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寄付を起点に循環型社会へ|株式会社浜屋の循環型社会への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「循環型社会」です。自分にとっての不用品であれば、まだ使えるモノでも捨ててしまう人が多いのが現状です。しかし、循環型社会、持続可能な社会を実現するためには、不用品も捨てずに活用していくことが必要です。そんな社会課題の解決に取り組んでいるのが、「キフコレ」というサービスを運営している株式会社 浜屋です。キフコレでは不用品の寄付を、障がい者や途上国の雇用促進・自立支援が実現する場作りにまでつなげています。さらにはキフコレで得た利益を活用し、発展途上の地域で深刻な水不足を解消するための取り組みも行っています。今回、キフコレについてお話を伺うため、運営企業である株式会社 浜屋の取締役営業統括部部長・小林さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?実は意図してソーシャルグッドを目指したわけではなく、既存の事業から発展してできることに取り組んだ結果、今のような形になっていきました。キフコレのサービスではリユース、つまりゴミの問題がベースの視点となっています。そこから派生して、障がい者施設や途上国での雇用創出、さらには水不足問題への取り組みに発展していきました。経済効率の問題から、リユース業界で買い取れるのはある程度価値のあるモノのみで、わざわざ送ってもらって買取ができるものは少ないのが事実です。単価が高くないモノを扱うことは難しいのですが、それでもそのモノを捨てることなく必要としている人に届けることを目指し、買取ではなく寄付でいただくというお願いを始めました。Q.2 活動内容を教えてください会社の事業としては、中古の家電、雑貨などの不用品を回収業者や個人から買い取って、海外へ輸出販売しています。その中でも「キフコレ」では、不用品の寄付を募って海外に輸出・販売しています。キフコレでは、不用品の再利用で環境問題に取り組めるだけでなく、他にも以下3つの特徴があります。特徴1.障がい者の雇用寄付いただいた不用品のうち、パソコンなど電子基板を含むものの解体には、障がい者の方にご協力をいただいています。そして、職業訓練を経験した方たちに最終的に企業に就職いただくことで、雇用創出や自立支援に繋がるんです。また電子基板の解体は、金・銀・パラジウムなどを取り出し集めて精錬メーカーに販売することで、都市鉱山リサイクルに貢献できます。特徴2.途上国の雇用寄付いただいた不用品を販売するためには、修理が必要になります。その修理を、販売先の現地の修理工の方にお願いしています。修理・調整作業があることにより、現地の修理工の雇用創出・自立支援に繋げられるんです。また、現地では壊れた家電製品は買い換えるのではなく、基本的に何回も直して使い続ける習慣があるため、壊れにくく比較的簡単に直せる日本製品がマッチしています。特徴3.水浄化剤の寄付寄付していただいた不用品の売上の一部は、1回で100リットルの水をきれいにできる浄化剤の寄付に回し、途上国での安心・安全な水の確保に貢献しています。寄付いただいている方々の善意で成り立っているビジネスなので、得た利益は世界をより良くする活動に使いたいと考えています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?リユース事業においては、お金を払わないと不用品は集まらないという常識がありました。リユース業界に長く携わる中で、以前は会社でも個人でも、捨てるのにコストがかからないのであれば捨ててしまうのが当たり前だった印象があります。しかし、フリマアプリを利用する人が近年で増えた背景に「もったいないから」「まだ使えるから」という想いがあり、捨てるなら誰かにあげたいと思っている人が一定数いるのではないか、という仮説があり、リユース業界以外から中途入社したメンバーの企画により、このサービスを開始しました。実際、最近のSDGsや脱酸素などの世界的な潮流を受け、特に若い人を中心に「すぐ捨てるのはダメだ」という考え方に変わってきています。現在、できる限り不用品を活用しようと考えてくれる会社もあり、個人でもそういう思いを持たれる方がもっと増えていくと思っています。弊社ではこれまで、発展途上国へ貢献したいと入社してくる人が多かったんですが、最近は循環型社会実現に向け取り組みたいという人も増えてきています。また、寄付するモノにお手紙を添えてくださる方もいます。実際に寄付する人々の想いを感じられるところでもあり、それは私たちとしては本当にありがたいことです。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?SDGsの1つの節目である2030年までに、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」へ最大限貢献したいと思っています。これまでの社会では大量生産・大量消費が行われてきましたが、資源の有限性やごみ問題などを考えると、持続可能な社会とはいえません。持続可能な社会へシフトしていくためにも、弊社は今あるものを有効に使い続けることを目指します。そんな社会を実現するためにキフコレを開始しましたが、まだまだサービスの認知度を上げていく必要があります。ソシャグでは、情報発信やSEO対策をサポートする機能が提供されると聞いているので、期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!モノを捨てる前に「これってまだ使えるんじゃないかな?」と、立ち止まって一度考えてみて欲しいです。捨てるのはもったいない、そんな不用品が見つかったときには、ぜひキフコレにお問い合わせください。また企業様でも、事業の中でもったいないと思うところがあれば、ぜひお問い合わせください。SDGsの実現にむけ、課題解決のサポートを提供いたします。キフコレTwitter(@mottainai_kifu)株式会社浜屋

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日本発のサステナビリティ革命の実現を目指して|株式会社TBMのサステナビリティへの取り組み紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「サステナビリティ」です。SDGsが世界共通認識となりつつある昨今ですが、それでも、エコロジーとエコノミーの両輪を合わせて成功した事例を具体的に思い浮かべることは、なかなか難しいのではないでしょうか?今回ご紹介する株式会社TBMは、次世代新素材の開発・製造・販売を通して、正にサスティナブル・エコロジーをグローバルビジネスとして実現した、日本有数のユニコーン企業です。コミュニケーション・ディレクターの菊田さんに、社名の由来から、トップを走るサスティナビリティ領域での現在の活動について、お話を伺いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?私たちTBMは、サステナビリティ領域のトッププレイヤーを目指し、「資源保全」「気候変動」「循環型経済」にフォーカスしながら、大量消費による資源廃棄や、水・森林など天然資源の枯渇問題を解決するための事業を展開しています。社名の「TBM」は、「Times Bridge Management」の頭文字を取っており、「何百年も挑戦し続ける、時代の架け橋になるような会社をつくりたい」という想いが込められています。この想いは創業者である代表が、初めて欧州を訪れた際、何百年も前に造られた建造物や街並みが現代でも生き生きとした市民生活の場となっており、そこで歴史の重みや文化の流れを目の当たりにし、大きな感銘を受けて胸に抱いたビジョンが原点となっています。「Times Bridge Management」を実現するため、以下3つの目標を掲げました。分かりやすく世の中に立つことグローバルに貢献する会社兆のつくビジネス私自身は、元々社会課題に対して高い意識を持っている人間ではなかったですが、知人が勤めていたこの会社の存在と事業内容やビジョンを知り、自分も子供たち世代の未来のために、直接貢献できる仕事に取り組みたい、という想いで強い共鳴を抱き、この会社に加わりました。Q.2 活動内容を教えてください現在、大きく注力し取り組んでいるのは2つの事業になります。活動1.プラスチックや紙に代わる新素材「LIMEX(ライメックス)」の製造・販売とくに私たちがフォーカスしているのは、水や森林など枯渇リスクが高いと言われる資源の問題です。途上国における人口増加や産業の発展によって拡大する水需給に加え、気候変動による水循環の異変等、様々な原因から世界各地において深刻な水不足が起きています。また農業用水不足による食糧危機、新たな国際水紛争の勃発、生物多様性を脅かす絶滅危惧種の問題など、重大な危惧が抱かれる状況に至っており、対策が急がれています。そこで、私たちが開発した新たな素材の一つ「LIMEX」は、主原料として石灰石を使用しており、製造時に森林資源を使用せず、水についてもほとんど使用しません。LIMEXが紙の代替として普及することにより、枯渇リスクが高い資源の保全に貢献できます。また、LIMEXの主原料である石灰石は従来のプラスチックと比較して、原料調達時や焼却時のCO2排出量も少ないため、LIMEXはライフサイクル全体で排出する温室効果ガスを抑制することができます。活動2.資源循環モデルの構築世界全体で資源循環はわずか9%と言われています。その状況で大量生産・大量消費が行われれば廃棄物の量も必然的に増加し、廃棄物処理が追いつかない、処分場が十分でない、といった問題が起きています。LIMEXは使用して終わりではなく、回収し再原料化・再製品化できます。LIMEXの普及と同時に、社会問題になっている廃プラスチックと併せた、新たな循環モデルを構築することで、エコロジーとエコノミーを両立する資源循環型社会を促進しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?新素材開発の過程には様々な困難もありましたが、経済産業省からの補助金を受け、第一工場(宮城県白石市)が完成したことが大きなターニングポイントとなりました。その後、2016年の本格的な製品販売の開始から今日に至るまで、8,000を超える企業や自治体の皆様に私たちの製品やサービスをお使いいただいています。また海外でも私たちの技術や価値観に注目していただき、共感を持って「LIMEXを一緒に世界へ広げていこう」というパートナーがどんどん増えてきました。現在では、LIMEXの用途は多岐に渡り、ボールペンやプラモデルなど一般の消費者様に向けた製品であったり、飲食店のメニュー表や小売店の買い物袋、パッケージなどの店舗資材であったり、多くの導入実績によって皆さまに身近に感じていただく機会も広がっています。SNS等で私たちの開発した新素材を応援してくださる方の声や、次世代への教育としてLIMEXを取り上げたいという教育機関からのリクエストも増え、とてもうれしく思います。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「日本の技術で豊かな海を残し、未来の水を守り、豊かな森林を残したい」私たちが目指す未来の実現には、多くの共感・応援の輪が必要です。そのために広範囲での情報発信や、代理店・パートナーの拡大、企業や自治体、各団体との具体的な協業を推進しています。そして、創業10周年を機に、「TBM Pledge 2030」という2030年までの目標も野心的に掲げました。2030年までにカーボンネガティブを実現する2030年までに100万トンのLIMEXとプラスチックを50カ国で循環させるこの「TBM Pledge 2030」の達成に向けた取り組みが、多くの人々を巻き込みながら日本を超えて世界へ拡大していくことで、大きな社会的インパクトをもたらすことが出来ると信じています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!TBMは、サステナビリティ革命を地球規模で実現させることに本気で挑戦しています。そして、私たちが各事業を通じ、サステナビリティ革命を実現するためには、多くの人々が無意識に支配されている「価値観」をも変えて行かなくてはならないと感じます。「未来ではなく、今の選択を大切にする」という旧来の価値観から、「未来のために、今の選択を大切にする」という新たな価値観へ。未来予測ではなく、自らが強い想いで未来を思い描く『未来意志』にこそ、世界中の一人でも多くの方々に共感してもらえる力があると信じています。そんな強い意志をもった方と一緒に、私たちの挑戦を加速させたいと思っていますので、お問い合わせフォームからのご連絡、SNSのフォローをよろしくお願いします。TBMお問合せフォーム環境に配慮された製品を取り扱うサステナブルなオンラインセレクトショップ「ZAIMA」Twitter(@LIMEX_TBM)YouTube(TBMチャンネル | 日本発の新素材LIMEX)

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本質的にエシカルな社会を実現|一般社団法人エシカル協会の取り組みをご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「エシカル消費」です。普段の生活では、自分の行動が社会に与える影響について考える機会は少ないですよね。実際には消費者の行動1つでも、国内の環境さらには途上国の生活にまで及ぼす影響があり、深刻化している問題もあります。そんな消費者行動に注目し、地球環境に配慮したエシカルな行動の促進に取り組んでいるのが、一般社団法人エシカル協会です。エシカル協会は、人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動であるエシカルを普及するための講座を開講しています。また、消費者だけではなく企業や政府に対する講演や提言も行い、エシカルな行動を行う人を増やすために尽力しています。今回、エシカル協会の取り組みを紹介するため、一般社団法人エシカル協会理事の大久保さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?途上国を訪れたことをきっかけに、現地で暮らす人のより豊かな生活を実現するため、エシカルな社会の実現に向けて取り組んでいきたいと思うようになったからです。私は小さい頃から途上国の人の生活に興味を持っていて、テレビや本から国・地域ごとの文化や伝統を知る中で、格差や貧困などに苦しむ人もいる現実を知って衝撃を受けました。そのため社会人になってから留学を決意したときには、社会課題解決の力になる開発経済学を選びました。留学中にフィールドワークで1ヶ月滞在したペルーのアマゾン川流域のタラポトという町は、アマゾンの熱帯雨林から近くて自然あふれる非常に綺麗な地域です。しかし、タラポトから車で1〜2時間しか離れていないアマゾン川流域の奥地にホテルがたくさん建っていることに、大きな衝撃を受けました。資本を獲得し途上国の経済を豊かにするため、観光客受け入れを目指して開発を進める事例は珍しくありません。しかし現地の人たちは「経済は潤うけれど、伝統的な雰囲気や文化は捨て去られてしまうため危機感を持っている」と言っています。途上国を訪れたことで、自分の日常の選択が途上国に与える影響力の大きさを肌で感じ、社会課題に本当にちゃんと向き合っていきたいと思うようになったのです。その中でエシカルについて知り、エシカルな社会実現に向けた取り組みをしていきたいと強く感じました。Q.2 活動内容を教えてくださいそもそもエシカルとは、「人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動」のことを指します。そして私たちエシカル協会の活動では、「エシカル」という概念を普及しています。協会のミッションは、「エシカルの本質について自ら考え、行動し、変化を起こす人々を育み、そうした人々と共に、エシカルな暮らし方が幸せのものさしとなっている持続可能な世界の実現を目指します」です。エシカル協会では、主に以下のような活動を行っています。活動1.消費者がエシカルを学ぶ機会の提供活動の大きな柱として、多くの人にエシカルの本質を知っていただく「エシカル・コンシェルジュ講座」を開催しています。各分野の専門家をお招きして、気候変動、サーキュラーエコノミー、動物福祉、途上国の児童労働など、エシカルにかかわる幅広い分野の講座を、約半年間で全11回開いています。講座を修了した方を、「エシカル・コンシェルジュ」と呼びます。協会の形で立ち上がる前の活動から数えると、エシカル・コンシェルジュ講座受講生の数は2000人を超えました。活動2.次世代にエシカルを繋ぐ講演活動や企業との連携エシカル消費の普及においては消費者の変化だけではなく、企業・行政それぞれの連携が重要であると考えており、企業への働きかけ、企業や教育機関での講演も行っています。私たちのミッションに共感して活動をしてくださっている法人会員は30社を超えました。各企業には、エシカルな商品・サービスを提供することに加え、商品・サービスに関する情報開示や消費者への積極的な発信を行っていただくようお伝えしています。活動3.エシカルな仕組みを社会に作るための政府との連携エシカル消費の普及のためには仕組みづくりも欠かせないため、政府の委員会への参加などを通じ、エシカルの重要性を直接お伝えしています。レベル・プレイング・フィールド(公正な競争条件)確保の観点から、行政には、事業者が情報開示をするに当たってのルールを定めることや、消費者教育・学校教育の中でエシカルを学ぶ仕組みを構築することなどを提言しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?私たちと一緒に動く仲間が増えてきて、エシカルな社会の実現に向けた一歩を積み重ねられていると感じています。エシカルとは「エいきょうをシっかりカんがえル」こと、つまり、自分の行動1つひとつがどんな影響を与えるのかを考えることです。例えば、食べもの1つ買う場合でも、自分の行動による影響を考え続けること自体がエシカルな暮らしの第1歩となります。私個人としても、この観点で生活における選択をできるようになったことが大きな変化です。また、エシカルは幅広いテーマを横断するものなので、社会課題に取り組んでいるNPO/NGOやスタートアップの方々とお会いする機会も増えました。そこで自分の知らなかった社会課題や取り組みについて知り、日々新しい学びがあって大きな刺激をいただいています。エシカル・コンシェルジュからは「今まで知らなかったことを知って大きなショックを受けた。知ったからには生活の中でできることをしていきたい」という声をよくいただきます。実際に、講義では動物福祉と畜産について毎回触れているのですが、そこで現状を知って衝撃を受けた後に「この現状を近くのスーパーに届け、ニワトリにより配慮されている平飼い卵の取り扱いを始めてもらった」などの具体的な行動を起こすコンシェルジュも多くいます。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「エシカル」という言葉を使わなくても、エシカルな社会が実現している状態を目指しています。言葉が存在するのは、その状況を意識的に目指さなければいけない状況だと考えています。「エシカルな消費」「エシカルな生き方」を意図的に目指さなくても、本質的に「エシカルな社会」、すなわち人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動が浸透している社会が実現されれば良いなと思います。私たちは気候変動や生物多様性の減少、サプライチェーンにおける人権侵害など、多くの社会的な課題を抱えています。それらの課題への対応が求められるのはもちろんですが、解決は簡単ではありません。多くの商品は海外で調達された原料を使い、途上国の工場で部品が製造、加工されるなど、長く複雑な工程をたどっています。課題の解決に向けては、目の前の商品は誰がどのように作ったのか、どのように使われていくのか、商品の過去・未来・現在について消費者1人ひとりが考えて行動することが必要です。エシカルな社会を実現するのための道のりはまだまだ長く、やるべきことは本当に多いです。消費者が取り組むだけでなく、企業も環境や人権に配慮した事業活動をし、エシカルな商品・サービスが消費者に届きやすくなることも求められます。また、消費者や企業がエシカルに取り組む後押しをするような政策も必要です。私たちエシカル協会だけではなく、これからも仲間を増やして活動の輪を広げていきたいと考えています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!私たちエシカル協会は、「エシカルな暮らし方を、幸せのものさしにしたい」という想いを持って活動しています。エシカル協会では、エシカルの本質について自ら考え、 行動し、変化を起こす人々を育み、 そうした人々と共に、エシカルな暮らし方が幸せのものさしとなっている持続可能な世界の実現を目指しています。どなたでも受講可能な、エシカルに関する幅広いテーマを学んでいただけるエシカル・コンシェルジュ講座を開講しています。また法人会員制度も設けており、エシカルな社会実現に向けた活動に賛同して下さっている企業様のコミュニティです。そして企業・自治体・教育機関向けの講演活動も行っています。ご関心をおもちお持ちいただける方は是非お問い合せフォームからご連絡ください。エシカルな社会の実現に向けて、ご一緒いただけますと、とても嬉しいです。

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地域の人と協力した魅力発信の場づくりを|くらふとカフェ おすそわ家の地域活性化への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「地域活性化」です。地方では、人口減少・観光客の減少が深刻です。さらには、地域課題の解決に取り組もうとする企業があっても、その取り組みと地域の人の想いとの間に乖離が生まれてしまうという現実が存在しています。そのような課題を、「魅力の発信」を軸にして解決しようと活動しているのが「くらふとカフェ おすそわ家」です。おすそわ家では、地域に住むからこそ見えてくる課題と魅力を、さまざまな企画とサービスの導入に挑戦することで、「地域の人目線で地域を活性化」させることを目指しています。今回はおすそわ家の取り組みを紹介するため、ワークフローデザイン合同会社の渡辺さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?自分が40代に入ったときに「ふるさと」と感じられる場所を作りたいと思ったのが、この活動を始めた大きなきっかけです。というのも、私は親の離婚後、母子家庭で育ち、親戚とも疎遠でお墓がないため、ふるさとを感じる機会がほとんどありませんでした。ふるさとを作る糸口を見つけようと、周りの人に「ふるさとはどこですか? どんな場所ですか?」と聞いて回りました。その中で出会った中のお一人が、山梨県富士吉田市にコワーキングスペースを立ち上げようとされており、そちらをお手伝いするために私は多拠点居住を始めました。山梨県には、富士山やシャインマスカットなどの観光資源があり、ふるさと納税や移住ランキングでも上位に位置する地域です。そういうこともあり、観光資源に注目した企業が行政と協力し、流行りのワーケーションをはじめとした様々な取り組みを行っています。しかし、その動きに対し、地域の人には「自分たちは取り残されている」「もっと地元のことに取組んでほしい」というお気持ちを聞く機会が多くありました。実際に私は富士吉田市で生活を始めたところ、たしかに、世間が言う「多拠点・地域創生・地域おこし」と現地の人との温度感や視点に、大きなひらきがあることに気がつきました。富士吉田市で暮らし始めて、感じた課題があります。観光客が多いといわれるが、富士吉田市に滞在する時間は短く、経由して他の地域へ行ってしまう。(他の地域に行ってしまうという影響もあり)地域飲食店の利用者が少なく、さらにコロナの影響もあり、地域店は苦境に立たされ店舗数の減少が進んでいる、などそこで私は、地域の人の視点で進めるために、地域のもともとある魅力を発信することで課題解決に取り組みたい、と考えるようになりました。コロナによる地域店の閉店などを目の当たりにし、利用者としての応援ではなく、新しいサービスの形を見つけないと状況は悪化していくと感じたため、実験的に多目的雑貨店をスタートしました。Q.2 活動内容を教えてください富士駅から徒歩1分の場所で、多目的雑貨店「くらふとカフェ おすそわ家」を運営しています。また自店のサービスとして、喫茶・軽食・雑貨販売・PCやスマホのよろず相談(アレコレ教室)を展開しています。それ以外に、自身の経験やスキルを活かして、富士吉田地域での商い全体が盛り上がるような既存の枠にとらわれない取り組みを行い、富士吉田地域の可能性を探っています。おすそわ家では多くの取り組みがあるのですが、その中から4つ紹介します。活動1.地域のハンドメイド作品の魅力をさらに高めるセミオーダーの付加価値をつける富士吉田周辺には、ハンドメイド作品の作家さんが多くいらっしゃいます。地域の人が作成したアクセサリーはとても魅力的なのですが、買う側からすると地域特有のお店が少ないという点から、「人とかぶらないようにしたい」「自分が好みのデザインを探したい」というニーズがあります。この2点のニーズに応えるために、セミオーダーという形で、既存商品のカラーオーダーを受けられるようにしたり、既存商品のパーツを変更・追加したりすることで、フルオーダーに近しい「自分だけのアクセサリー」が手に入るように、商品力を高めるお手伝いをしており、ゆくゆくはネット販売にも進めていきます。これによりアクセサリーに限らず「作った物をただ、並べて売る」という売り方ではなく、売れるためのお手伝いをしています。活動2.イートインスペースとしての店舗開放による地域飲食業への購入機会創出富士吉田周辺は、観光資源が多いためたくさんのイベントがあり、そこに向けたキッチンカーも数多く存在します。また、コロナの影響もあり、固定店舗の飲食店はテイクアウト品の販売を行っています。しかし、キッチンカーはイベントが中止となれば売上げはなくなり、固定店舗のテイクアウトも食べる場所がなければ、食べる場所を確保してからの購入となり、どちらも安定的ではないのです。そこで、おすそわ家の店頭にキッチンカーさんに出店していただき、おすそわ家をイートインスペースとして活用してもらっています。また、固定店舗のテイクアウト品もイートインで飲食可能としています。これにより、キッチンカー・固定店舗それぞれのメニューが偏っていたりしても、それぞれのラインナップが相互に補完しあうようになり、飲み物からデザート、小食向け、大食漢向けにも対応でき、利用促進につながると考えています。当店も、イートインの際は飲食を提供しなくても雑貨の販売につながりますので、メリットばかりです。空地・空き家問題がありますが、そういった問題にも活用できるのではないかと考えております。活動3.wakeauを活用したサービスwakeauというサービスで入手した農作物を飲食メニューに使用したり、来客に無償でおすそわけしたりしています。wakeauは一般消費者が利用する、日本各地の農作物など「食べる」魅力が詰まったお楽しみBOXを提供しているサービスですが、おすそわ家では特別に許可をいただいてこの活動が実現しました。おすそわ家でwakeauのサービスを体験してもらうことで、wakeauサービスを利用する一般消費者への宣伝効果や、将来的には、富士吉田周辺の生産者の方が、wakeauを通して提供側に回れば、生産者の方の新しい販路の獲得につながると考えています。活動4.Otomoniを活用したクラフトビール提供Otomoniというサービスで入手した日本各地の約2,000種類にも及ぶクラフトビールを提供しています。こちらも一般消費者向けのサブスクサービスで、日本各地のクラフトビールを購入できるサービスですが、おすそわ家では特別に許可をいただいて提供しています。おすそわ家でOtomoniサービスを体験してもらうことで、ポップアップストアのようにOtomoniサービスを自宅でも利用したいという一般消費者への宣伝効果や、将来的には、富士山からの湧き水を利用した、地域のクラフトビールの生産者の新しい販路獲得にもつながると考えています。このようなサブスクサービス(一定料金で一定期間のサービスを受けられる)の体験によって、富士吉田でも色々なサービスが受けられるので、地域の人には、この吉田でクラフトビールを多くの種類が飲めると訴求できますし、移住する人にも、都心じゃないから〇〇がない、選択肢が少ない、といったニーズにも応えていけるのではと考えております。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?情報の多面性を強く意識するようになりました。地域社会では口コミの重要度が高いのですが、発信者の所属するコミュニティによって、口コミの見え方も変わります。クローズドな地域社会では、他の地域(つまりコミュニティ)からの意見が入ってきにくく、自分と違う意見の口コミに出会う機会も少ないのが特徴です。しかし、ネット上のSNSにより、新たにネット上にもコミュニティができるようになり、違うコミュニティの口コミで合う機会が増えてきたのが近年だと考えます。それにより上辺だけの「地方創生」という言葉だけではなく、具体的な「何をして地域に何を返すのか」をサービスレベルにまで落とし込むことが、誤解されずに情報を伝達することができるのではと感じています。また、富士吉田市は人口が5万人を切っていて、活動範囲もエリアごとに固まっていたりするので、マーケティングの母数人口が極端に少ないため、傾向をつかみにくく、個別戦略が必要となってきます。ですので、定性的な想いを重要視したマーケティングやプロモーションを進めるようにしています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?もともと各地域はとっても魅力的です。ただ、時代の変化に合わせて、魅力の伝え方にも変化が必要なので、そこを飲食に限らずあらゆる業種で地域の人目線で活性化につなげていける、そんな魅力を発信する場所におすそわ家がなれればなと考えています。飲食であれば、安心して地域のお店は後継者が後を継いだり、新規出店が増え、暮らしている人それぞれの「ふるさとの味」と呼べるものが、ずっと地域にある状態を実現したいと思っています。富士吉田周辺地域では、古くからある地域に暮らす人同士の助け合いの精神でまちづくりがなされてきました。今後はその助け合いの中におすそわ家が歯車として入っていけるように、努力を続けていきます。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!色々な想いがあっても実際に「やってみよう」と思い行動するには、超えなければいけないハードルや壁がいくつもありますよね。でもそのハードルは思い込みかも知れず、視点を変えて横から見ると薄っぺらい壁かもしれません。当店の店頭や店内を利用し、まずは「なにかやってみませんか?」コーヒーでも飲みながらお話しできればと思います。「くらふとカフェ おすそわ家」での活動は、Instagramにて最新情報が常に掲載されていますので、ぜひご覧下さい。Instagram(@osusowake4u)

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日本で1番楽しいゴミ拾いを|海さくらのビーチクリーンへの取り組み

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ビーチクリーン」です。各地の海ゴミは、海洋から流れ着いたものだけでなく、実はその多くが街から辿り着くゴミだった、とご存知でしたか?今回ご紹介する「NPO法人海さくら」は、『楽しい・体験・体感』をキーワードに、誰でも参加できる海のイベントを17年間実施し、そのイベントから、おしつけがましくなく、海・環境に関心が自然(自ら)と高まる仕組みを数多く実現してきた団体です。代表の古澤さんは、たった一人で「まずはゴミ拾いから始めてみよう」と思い立ったところから、いつしか2,000人が参加する巨大プロジェクトになっていた、とおっしゃいます。そんな活動の成果からか、江の島では、みんなが街をきれいにするのと同じように、「いつも誰かが海のゴミ拾いをしてくれている」という理想的な環境が実現しています。学生時代の「体育会系部活の熱い想い」を今でも持ち続けている、古澤さんの人間的な魅力あふれるお話を伺うことができました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?いつも遊びに行っている海をきれいにしたいと思ったのは、17年前。昔はもう、海岸がすごく汚かった。というのも、海に遊びに来た人たちが、平気でポイ捨てをして行くんです。当時の私は、社会人になって仕事でお金を稼ぐ以外に、例えば学生時代に体育会系の部活動をしていたころのように、熱くなれるものを探していました。また子供が生まれたタイミングでもあり、いろんなことが重なって、近くの江の島の海をきれいにしよう!と思い立ち、1人でゴミ拾いを始めてみたんです。それは、社会のためにグットなことをしよう、というよりも、江の島の海をきれいにしたいという想いで、ゴミ拾いなら自分でできると思い、始めました。今ではイベントに2000人が集まってくれるようになりましたが、この思いに共感して協力してくれるみんなのおかげだと思っています。Q.2 活動内容を教えてください「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」を合言葉に、江の島にかつて生息していた『タツノオトシゴ』が戻ってくるように、海をキレイにしています。具体的には、次以下のような活動を行っています。「どすこいビーチクリーン」現役のお相撲さんと一緒にゴミ拾い「LEADS TO THE OCEAN」プロスポーツチーム20チームと試合終了後のゴミ拾い、年間総勢1万人以上のゴミ拾いを実施中)「BLUE SHIP」ゴミ拾いや環境活動を「している人」と「したい人」をむすぶ環境イベントポータルサイトBLUE SHIPの設立、運営「海創造プロジェクト」海底の森を復活するため、コウイカに認められる藻場を作る。「海さくら拾っちゃい隊」江の島で、いつでもゴミ拾いができる仕組みを構築「ちびっこBEACH SAVER パーク」片瀬東浜に設置し、子どもたちの海離れが加速する中、海水浴シーズンには約1万人を来園させるパークに成長「釘のない海の家」片瀬東浜に6年間設置、東浜を日本一安心・安全な浜にすることを目指す映画制作江の島に流れ着いたタバコのフィルターでカヌーを作り、映画『あなたの心が流れる先に』を制作レッドブルレース出場江の島に流れ着いたタバコのフィルターで作った自転車でレースに出場し、5位入賞「海の叫び魚」巨大な半透明の魚の形のゴミ箱を設置し、そこに海ごみ・街ごみを入れ、海のゴミは街からやってくるという啓蒙を各地で展開中他にもいろいろな企画を通して、楽しみながら海をきれいにする活動に、皆さんと一緒に取り組んでいます。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?日本財団の2017 年ぐらいのデータにもあるのですが、10代では4割近くの人が海に関心がなく、年々興味が薄くなっている、ということがわかります。海がピンチだと話をしても、「ゴミ拾いしよう!!」と言っても、人は海に来てくれません。そこで楽しいゴミ拾いを展開することにより、ゴミ拾いの前に「楽しそう」という関心から現地に来ていただけるようになり、そのあと、少しづつ、現場でゴミを拾ったり見たりすることで自分ごとに変わるのです。それでも、ゴミ拾いのために時間とお金をかけて、海まで足を運んでもらうのは難しいですよね。だから「社会のために行動しましょう!」というよりも「一緒に美味しいもの食べませんか?」とか、「いろんなタイプの子が来るよ」と聞いた方が、ちょっと行きやすくなりませんか?そうやって、海を楽しんでもらうことを重点に置くようにしたら、今では若い人もたくさんの人たちが参加してくれるようになりました。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?とにかく「海を楽しもう」というところを広めていくことで、楽しみ続けるためには海を守らないといけないよね、という発想に自然となってくる。つまり、みんなに海で楽しんでもらいたいのに、ゴミがあると嫌だな、となるから、じゃあ先にきれいにしよう!と思ってやることで、楽しい海がどんどんきれいになる。それを見た子どもたちが同じように、海をきれいにしよう、と思ってくれると、その思いがつながって永久的に良い状態を残して行ける。そんなふうに、海を楽しむことだけで環境活動が成立するなら、それを伝えて行くのが一番素敵だよね、と思ってます。だから、素晴らしい理念を掲げて環境を守りましょう、というのも良いけれど、もっと海を好きになって、海で遊ぼうよ!っていう団体が増えた方が、もしかしたら将来的な意味で、海をもっともっときれいにできるんじゃないかな、とも思いますね。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!日本の海はもっときれいになります。もちろん日本の海がきれいになって行くには、僕たちの力だけじゃなくて、いろんな人の力が必要になります。けれど、まず江の島がきれいになれば、他の海でも、それぞれの地域で情熱を持った人が、この海もきれいにしよう、と思って動いてくれれば良いし、そんなみんなの勇気につながれたら良いな、と思って活動を続けています。ぜひ一度、僕たちが活動する海に遊びに来て、もう一度改めて海の楽しさや素晴らしさを体験してください!NPO法人海さくらInstagram(@umisakura_official)Twitter(@umisakura_pr)

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難民と日本社会を包括的につなぐ|坂下裕基の難民問題への取り組み

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「難民問題」です。世界の難民問題は深刻化を続け、内戦・迫害・政情不安によって数多くの人々が故郷を追われています。10年で倍近く膨れ上がっている難民に対し、どのようなサポートを行うかが世界各国で議論されていますよね。そんな難民問題の解決に取り組まれているのが坂下裕基(さかした・ゆうき)さまです。坂下さまはシリアの難民サポートをメインに活動されており、現在三つの事業を通じて難民の包括的な支援活動を展開されています。今回、難民問題への取り組みを紹介するため、坂下さまにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?シリアに故郷を持つ方々のキャリア形成や雇用システムが改善されていない状況を課題に感じ、2015年ごろから難民支援に取り組み始めました。以前から慈善活動は行っていましたが、大きな転換となったのは2015年の報道です。当時の難民人口は6500万人を超えるともいわれ、中でも難民の出身地はシリアが最多でした。そんな中、遺体となってトルコの海岸に打ち上げられた3歳の男の子を、多くのメディアが報じたのです。その男の子は家族とともにシリア内戦を逃れようとしたものの、避難の渦中で命を落としてしまったといいます。この報道がきっかけとなり、難民問題へより一層の課題意識を持つようになります。雇用を作り経済を立て直すことが、日本人ができる課題解決なのではないかと考え、難民支援活動に取り組んでいます。Q.2 活動内容を教えてください現在三つの事業体を中心に活動を行っています。どれも難民支援にかかわるものではありますが、それぞれ特徴が異なるため事業体ごとにご紹介します。活動1.在日難民のキャリア課題解決日本にいる難民が未来をデザインできる状態を作り、日本人や日本社会と難民とのパートナーシップを生み出す活動を行なうのがWELgee(ウェルジー)です。具体的には、難民庇護申請者のキャリアプログラムを提案しています。先ほどお伝えした通り、2015年時点では6500万人を超える人々が難民として生活していました。しかしその数は2022年現在で、難民・避難民合わせて1億人を超えており、世界中のおよそ100人に一人が難民・避難民であるという状態なのです。そうした人々の中には避難先として日本を選択される方もいます。ですが現在の難民制度では、彼らの才能を最大限引き出せる環境を整えられているとは言い難いのです。そうした状況を改善していくため、難民の方々がもつスキル・経験を日本で活かせるプログラムを提案しています。特徴2.シリア人のキャリア課題解決株式会社Bon Zuttner(ボンズットナー)では、シリア国外にいるシリア人へのITアウトソーシング事業や企業社員向け研修事業を行っています。キャリア支援をしたいと考えた際に、まずはシリア国外で暮らすシリア人のエンパワーメントに取り組みました。しかし調べれば調べるほど、支援という言葉がそぐわない優秀な人材が多くいることに気がつきます。そこで私たちは、日本国内企業から請け負った高度なIT事業を、専門スキルを持ったシリア国外にいるシリア人に対し委託しています。IT人材の不足は日本でも大きなトピックとなっているため、優秀なITエンジニアは国籍問わず歓迎されています。特徴3.在日難民の雇用・生活課題の解決日本で暮らす難民の背景を持つ方々が持つ力を発揮し、活躍する社会にするべく、Welcome Japan(ウェルカムジャパン)の理事を務めています。ウェルカムジャパンは専門性の高い活動を支援するため、官・民・学の様々なセクターに所属するメンバーをマッチングするプラットフォームを運営しています。このようなマルチセクター連携を行う中間組織として、難民課題の解決を実現していくのが狙いです。差別のない住居システムや雇用支援など、社会包括プログラムの提供を通し、日本国内の難民が埋もれずに活躍できる社会の構築を目指しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?ボンズットナーの事業では、現地の水準よりも高い給与をお支払いできています。キャリア支援の実現という点でみても、仕事の機会を提供できているというのは嬉しいですし、安定的な給与の支払が難民の方々の生活水準工場につながると思っています。また個人的には、物事を客観的かつフラットな目線で見られるようになりました。文化的背景の違う難民の方々と理解し合うためには、そうした視点も必要であると感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?今後は日本の生活水準と同等レベルの賃金を、達成していきたいという考えがあります。また難民の方々が将来的に私たちの事業に頼らない形で、キャリアアップできるようにサポートしていけたらとも考えています。またニーズに合わせた顧客体験も課題です。現在ではビジネス自体の大きさに未知の部分が多く、今後は難民のITエンジニアを貴重なアセットとして考え、集客を進めていきたいと考えています。ソシャグでは企業同士のマッチング機能が提供されると伺っているので、コストのかかる企業の集客力向上に期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!機会の平等に対して興味をお持ちであったり、不平等・アンバランスへの問題意識をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。今後はSDGs・D&Iといった企業の社会的責任に対する取り組みへの参画がより一層強化され、事業者による社会課題の解決がより高いレベルで要求されるでしょう。そんな情勢の中で、ボンズットナーでは高度なIT人材をスピーディーにアサインできます。またWELgeeは多くのメディアに取り上げていただいており認知度も高いので、パブリックリレーションズへの効果も期待できます。ぜひ、下記のリンクよりそれぞれの事業をご覧ください。NPO法人 WELgeeBonZuttner(ボンズットナー)Welcome Japan

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サプライチェーン排出量ゼロ化で継続可能な経営へ|株式会社大川印刷の脱炭素経営への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「脱炭素経営」です。2015年に採択されたパリ協定をキッカケとして、世界は低炭素社会から脱炭素社会に変わりました。脱炭素社会は温室効果ガス排出量ゼロを目指すものであり、多くの事業者がその達成にむけて日々勤しんでいます。そんな脱炭素への課題解決に取り組んでいるのが、株式会社大川印刷です。株式会社大川印刷では、自社の事業だけでなく関係するあらゆる事業での温室効果ガス排出量(サプライチェーン排出量)をゼロにするため、「脱炭素経営」を行っています。また、事業で生まれた印刷技術を活用し、顧客も脱炭素に取り組めるビジネスモデルとなっています。今回、株式会社大川印刷の取り組みを紹介するため、代表取締役社長の大川哲郎(おおかわ・てつお)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?大川印刷は継続可能な経営にシフトするため、本業を通じて社会課題解決を実践する社会的印刷会社『ソーシャルプリンティングカンパニー®』を掲げました。弊社はバブル崩壊のあおりを受け、売り上げが50%近く減ってしまう状況に悩んでいた時期があります。そこで目をつけたのが持続可能な環境経営です。これを実現するには地域や社会の課題解決そのものをビジネスとして行うことが必要不可欠であり、そこに会社の存在意義を見出しました。その一例として、気候変動問題を改善すべく脱炭素経営に取り組んでいます。CO2を始めとする温室効果ガスによる地球温暖化の進行環境と経済は両立できないといった考えと環境配慮型製品の価格の課題価格と価値の関係に対する思考の停止こうした課題を企業活動によってクリアし、「環境より経済を優先する」「安いものが選ばれる」といった現状を変えていこうというのが私たちのミッションです。Q.2 活動内容を教えてください大川印刷では脱炭素経営を通じて、温室効果ガス排出量の削減を実現させています。これを弊社では「風と太陽で刷る印刷」と呼んでおり、ありがたいことに多くの方に認知いただいてきました。特徴1.CO2の「直接排出量」と「間接排出量」のゼロ化弊社では自社におけるCO2の「直接排出量(スコープ1)」と、使用する電気の発電時のCO2排出量である「間接排出量(スコープ2)」をあらかじめゼロ化しています。これはカーボン・オフセットとして知られる取り組みです。カーボン・オフセットとは日常生活や経済活動において避けられない温室効果ガスの排出について削減努力を行い、それでも排出される温室効果ガスについて、排出量に見合った削減活動に投資することを指します。これにより排出される温室効果ガスを埋め合わせることができるため、世界各国でその取り組みが広まりつつあります。特徴2.「その他の間接排出量」を削減しさらに脱炭素を推進温室効果ガスは、たとえば取引先から原料を調達した場合、取引先がその原料を調達する際にも排出されることがあります。これらは「その他の間接排出量(スコープ3)」として定義づけられ、脱炭素経営の実現において無視できません。弊社では、調達しているインキや紙などの原材料の製造や輸送において、発生しているCO2を中心とした温室効果ガスを削減しています。また、これらのスコープ1・2・3は総称してサプライチェーン排出量と呼ばれ、弊社ではこれら全体の削減を掲げています。事業者自らの排出だけでなく、事業活動に関係するあらゆる排出を削減していくことが、継続可能な脱炭素経営に必要な理念だといえるでしょう。特徴3.顧客が自動的に脱炭素へ貢献できる弊社ではサプライチェーン排出量の削減を通し、印刷事業により排出される年間の温室効果ガスを排出量算出ソフトによって測定し、その全量を打ち消しています。その結果、お客様自身が「CO2ゼロ印刷」を利用されることで、従来の印刷物よりも少ない温室効果ガス排出量を自動的に達成していただけます。お客様ご自身のスコープ3削減に対するご要望に対しても、オプション対応が可能な点も特徴です。また2019年には自社の太陽光パネルと青森県横浜町の風力発電により「再生可能エネルギー100%印刷工場」を実現し、日本で初めてとなるPPA(電力販売契約)を通じた具体的な取り組みとして注目されています。こうした「風と太陽で刷る印刷」を通じて、社会に広く脱炭素への取り組みが広まることを目指しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?2022年7月29日現在、おかげさまで約1126トンものCO2を削減することに成功してきました。近年はスコープ3を含めてゼロ化を希望するお客様も増えており、脱炭素経営へのニーズを感じ始めています。また弊社の社員にとっても脱炭素経営はプラスとなっています。環境問題を自分ごととして捉え、自らの生活が原因であり誰しも影響を受けているということ、また事業を行う責任についても深く考えるようになりました。そして課題解決にむけた活動に対し、誇りを持ってくれていると感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?2025年までに自社のスコープ3をゼロ化したいと考えています。自社努力には限界がありますから、業界全体で、そして外部委託先としてのパートナー企業などステークホルダー全体と協力し合い、脱炭素経営をみんなで進めていくことも目標です。一方で未だ解決の糸口が見えないロシア・ウクライナの問題により、エネルギー事業の先行きが不透明であることが懸念されます。各地で電力価格の高騰が議論され、また供給不安についても取り沙汰されてきました。弊社ではこれらの課題に対しても、適切な対策を講じていきます。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!1社でできること、1人でできることには限りがあります。ですがみんなで協力し合い、活動をする人や企業が増えることによって成果はより大きくなっていくでしょう。ぜひ連携して脱炭素社会を進めていきたいと考えていますので、連携いただける企業・団体様、CO2ゼロ印刷を応援してくださるお客様を募集しております。また同業者様向けにも、「CO2ゼロ印刷」を始めとした環境印刷の技術コンサルティングを行っていきます。ぜひお気軽にお問い合わせください。お問い合わせフォーム株式会社大川印刷Twitter(@OhkawaPrinting)

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日本の伝統工芸品の未来をつくる|日本工芸の国内外への販売サポートの取り組みをご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「日本の工芸品」です。現在、日本で作られる工芸品は、ものづくりの創意工夫や品質、歴史が見直されています。一方で、職人さんが制作以外を行うことが難しかったり、その魅力が十分に市場に伝わっていなかったりという問題があるそうです。そんな工芸品の社会課題の解決に取り組んでいるのが、オンラインショップ「日本工芸堂」を運営する日本工芸株式会社です。日本工芸では、オンラインショップ運営のほか、国内外への販売サポートをとおして、『新しいお客様と目利きした商品を結びつける』という挑戦を行っています。今回、日本工芸の取り組みを紹介するため、日本工芸代表の松澤斉之さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?伝統工芸品で使われる材料は昔ながらの伝統的なもの、かつ地域に適したものであることが多く、伝統工芸そのものが環境へのやさしさや持続可能性をもっています。 ですので、ここではなぜ伝統工芸のインターネット販売を始めた経緯をお話します。正直、工芸品を作る現場を直接見るまでは、全く関心のない分野でした。お酒が飲めれば、グラスはあまり気にしないといった感じでした。きっかけは前職のアマゾンジャパンで、ありとあらゆるホーム・キッチン商品の仕入れをしていたときのことです。仕入れ先を開拓する中で、各地の伝統工芸品の工房や制作現場を見て回るようになりました。現場をまわる中で、職人・メーカー様のものづくりへのこだわりや、歴史との関連性を伺い、精緻さや美しさに非常に感銘を受けたものです。ただ、同時に「工芸品の素晴らしさが十分に市場に伝わっていないのではないか」と課題感を持ち、調べてみると以下のことが分かりました。工芸の市場は最盛期の5分の1程度にまで落ち込んでいる数字もある産地によっては、「その技術を持つ職人の最後のひとり」というような状況もある素晴らしい工芸品を作る技術力を持ちながら、特にインターネット販売における販路開拓ができていない厳しい状況である一方で、「職人さん達に信頼されながら、長い歴史で培われ生活に根差して発展してきた工芸を広める仕事をしてみたい」と思い、仕入れて丁寧に説明販売する国内外向けのインターネット販売をやろうと決めました。Q.2 活動内容を教えてください事業内容はEC(インターネット上の商取引)事業、海外販売事業、サポート事業の3つがあります。また、各事業には以下のような特徴があります。特徴1.国内外から購入可能な自社オンラインショップで、工芸品の魅力をアピール職人さんやメーカーさんだけでは、販路拡大や魅力の発信まで手が回らないという課題に対して、自社で仕入れ・販売、コラムやインタビュー記事をとおして魅力発信を、インターネット上で行っています。そのため、日本だけでなく、海外からも購入可能なオンラインショップ「日本工芸堂」を自社で構築しました。このショップから日本工芸品のファンを世界に広げ、世界各地で長く愛用されることで、日本の伝統工芸の技術を未来へつなぐことができると考えています。また、サスティナブルでエシカルな消費を実現するために、対象の製品はメーカーと連携して修理・修繕して継続利用できるようにしています。そのほか、工芸品を取り巻く環境がより持続可能になるよう、売上1%を伝統工芸産地に寄付したり、日本の工芸育成に充てたりする活動を2022年9月から会津塗りの組合さんと実施予定です。特徴2.海外の店舗・インターネット販売業者を開拓し、販路を広げる工芸品を制作する職人さんやメーカーさんに代わり、海外への販売を促進する取り組みをしています。海外販売をする卸業者や販売代理店の要望に沿って、取扱品を提案することで、工芸品と代理店を結び、海外在住の工芸ファンに日本の工芸品をお届けする仕組みです。ウェブや海外展示への出展をとおして、現在アメリカ、フランス、ドイツ、スペイン、イタリア、イギリス、中国、ロシアなどの国々でオンライン・店舗販売されている企業と取引をしています。特徴3.日本国内企業の工芸オンライン販売事業を徹底サポート自社のオンラインショップはもちろんですが、いろんな企業がウェブを介して日本の工芸品を広めてくれれば、今よりたくさんのお客様の元に工芸品を届けることができます。そこで、工芸品を制作する職人さんや団体と綿密なコミュニケーションを取れて、国内外にオンライン販売できる技術力をもった当社だからこそできる、各企業へのオンライン販売事業サポートを行っています。各企業の持っている力や既存事業の強みの洗い出しから始めることで、それぞれの企業の良さを活かしながら、オンライン販売などの販路開拓の作戦、計画立案、実践サポートを行い、事業成功率を底上げしています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?「工芸体験の新しい接点をつくる」ための取り組みの中で、多くの方の関心の高まりを感じています。日本の工芸品のファンを増やす取り組みの一環で、フォトコンテストや大学生インターン、工芸品の魅力を発信していただくアンバサダーを募集するなど、さまざまな取り組みをしています。アンバサダーやインターンなどは、募集を開始すると「一緒に発信をしていきたい」という意欲的な方たちや日本各地の大学生からの応募が、あっという間に集まります。日本文化、工芸の循環と発展の一端を担うためには、 ビジネスとしてただ商品を販売するだけでなく、工芸体験の機会創出に取り組み、ファンを増やす必要があると考えており、今後も積極的に「接点づくり」に取り組んでいきたいと考えています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?日本の工芸品をとおして、ものづくりの新しいステージづくりに寄与し、また地元である日本を、より誇りに思える国とするためのビジネスを展開していくのが私たちの目標です。ですが、目標を達成するためには、当社のビジョンに共鳴していただけるパートナー企業などとの取り組みを充実させていくことが課題となっています。パートナー企業とは工芸や日本の文化を共同で発信する取り組みをしたいと考えています。たとえば、工芸品の流通、オンライン・オフラインでの共催イベント・セミナー実施、情報発信、コラボ商品企画など、お互いの強みを活かせる取り組みです。ソシャグでは、ユーザー同士で協力しあいやすい仕組みが提供されるとのことなので、新たなつながりができることを期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!当社のビジョン「工芸体験の新しい接点をつくる」では、「理解する」「知る」「伝える」の3つのアクションをとおして、多くの人に「工芸品への関心」を呼び起こすプロセスを作り出したいと考えています。「理解する」:実際に職人さんからお話を伺う場を設け、対象の工芸品の歴史や制作の裏側、使い方等をお伝えする。私たち自身も共に学ぶ。「使う」:日常生活で使える工芸品を集め、主にオンラインショップをとおして販売。自身の生活のなかで工芸品を使いながら利便性や豊かさを伝えられるよう発信する。「伝える」:職人さんとのコラボトークをSNSで発信、工芸品制作の体験会を開催。関心のある方が直接、体験する機会を提供。また、工芸品の良さを発信したい学生インターンの方と発信手法を継続して磨いている。関心を持っていただける方、協力していただける方を増やすために、型にとらわれず挑戦し続けることを大切にしています。 私たちのビジョンに共感し、一緒に活動していただける企業、自治体、仲間を募集中です。ぜひ、日本工芸株式会社の問い合わせフォームからご連絡ください。日本の工芸品をとおして、ものづくりの新しい扉を開くための取り組みを、共に創りあげていきましょう。

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ロス商品の「捨てる」を「考える」|株式会社こころのペットフードロスへの取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ペットフードロス」です。農水省からも提唱されているフードロス削減。これは本来食べられる食品を捨てている現状を変えようというものですが、実はペットフードにも同じような問題が起きていることをご存じでしょうか。そんなペットフードロスの解決に取り組んでいるのが、「cocoro online store(以下cocoro)」の運営企業である、株式会社こころです。株式会社こころはcocoroというECサイトを展開しており、そこではあらゆる要因により廃棄されてしまうペットフードを買い取り、二次流通で安く再販しています。そして人間と動物がより良い環境で共存するために、ペットフードロスの認知度を高め、ペットフードを取り巻く社会全体の問題を改革しようと活動されています。今回、株式会社こころの取り組みを紹介するため、プロジェクトマネージャーの鵜飼剛(うかい・つよし)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?ペットフードを必要としている人がたくさんいる一方で、コストをかけてそれを廃棄している人がたくさんいると知ったからです。ペットフードのロスは様々な要因で発生するのですが、1番大きな要因は賞味期限だと思います。もしも店頭で、賞味期限が残り半年のものと1週間のものがあったとき、多くの方が半年のものを買われると思います。しかし実際には、賞味期限の残りの長さで、商品の状態は大きく変わりません。ですがイメージの問題で、賞味期限が短いものはなかなか売れないため、賞味期限が残り3ヶ月を切ったものは廃棄するのが一般的になっています。そして廃棄するには、当然お金がかかります。「お金をかけて処分するくらいなら、動物愛護団体に寄付すればいいのではないか?」そう思われる方も多いと思います。しかし大量にある動物愛護団体の中から、きちんと愛護活動を行っている団体を選び、ロス商品を運搬して寄付するというのは、実は廃棄するよりもコストがかかるんです。Q.2 活動内容を教えてくださいペットフードのロスを減少させるため、ECサイトの「cocoro」を運営しています。事業開始から2022年7月までに、およそ659トンのペットフードロスを削減してきました。そんなcocoroには以下の3つの特徴があります。特徴1.正規品より安く購入できるcocoroでは賞味期限が近いものを買い付け、再販することをベースとした運営を行っています。ロス商品を二次流通に乗せ、本来捨てられてしまう・廃棄されてしまうはずだったものを取り扱ってきました。その結果、正規品よりも安く商品を購入することができるので、飼育費用の削減にもつながります。近年はペットのサービスも多角化してきており、トリミングやマッサージ、フードなど、基本的なペット用品以外の出費も増加傾向です。そこでcocoroを利用すれば、正規品の値段で複数個ペットフードを買うことができたり、浮いたお金で別のペット用品を買うことができたり、あるいはご自身の生活費にあてることも可能でしょう。費用面の削減を通して飼育放棄を減らしていきたいというのも、cocoroのビジョンです。特徴2.cocoroを通じて愛護団体へ寄付できる弊社では売上の一部を愛護団体へ寄付しています。団体に寄付をしたいけどどうしたら良いかわからないという方でも、cocoroで商品を購入することで、間接的に寄付をすることが可能です。また大量の団体を調べて寄付先を選ぶというのは、前述の通り現実的ではありません。弊社でも全国の団体を調べていた時期がありましたが、やはり難しく、メーカーの苦労を思い知ることになりました。そこで弊社では、アニマル・ドネーションに寄付をおこなっています。アニマル・ドネーションとは愛護団体を認定・統括・管理している公益社団法人です。全国の動物愛護団体へ視察に出向いて実態を把握しているため、信頼できる団体への寄付が可能となっています。特徴3.店頭にない商品を購入できる人間にも好き嫌いがあるように、ペットにも好き嫌いがあります。なるべく好きなペットフードを食べさせてあげたいですよね。しかし「お気に入りのペットフードが店頭から無くなってしまった」という声は珍しくありません。廃棄される商品には賞味期限の近いものだけでなく、リニューアル前の商品や満足に売れなかった滞留商品も含まれています。そうした廃盤となってしまう商品でも、cocoroなら購入できる可能性があります。また廃盤品は訳アリ品として売られる場合も多く、消費者からあまり良いイメージを持たれていません。二次流通品でも高い品質であると知っていただくことで、食べ物や命を捨てることに対して考える機会を創造しようと考えています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?弊社が活動をはじめるまで、ペットフードロスという言葉は日本にありませんでした。ですから活動を通じていく中でこの概念が広がり、多くの人に受け入れていただけているという実感があります。例えば動物専門学校の先生や学生の方から連絡をいただいたり、まだまだ珍しいビジネスとして弊社の事業が取り上げられたりすることもありました。ペットフードロスの認知度を上げてその輪を広げる、また広めてもらえる事業内容であるということを再認識しました。またcocoroのユーザー様からも、数多くのご意見をいただきました。弊社では全てのレビューに目を通しており、例えばレビューを元に店頭から廃盤となった商品への需要を知ることもできました。もっと早くにペットフードロスという概念を知りたかったといったお声もいただき、二次流通によりペットフードロスへの関心は一層高まったと感じています。またメーカーから買い付けする段階では、ロス商品が利益になることを喜んでいただいております。今後は利益を追求する私企業の皆様と、弊社のペットフードロス対策事業について、さらに踏み込んだレベルでの相互理解が必要であるとも考えています。cocoroの運営によって、ペットフードロスを社会問題として、多くの人が共有できる課題にしていきたいですね。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?弊社が買い付けるロス商品には、賞味期限がひっ迫しすぎているものも多いというのが現状です。これはメーカーによる廃棄決定から実行までにタイムラグがあり、例えば冬物が翌年の夏に捨てられるなど、cocoroで取り扱う頃には賞味期限までわずか1週間というものもありました。こうした背景にはメーカーによる再販先のセレクトや交渉のやりとりに時間がかかり、そもそも店舗から下げられて捨てられるまでのプロセスが煩雑であるという問題もあります。商習慣で店頭に置いておけないものでも、下げられてから捨てられるまでに時間がかかりすぎているので、このポイントを解決していきたいと考えています。しかしながら、まだまだロス商品に対する「捨てて当たり前」という認識を拭えていない現状があるため、10年以上はかかるとみています。海外に目を移せば、例えばアメリカなどではホームセンターで店頭から下げられた製品が、大量に愛護団体へ寄付されている場合もあります。これはホームセンターと愛護団体が直につながっているからこそできることですが、日本でも不可能ではないでしょう。一方で日本のペットに対する意識はまだまだ低いといえます。例えば日本では「飼育」という表現が一般的ですから、「共存」というレベルまで達していません。またペットという表現についても考えていく必要があるでしょう。ペットフードのロスが知られていないのは、ペットが人間と対等ではないと考える人が多いからという面も理解しなければなりません。命あるものをペットフードに加工しているという意識を持ち、動物に対する認識を変えていければ、人間と動物がより良く共存できると考えています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!弊社ではお客様のレビューを全て拝見しております。こうしたお声が社員のモチベーションにもなっていますし、今後もたくさんのご意見を聞かせていただければと思います。ぜひcocoroを利用して、いつもより少しだけ、ワンちゃんネコちゃんに贅沢をさせてあげませんか?少しでも多くのご飯を、美味しいおやつを、大切なペットと共有していただければと思います。弊社ではTwitterやLINEアカウントでの発信もしています。お気軽にお問合せください。株式会社こころcocoro online storeTwitter(@cocoro_ccp)

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株式会社タムの産廃再活用への取り組み|誰でも気軽にゴミ問題解決へ協力できる

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「産廃の再活用」です。モノづくり事業者にとって、産業廃棄物の取り扱いは悩ましい問題ですよね。近年は持続可能な社会への意識が高まりゴミの適切な処分が求められる一方で、その費用負担が問題となるケースも少なくありません。そんな産廃処理課題の解決に取り組んでいるのが、株式会社タムです。株式会社タムは端材・残材リサイクル掲示板の「コム助」を運営しており、廃材の中でもまだ使える端材や残材と地域のコミュニティや消費者を繋いでいます。コム助を通じて多くの人にモノづくりの楽しみを伝えながら、地域のゴミ削減と地域の活性化を達成しようと事業展開されてきました。今回、株式会社タムの取り組みを紹介するため、株式会社タム代表取締役の伊藝博(いげい・ひろし)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?これまでのモノづくり事業では多くの端材や残材が排出されてきましたが、それらは産業廃棄物として処理されてきました。しかしながら処分するにもかなりの費用がかかるという問題を抱えています。一方で私たちは、ゴミ分別の細分化により、再活用できる端材・残材が多くある事にも気付きました。そこでモノづくり事業において排出される再活用可能な多くの端材や残材と、地域のコミュニティや消費者を繋ぐことにより、地域のゴミ削減地域の活性化が実現できるのではないかと考え、端材・残材リサイクル掲示板「コム助」を立ち上げました。コム助を通じて、モノをつくるだけではなく廃棄物を再活用できるシステムが構築できれば、次世代のモノづくりに繋げられると考えています。Q.2 活動内容を教えてください弊社では端材・残材リサイクル掲示板「コム助」を運営しています。またモノづくり企業における産廃処理課題の解決を目指すコム助には、以下の3つの特徴があります。特徴1.モノづくり企業なら無料で手軽に利用できるコム助はモノづくり企業であれば無料で「登録・出品・使用」できるサービスです。産業廃棄物の処理には多額の費用がかかるため、新たな有償サービスの契約・利用が難しいと考える事業者様もいるでしょう。こうした点を踏まえ、コム助はモノづくり企業を費用面からもサポートしたいと考えています。また、これまでモノづくり企業の多くが素晴らしい技術を持ちながらも、WEBサービスの活用を苦手としている傾向がありました。ですが、近年のWEBサービスは誰でも簡単に扱えるものになっており、「いつでも・だれでも・どこでも」そして「24時間・365日」活用できるようになっています。事業者様が手軽に利用できることも、コム助の大きな付加価値であると考えています。特徴2.事業者でなくともサービスを利用できるコム助はモノづくり企業体でない場合は出品が出来ません。しかしながら一般の方であっても、企業の出品した端材・残材を購入し受け取ることができます。誰でも簡単に利用できるサービスですから、ユーザーのニーズに沿った端材・残材のリサイクルが可能であると考えています。近年はDIYや屋外キャンプ等のブームが拡大しており、コム助の提供するサービスは幅広い世代からのニーズに答えられるものであると考えています。特徴3.事業者と消費者を繋げて地域活性化を促せる出品された端材・残材を購入いただいた場合、原則として出品元の企業から直接受け取ってもらう制度を採用しています。これには理由があり、地域で出た端材・残材はその地域内で再活用してもらうことを目指しているためです。同じ地域の事業者と消費者が繋がることで、モノづくり企業に対する理解度・認知度を上げたいという側面もあります。弊社はコム助を地方目線のWEBサービスとして展開してきました。モノづくり企業の端材・残材を誰もが活用し地域を循環することが、「ゴミを減らし再利用できるコミュニティ」の創造に繋がると考えています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?運営を始めてからまだ4ヶ月程度ですが、登録いただく企業が少しづつ全国へ広がってきました。端材・残材を受け取る一般の方がいることに対し「ゴミの再利用が実現して良かった」と感じています。また個人として端材・残材に関する情報をSNS等へ毎日公開していますが、投稿内容への反響を元に試行錯誤を繰り返しています。これまで誰も取り組んでこなかったサービスですから、自分自身の勉強にもなっています。弊社としては「コム助」を無料で始めたことをキッカケに、私たちなりの社会貢献ができたと考えています。このことが社員のゴミ問題への意識付けにもなりました。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?活動を通じて若い人にモノづくりの楽しみを伝えながら、またモノづくりを取り巻く環境を改善し、次世代に繋ぐことが私たちの大きな使命だと考えています。一方で「コム助」はできたばかりの新しいサービスです。認知度が低いことが課題だと感じているため、そのポイントを改善したいと考えています。ソシャグではソーシャルグッドな活動の認知向上や活動に参加しやすい仕組みを、AI技術を活用して提供されているとのことで、コム助の認知度アップに期待しています。またソシャグはSDGsに賛同されているとのことで、弊社の端材・残材リサイクル事業との融和性も高いと考えています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!モノづくり事業では多くの端材や残材が排出されますが、それらは産業廃棄物として処分するにも多額の費用が必要であり、また多くの時間が奪われるものでした。こうした背景から一企業だけでゴミ問題に取り組むのは大変なことであり、多くの苦労がつきまといます。そこで、規模の小さな事業者であっても気軽に「コム助」のサービスを利用いただき、各企業から排出される端材・残材が再利用され、地域が活性化し、次世代にモノづくりを伝えたいと考えています。コム助Twitter(@komusuke12)Instagram(@tamsign)