜20位は以下の国々です。1位 フィンランド2位 デンマーク3位 スウェーデン4位 ノルウェー5位 オーストリア6位 ドイツ7位 フランス8位 スイス9位 アイルランド10位 エストニア11位 英国12位 ポーランド13位 チェコ14位 ラトビア15位 スロベニア16位 スペイン17位 オランダ18位 ベルギー19位 日本20位 ポルトガル実は20位までにランクインしているのは、日本を除くとヨーロッパの国々だけです。このことから、ヨーロッパの国々はSDGsに高い関心を持ち、行動に移していることがわかります。とくに1〜4位に北欧の国々がランクインしたのは、北欧ではSDGsの取り組みが率先して行われているためだと考えられます。後ほど、「達成度ランキング上位の国の取り組み事例」でこれらの国々の先進的な取り組みをご紹介します。これまでの日本のランキング推移日本のランキングの推移は以下の通りです。2016年:18位2017年:11位2018年:15位2019年:15位2020年:17位2021年:18位2022年:19位日本の順位は近年下がり続けています。その理由は、いまだに多くの「深刻な課題」が残されているからです。日本が抱える「深刻な課題」について、詳しくは「日本は6つの目標に『深刻な課題』|目標別の対策事例」でご紹介します。世界全体の達成状況世界全体のSDGsの達成状況はどうなっているのでしょうか?世界各国の達成度の平均点を見てみると、2019年までは進展していたのですが、実は2020年以降は66点で停滞しているのです。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の流行によって経済が停滞しているため、貧困や経済成長が課題となっていたり、環境問題への取り組み具合が遅れていたりしています。また、ロシアによるウクライナ侵攻などの軍事衝突によって、安全保障やエネルギー価格の上昇なども懸念されており、さらに平和や格差問題に取り組むことが課題となるでしょう。世界全体でSDGsの達成状況が停滞しているなか、ランキング上位の国々はどのようなことに取り組んでいるのか、次にご紹介します。達成度ランキング上位の国の取り組み事例1位:フィンランド「世界一幸せな国」としても知られているフィンランドではこのような取組みが行われています。・SDGsスタートアップへの資金提供フィンランドでは、SDGsスタートアップがたくさんあります。SDGsスタートアップとは、SDGsに配慮した技術を活かそうとしている新興企業のことです。SDGsスタートアップがたくさん生まれる背景には、フィンランド政府直営の研究所「フィンランド技術研究センター(VTT)」があります。VTTが投資したり、研究機器を貸し出したりすることで、SDGsスタートアップが活発になっているのです。・レスポンシブルツーリズム(出典:Visit Finland)レスポンシブルツーリズムとは、「責任ある観光」と訳され、「観光に携わる人はその土地の環境や文化に与える影響に対して責任を持つべきだ」という考えです。国が定めた基準に則り、サステナブルな取り組みをしているホテルや旅行会社には「サステナブル・トラベル・フィンランド」という認証が与えられます。この認証があるかどうかで観光客の行動が変わるため、観光業界は環境や文化の保全に積極的に取り組んでいます。2位:デンマークデンマークは食のSDGsに力を入れています。・オーガニックフードの普及デンマークでは、オーガニックフードが学校給食でも使われるほどに広く普及しています。オーガニックフードは、強い農薬や化学肥料を使用しないため、土壌や河川に対する環境負荷が低いことが特徴です。・食品ロスの削減デンマークでは、食品ロスの削減に向けて、様々なサービスがあります。例えば、余った食品を専用のアプリからリーズナブルに提供するサービスや、他の店では廃棄される、パッケージ破損・賞味期限切れなどの食品のみを扱うスーパーがあります。3位:スウェーデン環境にも人にも優しい国を目指しているのが、スウェーデンです。・女性の社会進出のための法整備スウェーデンでは、例えば大臣の半数が女性であるなど、政治や企業の場で女性が多く活躍しています。また、育児休暇を取得した後も元の職場に復帰できるように法律に定められているため、女性の社会進出がしやすくなっています。他にも、父親のみしか使用できない育児休暇が90日分あるなど、男性の子育て支援にも国として取り組んでおり、男性の育休取得率は約8割に迫っています。(出典:内閣府)これらの取り組みにより、母親だけに任せることなく、育児をすることができる環境が整っています。・ゴミの再利用スウェーデンで出されるゴミの99%がリサイクルされたり発電に使われたりしています。ゴミがきちんと再利用されるとわかっているからこそ、積極的なゴミの分別にもつながっています。4位:ノルウェーノルウェーは環境に優しい街づくりを目指しています。・電気自動車の普及実は、ノルウェーの新車販売数に占める電気自動車の割合は2022年には79.3%にもなっています。同年の日本の1.4%と比べると、とても高い割合です。ノルウェーでは、電気自動車に対する税制上の優遇を行うなど、国として電気自動車を普及させようと取り組んでいることが、高い割合となっている理由のひとつです。(出典:ノルウェー|欧州代替燃料観測所|EU)(出典:燃料別販売台数(乗用車)|一般社団法人 日本自動車販売協会連合会)・「カーフリー」政策首都オスロでは都市部への車の出入りを制限する「カーフリー」政策が行われています。市内を走る車が少ない分、歩行者天国が多く、自転車専用レーンの整備もすすめられています。このような取り組みが評価され、オスロ市は環境改善に取り組む都市として、「欧州グリーン首都賞」を2019年に受賞しています。5位:オーストリアオーストリアは脱炭素政策が積極的に行われています。・再生可能エネルギーの使用オーストリア政府は以下の目標をかかげています。2040年までに温室効果ガス排出実質ゼロ2030年までに国内で生産される電力をすべて再生可能エネルギーで賄う実際に、全発電量のうち再生可能エネルギーが占める割合は、すでに80%近くに達しているのです。アルプス山脈やドナウ川など、水資源に恵まれているため、水力発電の割合が大きく、総発電量の60%となっています。水力発電を重視した政策が長年行われてきた結果、オーストリアは脱炭素先進国となったのです。(出典:2021年の自然エネルギー電力の割合(暦年・速報)|特定非営利活動法人 環境エネルギー政策研究所)日本は3つの目標が「達成済み」|目標別の取り組み事例日本は、目標4・9・16の3つが「達成済み」とされています。これら3つの目標に関連のある、企業や団体の取り組み事例を紹介していきます。目標4「質の高い教育をみんなに」・株式会社リクルートリクルートが提供する「スタディサプリ」は、「教育環境格差の解消」をミッションに掲げています。場所や環境を選ばないオンラインでの学習サービスが広まることで、どこにいても高品質な教育を受けることができます。・SMBC 日興証券株式会社SMBC 日興証券は、各世代のニーズに応じた金融経済教育を行っています。金融経済教育の提供を通して、正しい資産形成、さらには健全な資本市場の実現に貢献していくことを目標としています。目標9「産業と技術革新の基盤をつくろう」・NTTインフラネット株式会社NTTインフラネットは、浸水情報をリアルタイムで知らせる浸水検知システム(GAIA FITS®︎)を提供しています。このシステムによって、現地に直接調査をしに行かなくても、浸水状況をリアルタイムで把握できるようになります。・長野県伊那市(出典:伊那市)長野県伊那市では、デジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しています。例えば、「ぐるっとタクシー」というサービスでは、乗合タクシーを使いたい住民が出発地と目的地を指定すると、そこまでの経路をAIが自動で計算し、配車します。この乗合タクシーが、免許証を返納し、移動手段がなくなってしまった高齢者の移動手段として生活を支えています。このほかにも、モバイルクリニックや、ドローン、自動運転等のテクノロジーを活用することで、誰もが幸福な生活を送ることができる「しあわせのまち」を目指しています。目標16「平和と公正をすべての人に」・株式会社飯島産業ユニフォームや制服の企画・製造を行う飯島産業は、「フェアトレード」に取り組んでいます。フェアトレードとは、途上国で作られる原料や製品を適正な価格で購入し、途上国に住む人の生活改善や自立を目指す公平・公正な貿易のことです。飯島産業は国際フェアトレード認証コットンを使用したユニフォームを供給しています。・日本航空株式会社(JALグループ)JALグループは2019年に「JALグループ人権方針」を制定しました。また人権への想いとして、ホームページに以下の文章を掲載しています。JALグループは、事業活動を通して、すべての人権が尊重され、安心して活躍できる社会の実現を目指しています。(出典:人権の尊重|サステナビリティ|日本航空株式会社)航空機内での人身取引の防止に努めているほか、ハラスメントや長時間労働のない職場に向けて取り組んでいます。日本は6つの目標に「深刻な課題」|目標別の対策事例「達成済み」とされた目標がある一方、以下の6つの目標は、日本が抱える「深刻な課題」とされています。これらの目標に対して、達成に向けてどのような取り組みが行われているのか、ご紹介します。目標5「ジェンダー平等を実現しよう」・エスビー食品株式会社エスビー食品は、人材の多様化を推進するために「S&Bポジティブアクション」を制定しました。その中では、労働時間の是正のために平均総実労働時間の目標が定められていたり、ジェンダー平等のために女性管理職比率や女性採用比率の改善などが定められたりしています。産休・育休取得者対象セミナーや事業所内保育園の設置など、育児と仕事の両立を支援する取り組みも多くあります。人材の多様化のために、誰もが働きやすい環境づくりを目指しているのです。(出典:組織の人材多様化推進|サステナビリティ|エスビー食品株式会社)・アクセンチュア株式会社アクセンチュアでは、ジェンダー平等を目指して、男性育休ロールモデルを社内報で取り上げたり、女性社員のキャリア意識向上のための研修をしたりしています。また、2006年に女性社員が最大限の能力を発揮して活躍できるようにするために、所属や役職を越えた組織である「Japan Women's Initiatives(JWI)」が発足しました。これらの取り組みの結果、2021年に日経WOMAN「女性が活躍する会社Best100」で総合1位を受賞しました。(出典:平等の文化のある職場環境を目指して|インクルージョン&ダイバーシティ|アクセンチュア株式会社)目標12「つくる責任 つかう責任」・株式会社ファーストリテイリングユニクロなどを運営するファーストリテイリンググループは、「服のチカラを、社会のチカラに。」をビジョンに、商品のリユース・リサイクル活動をしています。まだ着られる服は世界の難民・国内避難民などへ寄贈しています。着られなくなった服は、新しい服の原材料や、固形燃料などの産業用資材にリサイクルしています。(出典:サステナビリティ|株式会社ファーストリテイリング)・株式会社コークッキング株式会社コークッキングが運営するTABETEは、飲食店で余ってしまった食品を消費者である「食べ手」につなげるサービスです。売れ残りの食品は廃棄されることが多いですが、TABETEで呼びかけて買ってもらうことで、食品ロスを減らせます。TABETEでは値引きをしている飲食店もあるので、消費者もお得に食べられます。つくる側もつかう側もメリットを感じながら、SDGsに貢献できるサービスです。目標13「気候変動に具体的な対策を」・パナソニック ホールディングス株式会社(出典:パナソニックホールディングス株式会社)パナソニックは、2050年までに「創るエネルギー」が「使うエネルギー」を超えることを目標にしています。具体的には、脱炭素エネルギーの普及のため、3種類の電池を組み合わせた自家発電の実証に取り組んでいます。また使うエネルギーの削減のため、商品の省エネ性能の向上にも取り組んでいます。・ダイキン工業株式会社ダイキン工業は、オゾン層の破壊や地球温暖化を防ぐために、次世代冷媒の実用化を推進しています。冷媒とは、エアコンや冷蔵庫などに使われている、熱を運ぶガスです。かつて使われていた「HCFC」や「HFC」という冷媒はオゾン層の破壊や地球温暖化の原因になっていました。ダイキン工業はこれらの代わりに低温暖化冷媒である「R32」を採用し、地球温暖化防止に取り組んでいます。目標14「海の豊かさを守ろう」・株式会社商船三井商船三井は海洋汚染防止のため、船舶の廃棄物や不要な油を船内で分別・処理しています。またプラスチックごみを陸に持ち帰ることを徹底しており、海中のマイクロプラスチック(微小なプラスチック粒子)も、船舶に装置を搭載して回収しています。・シャボン玉石けん株式会社シャボン玉石けんは、企業理念として「健康な体ときれいな水を守る」を掲げており、無添加せっけんを製造しています。一般的な石けんには、合成界面活性剤や香料・着色料などの添加物が入っていることが多いです。しかし同社の無添加石けんは、排水として海や川に流れ出ても、微生物や魚のエサになる環境にやさしい石けんです。目標15「陸の豊かさも守ろう」・住友林業株式会社(出典:住友林業株式会社)住友林業は、高層建築への木材活用に取り組んでいます。実は国産材の供給量は、木の年間成長量の20〜25%に留まっており、森林資源の余剰分が年々増加しています。同社は、高さ350mの木造超高層建築物を2041年に実現する「構想W350計画」を2018年にまとめました。この計画では、同社の木造住宅の約8,000棟分に相当する、185,000㎥もの木材を使用します。木材を適切な量だけ使うことで、森林の状態をよくすることができます。そのためには、木材を高層建築にも活用していくことが求められています。(出典:街を森にかえる環境木化都市の実現へ木造超高層建築の開発構想W350計画始動|住友林業株式会社)・株式会社ソニーコンピュータサイエンス研究所ソニーコンピュータサイエンス研究所は、砂漠化が進んだ土地を回復させ、農地にする取り組みをしています。この取り組みでは、種と苗以外一切持ち込まず、植物の特性を生かして生態系をつくっていく「協生農法」という方法を実践しています。2015年から、アフリカのブルキナファソにある砂漠化した土地で協生農法を導入したところ、1年間で砂漠化を逆転させ、森林生態系の回復に成功しました。目標17「パートナーシップで目標を達成しよう」・博報堂DYグループ×JANIC博報堂DYグループとJANIC(特定非営利活動法人 国際協力NGOセンター)は、身の回りにあるお願いにSDGsに関する「ひとこと」を加えた、「ひとこと多い張り紙」を作成しました。例えば、目標7「エネルギーをみんなに そしてクリーンに」を題材にした張り紙には、「電気の使えない生活に想いを馳せながら 退室時には消灯してください」というメッセージが書かれています。(出典:ひとこと多い張り紙|SDGs理解促進ツール|JANIC)「ひとこと多い張り紙」は、SDGs理解促進ツールとして利用してもらえるように、JANICのホームページにて無償で公開されています。・ヤマハ株式会社ヤマハは、器楽演奏体験を提供する「スクールプロジェクト」をインドで実施しています。インドは人口が多く市場としても大きいですが、実は公教育のカリキュラムに音楽教育がありません。同社はプロジェクトを通して、インドの子どもたちが音楽にたくさん触れられるように取り組んでいます。SDGs活動に興味がある方は「Socialgoo」がおすすめSDGsに関する活動をもっと知りたいという方におすすめな「Socialgoo(ソシャグ)」。ソーシャルグッド(社会にとって良いサービスや活動)に特化したメディアであり、プロボノやSDGsへの取り組み事例など様々な情報を掲載中です。ぜひ会員登録をして他の記事もチェックしてみてくださいね!まとめ日本のSDGs達成度ランキングは19位でした。ランキング上位の国では、政府・企業・国民が力を合わせている取り組みが多く、皆で手を取り合って達成を目指すことが大切と言えそうです。また取り組みに直接参加しなくても、SDGsに取り組んでいる企業・団体の商品やサービスを積極的に選ぶことでも、SDGsに貢献できます。より多くの方がSDGsに関心をもち、購入や参加によってSDGsに取り組むことが、達成度ランキングの順位を上げるためには必要そうです。