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寄付を起点に循環型社会へ|株式会社浜屋の循環型社会への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「循環型社会」です。自分にとっての不用品であれば、まだ使えるモノでも捨ててしまう人が多いのが現状です。しかし、循環型社会、持続可能な社会を実現するためには、不用品も捨てずに活用していくことが必要です。そんな社会課題の解決に取り組んでいるのが、「キフコレ」というサービスを運営している株式会社 浜屋です。キフコレでは不用品の寄付を、障がい者や途上国の雇用促進・自立支援が実現する場作りにまでつなげています。さらにはキフコレで得た利益を活用し、発展途上の地域で深刻な水不足を解消するための取り組みも行っています。今回、キフコレについてお話を伺うため、運営企業である株式会社 浜屋の取締役営業統括部部長・小林さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?実は意図してソーシャルグッドを目指したわけではなく、既存の事業から発展してできることに取り組んだ結果、今のような形になっていきました。キフコレのサービスではリユース、つまりゴミの問題がベースの視点となっています。そこから派生して、障がい者施設や途上国での雇用創出、さらには水不足問題への取り組みに発展していきました。経済効率の問題から、リユース業界で買い取れるのはある程度価値のあるモノのみで、わざわざ送ってもらって買取ができるものは少ないのが事実です。単価が高くないモノを扱うことは難しいのですが、それでもそのモノを捨てることなく必要としている人に届けることを目指し、買取ではなく寄付でいただくというお願いを始めました。Q.2 活動内容を教えてください会社の事業としては、中古の家電、雑貨などの不用品を回収業者や個人から買い取って、海外へ輸出販売しています。その中でも「キフコレ」では、不用品の寄付を募って海外に輸出・販売しています。キフコレでは、不用品の再利用で環境問題に取り組めるだけでなく、他にも以下3つの特徴があります。特徴1.障がい者の雇用寄付いただいた不用品のうち、パソコンなど電子基板を含むものの解体には、障がい者の方にご協力をいただいています。そして、職業訓練を経験した方たちに最終的に企業に就職いただくことで、雇用創出や自立支援に繋がるんです。また電子基板の解体は、金・銀・パラジウムなどを取り出し集めて精錬メーカーに販売することで、都市鉱山リサイクルに貢献できます。特徴2.途上国の雇用寄付いただいた不用品を販売するためには、修理が必要になります。その修理を、販売先の現地の修理工の方にお願いしています。修理・調整作業があることにより、現地の修理工の雇用創出・自立支援に繋げられるんです。また、現地では壊れた家電製品は買い換えるのではなく、基本的に何回も直して使い続ける習慣があるため、壊れにくく比較的簡単に直せる日本製品がマッチしています。特徴3.水浄化剤の寄付寄付していただいた不用品の売上の一部は、1回で100リットルの水をきれいにできる浄化剤の寄付に回し、途上国での安心・安全な水の確保に貢献しています。寄付いただいている方々の善意で成り立っているビジネスなので、得た利益は世界をより良くする活動に使いたいと考えています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?リユース事業においては、お金を払わないと不用品は集まらないという常識がありました。リユース業界に長く携わる中で、以前は会社でも個人でも、捨てるのにコストがかからないのであれば捨ててしまうのが当たり前だった印象があります。しかし、フリマアプリを利用する人が近年で増えた背景に「もったいないから」「まだ使えるから」という想いがあり、捨てるなら誰かにあげたいと思っている人が一定数いるのではないか、という仮説があり、リユース業界以外から中途入社したメンバーの企画により、このサービスを開始しました。実際、最近のSDGsや脱酸素などの世界的な潮流を受け、特に若い人を中心に「すぐ捨てるのはダメだ」という考え方に変わってきています。現在、できる限り不用品を活用しようと考えてくれる会社もあり、個人でもそういう思いを持たれる方がもっと増えていくと思っています。弊社ではこれまで、発展途上国へ貢献したいと入社してくる人が多かったんですが、最近は循環型社会実現に向け取り組みたいという人も増えてきています。また、寄付するモノにお手紙を添えてくださる方もいます。実際に寄付する人々の想いを感じられるところでもあり、それは私たちとしては本当にありがたいことです。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?SDGsの1つの節目である2030年までに、SDGsの目標12「つくる責任 つかう責任」へ最大限貢献したいと思っています。これまでの社会では大量生産・大量消費が行われてきましたが、資源の有限性やごみ問題などを考えると、持続可能な社会とはいえません。持続可能な社会へシフトしていくためにも、弊社は今あるものを有効に使い続けることを目指します。そんな社会を実現するためにキフコレを開始しましたが、まだまだサービスの認知度を上げていく必要があります。ソシャグでは、情報発信やSEO対策をサポートする機能が提供されると聞いているので、期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!モノを捨てる前に「これってまだ使えるんじゃないかな?」と、立ち止まって一度考えてみて欲しいです。捨てるのはもったいない、そんな不用品が見つかったときには、ぜひキフコレにお問い合わせください。また企業様でも、事業の中でもったいないと思うところがあれば、ぜひお問い合わせください。SDGsの実現にむけ、課題解決のサポートを提供いたします。キフコレTwitter(@mottainai_kifu)株式会社浜屋

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地域資源を活用し循環する社会の実現を|株式会社サーキュライフの環境負荷低減への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「環境負荷」です。近年注目を集めるのがSDGsなどに代表される持続可能な社会の実現。こうしたテーマが掲げられるようになった背景には、社会の近代化に伴い人々の暮らしが豊かになった一方で、環境への配慮がされていなかったという問題があります。そんな現代の環境負荷問題の解決に取り組んでいるのが、株式会社サーキュライフです。サーキュライフは循環する社会をテーマに、間伐材を使用した「木糸」生地を用いた製品の開発・企画を行っています。また現代社会の大量生産・大量消費から適量生産・適量消費への移行を進め、環境負荷の低減を目指しているといいます。今回、サーキュライフの取り組みを紹介するため、代表取締役の川原剛(かわはら・つよし)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?環境意識が高いアーティストや、大手アパレルメーカーのデザイナーの問題意識に共感し、資源を活用した循環型社会の実現に興味を抱くようになりました。特に注力をしているのが海洋汚染の問題です。一般ゴミや工場の排水、化学合成繊維の洗濯などで生じるマイクロプラスチックは、海洋ゴミ全体の約35%にものぼります。こうしたマイクロプラスチックが及ぼす影響が、すべて明らかになっているわけではありません。しかし環境省によれば、このまま海洋汚染が進むと、2050年までに海洋生物よりもマイクロプラスチックを含めた海洋ゴミの方が多くなることが予想されるといいます。私たちの子どもや孫の世代にこうした海洋汚染の現状を引き継いでしまわぬよう、サーキュライフでは地域資源を活用した商品企画・開発を通じて環境負荷の低減に貢献したいと考えております。Q.2 活動内容を教えてくださいサーキュライフでは、日本で初めてヒノキ単体を原料とする「木糸」を素材として製品の企画・製造・販売を行いました(木糸の製造元:株式会社 和紙の布)。また木糸の製造で使用しているヒノキは、間伐された天草のヒノキとなっています。この木糸生地には以下の三つの特徴があると考えております。特徴1.環境負荷を低減日本で流通する生地製品は、素材から製品までの約98%を海外からの輸入に頼っています。つまり日本だけで内製することがほぼ不可能な状況なのです。こうしたビジネスモデルでは、原材料の調達・製造・輸送・廃棄などそれぞれの段階で環境に負荷をかけてしまいます。CO2排出量約9万トン・水の消費量約83億m3・端材の排出量約45,000トンという数値が、日本が年間で海外から原材料を調達して製造段階に至るまでに環境にかける負荷であるといいます。サーキュライフでは間伐材を使用した木糸・生地を使用することで、こうした環境への負荷を低減できると考えております。化学合成繊維を含まないことからマイクロプラスチックが発生せず、素材の25%を日本の地域資源から作るため、C02削減にも貢献できるでしょう。特徴2.地元の雇用創出サーキュライフでは本社のある熊本県天草市を拠点に地域資源を活用した製品開発・製造を企画し、日本の地域に雇用を生み出します。現在は、木糸の製造は外注していますが、内製化を進めながら九州全体に商圏を広げたいです。そして将来的には全国に向けて、間伐材を使用した木糸による製品づくりを広めたいと思っています。特徴3.受注生産で適量生産・適量消費サーキュライフでは木糸製品の受注生産を通して、「大量生産・大量消費」から「適量生産・適量消費」への移行を推進しています。従来の大量生産・大量消費の構造では、どうしても環境に負荷がかかりやすくなってしまいます。そこで、必要な物を必要な分だけ生産することで、不要な廃棄物が出ないようにしています。そうすることで、持続可能な社会・循環する社会への実現に貢献できると考えております。Q.3活動を始めて、どんな変化がありましたか?地域の間伐材を使うことで、地元の方々から温かいお声をいただけるようになりました。地域の人が喜んでくれるというのはサーキュライフの事業を継続する上でも励みになります。また環境問題に対する意識を持ったことで、日々の生活における目線が変化したと感じています。特に「身の回りは、こんなにプラスチックだらけだったのか」と強く認識するようになりました。そして環境にとってなにが良いのか・悪いのか、という判断がつくようにもなったと感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?天草の自社工場で木糸を作れるようにして、雇用で地域を活性化したい、というのが目下の目標だと考えています。そのために廃校を活用したりと、さまざまな計画を立案中です。そこで課題だと感じるのがコストの問題です。ファストファッションに代表される製品よりもコストが割高になり、そうしたコストは商品単価へ転嫁することを避けられません。ですからサーキュライフの製品づくりの背景・ストーリーに共感していただける人に、木糸生地の商品を知ってもらいたいと考えています。ソシャグでは環境問題に対する意識の高い人々コミュニティへのアプローチも今後可能であるとお聞きしておりますので、集客の点で期待しております。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!現代では大量生産・消費・廃棄が当たり前になってしまいました。サーキュライフはそこから脱却し、適量生産・消費への移行を目指しています。環境負荷の低い製品製造・還元サイクルを用いることで、循環する生活の実現をサーキュライフとして提唱してきました。こうしたビジョンに共感していただける方、また企業様がいらっしゃいましたら、ぜひご協力いただけますと幸いです。株式会社サーキュライフInstagram(@circulife_official)Facebook(@Circulife2021)

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日本発のサステナビリティ革命の実現を目指して|株式会社TBMのサステナビリティへの取り組み紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「サステナビリティ」です。SDGsが世界共通認識となりつつある昨今ですが、それでも、エコロジーとエコノミーの両輪を合わせて成功した事例を具体的に思い浮かべることは、なかなか難しいのではないでしょうか?今回ご紹介する株式会社TBMは、次世代新素材の開発・製造・販売を通して、正にサスティナブル・エコロジーをグローバルビジネスとして実現した、日本有数のユニコーン企業です。コミュニケーション・ディレクターの菊田さんに、社名の由来から、トップを走るサスティナビリティ領域での現在の活動について、お話を伺いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?私たちTBMは、サステナビリティ領域のトッププレイヤーを目指し、「資源保全」「気候変動」「循環型経済」にフォーカスしながら、大量消費による資源廃棄や、水・森林など天然資源の枯渇問題を解決するための事業を展開しています。社名の「TBM」は、「Times Bridge Management」の頭文字を取っており、「何百年も挑戦し続ける、時代の架け橋になるような会社をつくりたい」という想いが込められています。この想いは創業者である代表が、初めて欧州を訪れた際、何百年も前に造られた建造物や街並みが現代でも生き生きとした市民生活の場となっており、そこで歴史の重みや文化の流れを目の当たりにし、大きな感銘を受けて胸に抱いたビジョンが原点となっています。「Times Bridge Management」を実現するため、以下3つの目標を掲げました。分かりやすく世の中に立つことグローバルに貢献する会社兆のつくビジネス私自身は、元々社会課題に対して高い意識を持っている人間ではなかったですが、知人が勤めていたこの会社の存在と事業内容やビジョンを知り、自分も子供たち世代の未来のために、直接貢献できる仕事に取り組みたい、という想いで強い共鳴を抱き、この会社に加わりました。Q.2 活動内容を教えてください現在、大きく注力し取り組んでいるのは2つの事業になります。活動1.プラスチックや紙に代わる新素材「LIMEX(ライメックス)」の製造・販売とくに私たちがフォーカスしているのは、水や森林など枯渇リスクが高いと言われる資源の問題です。途上国における人口増加や産業の発展によって拡大する水需給に加え、気候変動による水循環の異変等、様々な原因から世界各地において深刻な水不足が起きています。また農業用水不足による食糧危機、新たな国際水紛争の勃発、生物多様性を脅かす絶滅危惧種の問題など、重大な危惧が抱かれる状況に至っており、対策が急がれています。そこで、私たちが開発した新たな素材の一つ「LIMEX」は、主原料として石灰石を使用しており、製造時に森林資源を使用せず、水についてもほとんど使用しません。LIMEXが紙の代替として普及することにより、枯渇リスクが高い資源の保全に貢献できます。また、LIMEXの主原料である石灰石は従来のプラスチックと比較して、原料調達時や焼却時のCO2排出量も少ないため、LIMEXはライフサイクル全体で排出する温室効果ガスを抑制することができます。活動2.資源循環モデルの構築世界全体で資源循環はわずか9%と言われています。その状況で大量生産・大量消費が行われれば廃棄物の量も必然的に増加し、廃棄物処理が追いつかない、処分場が十分でない、といった問題が起きています。LIMEXは使用して終わりではなく、回収し再原料化・再製品化できます。LIMEXの普及と同時に、社会問題になっている廃プラスチックと併せた、新たな循環モデルを構築することで、エコロジーとエコノミーを両立する資源循環型社会を促進しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?新素材開発の過程には様々な困難もありましたが、経済産業省からの補助金を受け、第一工場(宮城県白石市)が完成したことが大きなターニングポイントとなりました。その後、2016年の本格的な製品販売の開始から今日に至るまで、8,000を超える企業や自治体の皆様に私たちの製品やサービスをお使いいただいています。また海外でも私たちの技術や価値観に注目していただき、共感を持って「LIMEXを一緒に世界へ広げていこう」というパートナーがどんどん増えてきました。現在では、LIMEXの用途は多岐に渡り、ボールペンやプラモデルなど一般の消費者様に向けた製品であったり、飲食店のメニュー表や小売店の買い物袋、パッケージなどの店舗資材であったり、多くの導入実績によって皆さまに身近に感じていただく機会も広がっています。SNS等で私たちの開発した新素材を応援してくださる方の声や、次世代への教育としてLIMEXを取り上げたいという教育機関からのリクエストも増え、とてもうれしく思います。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「日本の技術で豊かな海を残し、未来の水を守り、豊かな森林を残したい」私たちが目指す未来の実現には、多くの共感・応援の輪が必要です。そのために広範囲での情報発信や、代理店・パートナーの拡大、企業や自治体、各団体との具体的な協業を推進しています。そして、創業10周年を機に、「TBM Pledge 2030」という2030年までの目標も野心的に掲げました。2030年までにカーボンネガティブを実現する2030年までに100万トンのLIMEXとプラスチックを50カ国で循環させるこの「TBM Pledge 2030」の達成に向けた取り組みが、多くの人々を巻き込みながら日本を超えて世界へ拡大していくことで、大きな社会的インパクトをもたらすことが出来ると信じています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!TBMは、サステナビリティ革命を地球規模で実現させることに本気で挑戦しています。そして、私たちが各事業を通じ、サステナビリティ革命を実現するためには、多くの人々が無意識に支配されている「価値観」をも変えて行かなくてはならないと感じます。「未来ではなく、今の選択を大切にする」という旧来の価値観から、「未来のために、今の選択を大切にする」という新たな価値観へ。未来予測ではなく、自らが強い想いで未来を思い描く『未来意志』にこそ、世界中の一人でも多くの方々に共感してもらえる力があると信じています。そんな強い意志をもった方と一緒に、私たちの挑戦を加速させたいと思っていますので、お問い合わせフォームからのご連絡、SNSのフォローをよろしくお願いします。TBMお問合せフォーム環境に配慮された製品を取り扱うサステナブルなオンラインセレクトショップ「ZAIMA」Twitter(@LIMEX_TBM)YouTube(TBMチャンネル | 日本発の新素材LIMEX)

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本質的にエシカルな社会を実現|一般社団法人エシカル協会の取り組みをご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「エシカル消費」です。普段の生活では、自分の行動が社会に与える影響について考える機会は少ないですよね。実際には消費者の行動1つでも、国内の環境さらには途上国の生活にまで及ぼす影響があり、深刻化している問題もあります。そんな消費者行動に注目し、地球環境に配慮したエシカルな行動の促進に取り組んでいるのが、一般社団法人エシカル協会です。エシカル協会は、人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動であるエシカルを普及するための講座を開講しています。また、消費者だけではなく企業や政府に対する講演や提言も行い、エシカルな行動を行う人を増やすために尽力しています。今回、エシカル協会の取り組みを紹介するため、一般社団法人エシカル協会理事の大久保さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?途上国を訪れたことをきっかけに、現地で暮らす人のより豊かな生活を実現するため、エシカルな社会の実現に向けて取り組んでいきたいと思うようになったからです。私は小さい頃から途上国の人の生活に興味を持っていて、テレビや本から国・地域ごとの文化や伝統を知る中で、格差や貧困などに苦しむ人もいる現実を知って衝撃を受けました。そのため社会人になってから留学を決意したときには、社会課題解決の力になる開発経済学を選びました。留学中にフィールドワークで1ヶ月滞在したペルーのアマゾン川流域のタラポトという町は、アマゾンの熱帯雨林から近くて自然あふれる非常に綺麗な地域です。しかし、タラポトから車で1〜2時間しか離れていないアマゾン川流域の奥地にホテルがたくさん建っていることに、大きな衝撃を受けました。資本を獲得し途上国の経済を豊かにするため、観光客受け入れを目指して開発を進める事例は珍しくありません。しかし現地の人たちは「経済は潤うけれど、伝統的な雰囲気や文化は捨て去られてしまうため危機感を持っている」と言っています。途上国を訪れたことで、自分の日常の選択が途上国に与える影響力の大きさを肌で感じ、社会課題に本当にちゃんと向き合っていきたいと思うようになったのです。その中でエシカルについて知り、エシカルな社会実現に向けた取り組みをしていきたいと強く感じました。Q.2 活動内容を教えてくださいそもそもエシカルとは、「人・社会・地球環境・地域に配慮した考え方や行動」のことを指します。そして私たちエシカル協会の活動では、「エシカル」という概念を普及しています。協会のミッションは、「エシカルの本質について自ら考え、行動し、変化を起こす人々を育み、そうした人々と共に、エシカルな暮らし方が幸せのものさしとなっている持続可能な世界の実現を目指します」です。エシカル協会では、主に以下のような活動を行っています。活動1.消費者がエシカルを学ぶ機会の提供活動の大きな柱として、多くの人にエシカルの本質を知っていただく「エシカル・コンシェルジュ講座」を開催しています。各分野の専門家をお招きして、気候変動、サーキュラーエコノミー、動物福祉、途上国の児童労働など、エシカルにかかわる幅広い分野の講座を、約半年間で全11回開いています。講座を修了した方を、「エシカル・コンシェルジュ」と呼びます。協会の形で立ち上がる前の活動から数えると、エシカル・コンシェルジュ講座受講生の数は2000人を超えました。活動2.次世代にエシカルを繋ぐ講演活動や企業との連携エシカル消費の普及においては消費者の変化だけではなく、企業・行政それぞれの連携が重要であると考えており、企業への働きかけ、企業や教育機関での講演も行っています。私たちのミッションに共感して活動をしてくださっている法人会員は30社を超えました。各企業には、エシカルな商品・サービスを提供することに加え、商品・サービスに関する情報開示や消費者への積極的な発信を行っていただくようお伝えしています。活動3.エシカルな仕組みを社会に作るための政府との連携エシカル消費の普及のためには仕組みづくりも欠かせないため、政府の委員会への参加などを通じ、エシカルの重要性を直接お伝えしています。レベル・プレイング・フィールド(公正な競争条件)確保の観点から、行政には、事業者が情報開示をするに当たってのルールを定めることや、消費者教育・学校教育の中でエシカルを学ぶ仕組みを構築することなどを提言しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?私たちと一緒に動く仲間が増えてきて、エシカルな社会の実現に向けた一歩を積み重ねられていると感じています。エシカルとは「エいきょうをシっかりカんがえル」こと、つまり、自分の行動1つひとつがどんな影響を与えるのかを考えることです。例えば、食べもの1つ買う場合でも、自分の行動による影響を考え続けること自体がエシカルな暮らしの第1歩となります。私個人としても、この観点で生活における選択をできるようになったことが大きな変化です。また、エシカルは幅広いテーマを横断するものなので、社会課題に取り組んでいるNPO/NGOやスタートアップの方々とお会いする機会も増えました。そこで自分の知らなかった社会課題や取り組みについて知り、日々新しい学びがあって大きな刺激をいただいています。エシカル・コンシェルジュからは「今まで知らなかったことを知って大きなショックを受けた。知ったからには生活の中でできることをしていきたい」という声をよくいただきます。実際に、講義では動物福祉と畜産について毎回触れているのですが、そこで現状を知って衝撃を受けた後に「この現状を近くのスーパーに届け、ニワトリにより配慮されている平飼い卵の取り扱いを始めてもらった」などの具体的な行動を起こすコンシェルジュも多くいます。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「エシカル」という言葉を使わなくても、エシカルな社会が実現している状態を目指しています。言葉が存在するのは、その状況を意識的に目指さなければいけない状況だと考えています。「エシカルな消費」「エシカルな生き方」を意図的に目指さなくても、本質的に「エシカルな社会」、すなわち人や地球環境、社会、地域に配慮した考え方や行動が浸透している社会が実現されれば良いなと思います。私たちは気候変動や生物多様性の減少、サプライチェーンにおける人権侵害など、多くの社会的な課題を抱えています。それらの課題への対応が求められるのはもちろんですが、解決は簡単ではありません。多くの商品は海外で調達された原料を使い、途上国の工場で部品が製造、加工されるなど、長く複雑な工程をたどっています。課題の解決に向けては、目の前の商品は誰がどのように作ったのか、どのように使われていくのか、商品の過去・未来・現在について消費者1人ひとりが考えて行動することが必要です。エシカルな社会を実現するのための道のりはまだまだ長く、やるべきことは本当に多いです。消費者が取り組むだけでなく、企業も環境や人権に配慮した事業活動をし、エシカルな商品・サービスが消費者に届きやすくなることも求められます。また、消費者や企業がエシカルに取り組む後押しをするような政策も必要です。私たちエシカル協会だけではなく、これからも仲間を増やして活動の輪を広げていきたいと考えています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!私たちエシカル協会は、「エシカルな暮らし方を、幸せのものさしにしたい」という想いを持って活動しています。エシカル協会では、エシカルの本質について自ら考え、 行動し、変化を起こす人々を育み、 そうした人々と共に、エシカルな暮らし方が幸せのものさしとなっている持続可能な世界の実現を目指しています。どなたでも受講可能な、エシカルに関する幅広いテーマを学んでいただけるエシカル・コンシェルジュ講座を開講しています。また法人会員制度も設けており、エシカルな社会実現に向けた活動に賛同して下さっている企業様のコミュニティです。そして企業・自治体・教育機関向けの講演活動も行っています。ご関心をおもちお持ちいただける方は是非お問い合せフォームからご連絡ください。エシカルな社会の実現に向けて、ご一緒いただけますと、とても嬉しいです。

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地域の人と協力した魅力発信の場づくりを|くらふとカフェ おすそわ家の地域活性化への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「地域活性化」です。地方では、人口減少・観光客の減少が深刻です。さらには、地域課題の解決に取り組もうとする企業があっても、その取り組みと地域の人の想いとの間に乖離が生まれてしまうという現実が存在しています。そのような課題を、「魅力の発信」を軸にして解決しようと活動しているのが「くらふとカフェ おすそわ家」です。おすそわ家では、地域に住むからこそ見えてくる課題と魅力を、さまざまな企画とサービスの導入に挑戦することで、「地域の人目線で地域を活性化」させることを目指しています。今回はおすそわ家の取り組みを紹介するため、ワークフローデザイン合同会社の渡辺さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?自分が40代に入ったときに「ふるさと」と感じられる場所を作りたいと思ったのが、この活動を始めた大きなきっかけです。というのも、私は親の離婚後、母子家庭で育ち、親戚とも疎遠でお墓がないため、ふるさとを感じる機会がほとんどありませんでした。ふるさとを作る糸口を見つけようと、周りの人に「ふるさとはどこですか? どんな場所ですか?」と聞いて回りました。その中で出会った中のお一人が、山梨県富士吉田市にコワーキングスペースを立ち上げようとされており、そちらをお手伝いするために私は多拠点居住を始めました。山梨県には、富士山やシャインマスカットなどの観光資源があり、ふるさと納税や移住ランキングでも上位に位置する地域です。そういうこともあり、観光資源に注目した企業が行政と協力し、流行りのワーケーションをはじめとした様々な取り組みを行っています。しかし、その動きに対し、地域の人には「自分たちは取り残されている」「もっと地元のことに取組んでほしい」というお気持ちを聞く機会が多くありました。実際に私は富士吉田市で生活を始めたところ、たしかに、世間が言う「多拠点・地域創生・地域おこし」と現地の人との温度感や視点に、大きなひらきがあることに気がつきました。富士吉田市で暮らし始めて、感じた課題があります。観光客が多いといわれるが、富士吉田市に滞在する時間は短く、経由して他の地域へ行ってしまう。(他の地域に行ってしまうという影響もあり)地域飲食店の利用者が少なく、さらにコロナの影響もあり、地域店は苦境に立たされ店舗数の減少が進んでいる、などそこで私は、地域の人の視点で進めるために、地域のもともとある魅力を発信することで課題解決に取り組みたい、と考えるようになりました。コロナによる地域店の閉店などを目の当たりにし、利用者としての応援ではなく、新しいサービスの形を見つけないと状況は悪化していくと感じたため、実験的に多目的雑貨店をスタートしました。Q.2 活動内容を教えてください富士駅から徒歩1分の場所で、多目的雑貨店「くらふとカフェ おすそわ家」を運営しています。また自店のサービスとして、喫茶・軽食・雑貨販売・PCやスマホのよろず相談(アレコレ教室)を展開しています。それ以外に、自身の経験やスキルを活かして、富士吉田地域での商い全体が盛り上がるような既存の枠にとらわれない取り組みを行い、富士吉田地域の可能性を探っています。おすそわ家では多くの取り組みがあるのですが、その中から4つ紹介します。活動1.地域のハンドメイド作品の魅力をさらに高めるセミオーダーの付加価値をつける富士吉田周辺には、ハンドメイド作品の作家さんが多くいらっしゃいます。地域の人が作成したアクセサリーはとても魅力的なのですが、買う側からすると地域特有のお店が少ないという点から、「人とかぶらないようにしたい」「自分が好みのデザインを探したい」というニーズがあります。この2点のニーズに応えるために、セミオーダーという形で、既存商品のカラーオーダーを受けられるようにしたり、既存商品のパーツを変更・追加したりすることで、フルオーダーに近しい「自分だけのアクセサリー」が手に入るように、商品力を高めるお手伝いをしており、ゆくゆくはネット販売にも進めていきます。これによりアクセサリーに限らず「作った物をただ、並べて売る」という売り方ではなく、売れるためのお手伝いをしています。活動2.イートインスペースとしての店舗開放による地域飲食業への購入機会創出富士吉田周辺は、観光資源が多いためたくさんのイベントがあり、そこに向けたキッチンカーも数多く存在します。また、コロナの影響もあり、固定店舗の飲食店はテイクアウト品の販売を行っています。しかし、キッチンカーはイベントが中止となれば売上げはなくなり、固定店舗のテイクアウトも食べる場所がなければ、食べる場所を確保してからの購入となり、どちらも安定的ではないのです。そこで、おすそわ家の店頭にキッチンカーさんに出店していただき、おすそわ家をイートインスペースとして活用してもらっています。また、固定店舗のテイクアウト品もイートインで飲食可能としています。これにより、キッチンカー・固定店舗それぞれのメニューが偏っていたりしても、それぞれのラインナップが相互に補完しあうようになり、飲み物からデザート、小食向け、大食漢向けにも対応でき、利用促進につながると考えています。当店も、イートインの際は飲食を提供しなくても雑貨の販売につながりますので、メリットばかりです。空地・空き家問題がありますが、そういった問題にも活用できるのではないかと考えております。活動3.wakeauを活用したサービスwakeauというサービスで入手した農作物を飲食メニューに使用したり、来客に無償でおすそわけしたりしています。wakeauは一般消費者が利用する、日本各地の農作物など「食べる」魅力が詰まったお楽しみBOXを提供しているサービスですが、おすそわ家では特別に許可をいただいてこの活動が実現しました。おすそわ家でwakeauのサービスを体験してもらうことで、wakeauサービスを利用する一般消費者への宣伝効果や、将来的には、富士吉田周辺の生産者の方が、wakeauを通して提供側に回れば、生産者の方の新しい販路の獲得につながると考えています。活動4.Otomoniを活用したクラフトビール提供Otomoniというサービスで入手した日本各地の約2,000種類にも及ぶクラフトビールを提供しています。こちらも一般消費者向けのサブスクサービスで、日本各地のクラフトビールを購入できるサービスですが、おすそわ家では特別に許可をいただいて提供しています。おすそわ家でOtomoniサービスを体験してもらうことで、ポップアップストアのようにOtomoniサービスを自宅でも利用したいという一般消費者への宣伝効果や、将来的には、富士山からの湧き水を利用した、地域のクラフトビールの生産者の新しい販路獲得にもつながると考えています。このようなサブスクサービス(一定料金で一定期間のサービスを受けられる)の体験によって、富士吉田でも色々なサービスが受けられるので、地域の人には、この吉田でクラフトビールを多くの種類が飲めると訴求できますし、移住する人にも、都心じゃないから〇〇がない、選択肢が少ない、といったニーズにも応えていけるのではと考えております。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?情報の多面性を強く意識するようになりました。地域社会では口コミの重要度が高いのですが、発信者の所属するコミュニティによって、口コミの見え方も変わります。クローズドな地域社会では、他の地域(つまりコミュニティ)からの意見が入ってきにくく、自分と違う意見の口コミに出会う機会も少ないのが特徴です。しかし、ネット上のSNSにより、新たにネット上にもコミュニティができるようになり、違うコミュニティの口コミで合う機会が増えてきたのが近年だと考えます。それにより上辺だけの「地方創生」という言葉だけではなく、具体的な「何をして地域に何を返すのか」をサービスレベルにまで落とし込むことが、誤解されずに情報を伝達することができるのではと感じています。また、富士吉田市は人口が5万人を切っていて、活動範囲もエリアごとに固まっていたりするので、マーケティングの母数人口が極端に少ないため、傾向をつかみにくく、個別戦略が必要となってきます。ですので、定性的な想いを重要視したマーケティングやプロモーションを進めるようにしています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?もともと各地域はとっても魅力的です。ただ、時代の変化に合わせて、魅力の伝え方にも変化が必要なので、そこを飲食に限らずあらゆる業種で地域の人目線で活性化につなげていける、そんな魅力を発信する場所におすそわ家がなれればなと考えています。飲食であれば、安心して地域のお店は後継者が後を継いだり、新規出店が増え、暮らしている人それぞれの「ふるさとの味」と呼べるものが、ずっと地域にある状態を実現したいと思っています。富士吉田周辺地域では、古くからある地域に暮らす人同士の助け合いの精神でまちづくりがなされてきました。今後はその助け合いの中におすそわ家が歯車として入っていけるように、努力を続けていきます。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!色々な想いがあっても実際に「やってみよう」と思い行動するには、超えなければいけないハードルや壁がいくつもありますよね。でもそのハードルは思い込みかも知れず、視点を変えて横から見ると薄っぺらい壁かもしれません。当店の店頭や店内を利用し、まずは「なにかやってみませんか?」コーヒーでも飲みながらお話しできればと思います。「くらふとカフェ おすそわ家」での活動は、Instagramにて最新情報が常に掲載されていますので、ぜひご覧下さい。Instagram(@osusowake4u)

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ジビエの良さを日本に広め消費を促進|天領じびえのジビエ活用への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ジビエ活用」です。農業や林業を行っている地域で猪・鹿による被害を防ぐために猟師が猪や鹿を捕獲しています。ジビエは栄養価が高く美味しいにもかかわらず、加工処理や流通が追いついていないという理由で大半が廃棄されているという現実があります。そんなジビエの有効活用に向けて取り組んでいるのが、天領じびえです。天領じびえでは猪や鹿の被害を対策しながら、ジビエをより身近に感じてもらうため、ジビエ料理販売などの活動を展開しています。また、ジビエに対する正しい知識普及に向けてSNSでの情報発信にも積極的に取り組んでいます。今回、天領じびえの取り組みを紹介するため、個人事業として天領じびえを営む諌山亮輔さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?自分が罠猟師として多くの猪や鹿を捕獲するようになり、いただいた命を無駄にしたくないと思うようになったからです。実は、捕獲された猪や鹿のうちジビエとして正規の流通・販売ルートに乗っているものはたった10%未満で、残りの90%程度はジビエとして流通できていません。90%の中には猟師が自分の家庭や近所に配るなどして消費している部分もありますが、大部分は消費しきれず廃棄されています。捕獲した猪や鹿のお肉を売れるようになれば、この廃棄問題が解決に繋がると考えました。食用化が進展しない理由の1つは、獣肉処理施設が足りていないということです。猪や鹿の捕獲頭数は全国的にも多いのですが、量や立地の問題で捕獲全量を加工施設に送ることができません。ジビエの人気が高まってきているので加工施設数も増えているのですが、それでも捕獲量に加工量が追いついていないのが現状です。また、ジビエは臭いという悪いイメージをもつ方が多く、牛・豚・鶏ほどの需要が無いのも、食用化が進展しない理由の1つです。これらの問題の解決に向け、活動を始めました。Q.2 活動内容を教えてください罠にかけて捕獲した獲物を処理・加工して、ECサイトで販売しています。また日田市の地域で盛んなマルシェを活用しようと、飲食店営業の許可を取って、串焼きなどのフード販売も7月からスタートしました。ジビエを串1本から食べてもらって、ジビエの良さを知ってもらうきっかけにしてほしいです。さらに、多くの人にジビエの調理のコツや活動の様子を知ってもらうため、Instagram(@tenryogibier)で「ジビ活」というワードを用いて発信しています。ジビエを使うキャンプやBBQなど、牛や豚と同じようにジビエを使えることをSNSで発信しています。ジビエは栄養価も高いので健康にも良いということを発信して、より身近に感じてもらいたいと思っています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?ジビエの認識を良い方向へ改めてくれているお客さんが多くいることを感じています。ジビエを食べた人から、「近所のお肉屋さんの牛肉より美味しかった」、「普段お肉を食べない子どもが、イノシシのミンチで作ったハンバーグは食べる」といったお話をいただいています。マルシェなどに出店したとき、ジビエを初めて食べたお客さんが「めっちゃとても美味しかったです」とわざわざ戻ってきて言ってくれたこともあります。また、知り合いの農家さんから、猪や鹿の被害が減ったという話を聞くこともあります。自分の活動が人の助けになっていると思うと、ジビエの有効活用以外にもこの活動の意義があると感じられます。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?将来的には、地域の人たちと一緒に、地元の猟師さんの獲物を買い取って処理することなどにも取り組んでいきたいです。私が作った施設は、現状自分が捕獲した猪や鹿を処理するために使っていますが、大きな施設ですので、今後人を雇っていけるようになればいいと思います。また、大きなビジョンとして、ジビエが牛・豚・鶏と同じくらい、家庭の食卓に当たり前に並ぶようになってほしいです。ジビエは今供給の不安定さや加工の大変さのせいで値段が高いのですが、ジビエの地位が向上し、大きい工場でシステム的に捌けるようになると、値段を下げることに繋がると思います。さらに、ジビエの認知度の向上、ジビエの適切な情報を伝えていくことが今後の課題です。ソシャグではブログのSEO対策機能などデジタルマーケティングの支援があり、情報を伝えていくという部分の支援をしてもらえるので、そういった機能に期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!ジビエの美味しさは、本当に間違いないものだと思っています。100gなど少量からでも販売してるので、ぜひ一度お試しで食べてみてほしいです。日田市内のイベントに出店していることも多いので、近くの人はぜひ、串の1 本からでも食べてみてください。天領じびえInstagram(@tenryogibier)

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日本で1番楽しいゴミ拾いを|海さくらのビーチクリーンへの取り組み

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ビーチクリーン」です。各地の海ゴミは、海洋から流れ着いたものだけでなく、実はその多くが街から辿り着くゴミだった、とご存知でしたか?今回ご紹介する「NPO法人海さくら」は、『楽しい・体験・体感』をキーワードに、誰でも参加できる海のイベントを17年間実施し、そのイベントから、おしつけがましくなく、海・環境に関心が自然(自ら)と高まる仕組みを数多く実現してきた団体です。代表の古澤さんは、たった一人で「まずはゴミ拾いから始めてみよう」と思い立ったところから、いつしか2,000人が参加する巨大プロジェクトになっていた、とおっしゃいます。そんな活動の成果からか、江の島では、みんなが街をきれいにするのと同じように、「いつも誰かが海のゴミ拾いをしてくれている」という理想的な環境が実現しています。学生時代の「体育会系部活の熱い想い」を今でも持ち続けている、古澤さんの人間的な魅力あふれるお話を伺うことができました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?いつも遊びに行っている海をきれいにしたいと思ったのは、17年前。昔はもう、海岸がすごく汚かった。というのも、海に遊びに来た人たちが、平気でポイ捨てをして行くんです。当時の私は、社会人になって仕事でお金を稼ぐ以外に、例えば学生時代に体育会系の部活動をしていたころのように、熱くなれるものを探していました。また子供が生まれたタイミングでもあり、いろんなことが重なって、近くの江の島の海をきれいにしよう!と思い立ち、1人でゴミ拾いを始めてみたんです。それは、社会のためにグットなことをしよう、というよりも、江の島の海をきれいにしたいという想いで、ゴミ拾いなら自分でできると思い、始めました。今ではイベントに2000人が集まってくれるようになりましたが、この思いに共感して協力してくれるみんなのおかげだと思っています。Q.2 活動内容を教えてください「目指せ!日本一楽しいゴミ拾い」を合言葉に、江の島にかつて生息していた『タツノオトシゴ』が戻ってくるように、海をキレイにしています。具体的には、次以下のような活動を行っています。「どすこいビーチクリーン」現役のお相撲さんと一緒にゴミ拾い「LEADS TO THE OCEAN」プロスポーツチーム20チームと試合終了後のゴミ拾い、年間総勢1万人以上のゴミ拾いを実施中)「BLUE SHIP」ゴミ拾いや環境活動を「している人」と「したい人」をむすぶ環境イベントポータルサイトBLUE SHIPの設立、運営「海創造プロジェクト」海底の森を復活するため、コウイカに認められる藻場を作る。「海さくら拾っちゃい隊」江の島で、いつでもゴミ拾いができる仕組みを構築「ちびっこBEACH SAVER パーク」片瀬東浜に設置し、子どもたちの海離れが加速する中、海水浴シーズンには約1万人を来園させるパークに成長「釘のない海の家」片瀬東浜に6年間設置、東浜を日本一安心・安全な浜にすることを目指す映画制作江の島に流れ着いたタバコのフィルターでカヌーを作り、映画『あなたの心が流れる先に』を制作レッドブルレース出場江の島に流れ着いたタバコのフィルターで作った自転車でレースに出場し、5位入賞「海の叫び魚」巨大な半透明の魚の形のゴミ箱を設置し、そこに海ごみ・街ごみを入れ、海のゴミは街からやってくるという啓蒙を各地で展開中他にもいろいろな企画を通して、楽しみながら海をきれいにする活動に、皆さんと一緒に取り組んでいます。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?日本財団の2017 年ぐらいのデータにもあるのですが、10代では4割近くの人が海に関心がなく、年々興味が薄くなっている、ということがわかります。海がピンチだと話をしても、「ゴミ拾いしよう!!」と言っても、人は海に来てくれません。そこで楽しいゴミ拾いを展開することにより、ゴミ拾いの前に「楽しそう」という関心から現地に来ていただけるようになり、そのあと、少しづつ、現場でゴミを拾ったり見たりすることで自分ごとに変わるのです。それでも、ゴミ拾いのために時間とお金をかけて、海まで足を運んでもらうのは難しいですよね。だから「社会のために行動しましょう!」というよりも「一緒に美味しいもの食べませんか?」とか、「いろんなタイプの子が来るよ」と聞いた方が、ちょっと行きやすくなりませんか?そうやって、海を楽しんでもらうことを重点に置くようにしたら、今では若い人もたくさんの人たちが参加してくれるようになりました。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?とにかく「海を楽しもう」というところを広めていくことで、楽しみ続けるためには海を守らないといけないよね、という発想に自然となってくる。つまり、みんなに海で楽しんでもらいたいのに、ゴミがあると嫌だな、となるから、じゃあ先にきれいにしよう!と思ってやることで、楽しい海がどんどんきれいになる。それを見た子どもたちが同じように、海をきれいにしよう、と思ってくれると、その思いがつながって永久的に良い状態を残して行ける。そんなふうに、海を楽しむことだけで環境活動が成立するなら、それを伝えて行くのが一番素敵だよね、と思ってます。だから、素晴らしい理念を掲げて環境を守りましょう、というのも良いけれど、もっと海を好きになって、海で遊ぼうよ!っていう団体が増えた方が、もしかしたら将来的な意味で、海をもっともっときれいにできるんじゃないかな、とも思いますね。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!日本の海はもっときれいになります。もちろん日本の海がきれいになって行くには、僕たちの力だけじゃなくて、いろんな人の力が必要になります。けれど、まず江の島がきれいになれば、他の海でも、それぞれの地域で情熱を持った人が、この海もきれいにしよう、と思って動いてくれれば良いし、そんなみんなの勇気につながれたら良いな、と思って活動を続けています。ぜひ一度、僕たちが活動する海に遊びに来て、もう一度改めて海の楽しさや素晴らしさを体験してください!NPO法人海さくらInstagram(@umisakura_official)Twitter(@umisakura_pr)

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天草の魅力を全国に。 柑橘加工と農家さんの販路拡大にかける思い

こんにちは。WAKEAU事務局です。四方を海に囲まれた複数の島からなるまち、熊本県天草市。東京−天草間でエアラインが通っていたり、天草五橋と呼ばれる複数の橋で交通インフラも整っていたりと、流通が栄えています。そんな天草でお楽しみBOXの出荷担当をしてくださっている田中さんに、お話を伺いました。WAKEAUお楽しみBOXとは…地域の魅力を一箱に詰め、産地直送で毎月お届けするサービスです。各地域の新鮮で美味しい生産物と一緒に、生産者さんの想いや地元をPRする同梱物をお届けしています。BOX購入を通して、生産者の売れ残り低減や安定収益に貢献でき、地域を応援できるしくみになっています。2022年8月現在、7つの地域で展開しています。お楽しみBOXの出荷担当者とは…梱包や発送といった出荷作業を単に行うだけでなく、商品設計の構想や生産者の方々との連絡調整までを担う、まさにWAKEAUプロジェクトのキーパーソン、地域のリーダー的な存在です。それぞれの出荷担当者が、それぞれの個性を活かすことで、このWAKEAUお楽しみBOXは運営されています。1.生まれも育ちも熊本ー ご出身は天草なのですか?生まれは熊本市内なんです。父親の地元が天草で。小学校二年生のときに天草に引っ越し、それからはずっと天草に住んでいます。今は妻と、9月で4歳になる息子と3人家族です。−お仕事は何をされているのですか? もともとは運送業でした。集荷で天草のいろいろなところを回っていましたね。今は、あることがきっかけで「kittoo(キット−)」という果実加工所を経営しています。 −天草の色んな所を知っていらっしゃいそうですね。 おすすめスポットはどこですか? ドライブが趣味なので、景色のいい場所を知っていますよ。天草には美しい海を一望できるドライビングコースがたくさんあります。特におすすめなのは、牛深の鶴葉山海浜公園の近く。海浜公園は珊瑚を観察できる施設もあるくらい海の透明度も高いです。晴れた日の天草ドライブは最高ですよ。牛深の海。写真加工をしなくてもこの青さです。写真は牛久の茂串白浜海岸(運転中は写真画撮影できないので、海浜公園の景色はぜひご自身の目で確かめてください^^)。 2.美味しい天草の柑橘をもっと世界に届けたい田中さんは運送業をやめ、2020年6月に心機一転、起業。果実加工所「kittoo(キット−)」を立ち上げました。そこにはどんな思いがあったのでしょう。ーkittoo立ち上げのきっかけには、何があったのでしょうか?運送業時代、農家さんのところに集荷へ行くことが多かったんです。天草はみかん農家さんが多いんですよ。毎日十数軒回っていましたが、「持っていきぃ」と、みなさん袋いっぱいのみかんをくださるんです。集荷が終わる頃には30キロ近くになるほどでした。当然我が家では食べ切れず、友人知人にもおすそ分けしていましたが、みんなその美味しさに「これ、どこのみかんなん?」と聞いてくる人ばかりでした。「こんなにもらって申し訳ない」と農家さんにいうと、返ってきた答えは「規格外やし傷もんやから、(田中さんが)もらってくれんかったら、捨ててしまうんよ」。こんなに美味しいみかんが、形が悪いだけで廃棄されてしまうなんてもったいない、そんな思いを抱いていました。「このみかん、天草を知ってもらうために使えんやろうか」いろいろアイデアは浮かぶものの、勤めていたときは実行するのも難しくて。そんなとき、地域雇用創出協議会の方からお誘いをいただいたのが、kittooをはじめたきっかけとなりました。 みかんが1本あたり15個くらい使われているみかんジュース。7月のお楽しみBOXにも入れていただきました(※量産ではなくコールドプレスで丁寧に作っているため量が確保できないので、BOXに必ず入るわけではありません)−kittooの看板商品は皮までまるごと使った柑橘ピューレなんですよねはい。kittoでは、天草の柑橘の美味しさをそのまま届けたいと、皮までまるごと使用するピューレを中心に作っています。小さなお子さまも食べることができるように、加えるものはてんさい糖のみ。量産型ではできない、皮のエグみすら味の深みに変えることができるよう丁寧に作っています。小さなお子さんも大好きなレモンと、大人の苦味の残る晩柑(ばんかん)。炭酸で割っても、パンなどに練り込んでも、様々な使いみちで活躍します。 3.分け合うことで繋がれるっていい仕組みじゃないですか−どういった経緯でお楽しみBOXの出荷担当になられたんですか?「天草市起業創業・中小企業支援センター」である「Ama-biZ」を通して前任の出荷担当さんから引き継ぎました。天草の農家さんたちはご高齢の方が多く、とても美味しいお野菜を作っても売り先が限られているんです。お楽しみBOXは、そんなプロの農家さんたちの味を全国に伝えたり、収入源の一つとなるとてもいいプロジェクトだと思いました。 ー取り組みにご理解いただき、ありがとうございます。 田中さんが思う、お楽しみBOXの魅力ってなんですか?一番良い仕組みだと思ったのが「届いた商品を周りの人と分け合えること」です。昔は「引っ越し蕎麦」とか、「ちょっと美味しいものをいただいたから、お隣におすそ分け」ということが当たり前のようにあったじゃないですか。周りの人に「分け合う」ことで、新たな繋がりができたり、コミュニケーションがとれていたり。ですが、時代の移り変わりやパンデミックの影響もあって、人とのつながりが希薄になってきていますよね。孤独をより感じやすい時代になったと思います。ファッションや音楽などで、良いものが時代によって繰り返されるように、こういった良い文化も繰り返されていってほしい。形を変えて今の時代にあった「分け合う」文化を、このお楽しみBOXは叶えてくれるのではないかなと思っています。天草のお楽しみBOXはこの夕やけ市場をとおして農家さんたちにお野菜を提供してもらっています4.天草の魅力、届けます!ー天草WAKEAUお楽しみBOXをお届けする方へ一言!みなさんが大切な人に「この美味しさを分けたい!」と思っていただけるよう、天草の美味しい野菜や加工品をお届けします。天草に行ってみたいと思っていただけるよう、天草の情報も一緒にお届けしていますので、どうぞよろしくお願いいたします。

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難民と日本社会を包括的につなぐ|坂下裕基の難民問題への取り組み

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「難民問題」です。世界の難民問題は深刻化を続け、内戦・迫害・政情不安によって数多くの人々が故郷を追われています。10年で倍近く膨れ上がっている難民に対し、どのようなサポートを行うかが世界各国で議論されていますよね。そんな難民問題の解決に取り組まれているのが坂下裕基(さかした・ゆうき)さまです。坂下さまはシリアの難民サポートをメインに活動されており、現在三つの事業を通じて難民の包括的な支援活動を展開されています。今回、難民問題への取り組みを紹介するため、坂下さまにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?シリアに故郷を持つ方々のキャリア形成や雇用システムが改善されていない状況を課題に感じ、2015年ごろから難民支援に取り組み始めました。以前から慈善活動は行っていましたが、大きな転換となったのは2015年の報道です。当時の難民人口は6500万人を超えるともいわれ、中でも難民の出身地はシリアが最多でした。そんな中、遺体となってトルコの海岸に打ち上げられた3歳の男の子を、多くのメディアが報じたのです。その男の子は家族とともにシリア内戦を逃れようとしたものの、避難の渦中で命を落としてしまったといいます。この報道がきっかけとなり、難民問題へより一層の課題意識を持つようになります。雇用を作り経済を立て直すことが、日本人ができる課題解決なのではないかと考え、難民支援活動に取り組んでいます。Q.2 活動内容を教えてください現在三つの事業体を中心に活動を行っています。どれも難民支援にかかわるものではありますが、それぞれ特徴が異なるため事業体ごとにご紹介します。活動1.在日難民のキャリア課題解決日本にいる難民が未来をデザインできる状態を作り、日本人や日本社会と難民とのパートナーシップを生み出す活動を行なうのがWELgee(ウェルジー)です。具体的には、難民庇護申請者のキャリアプログラムを提案しています。先ほどお伝えした通り、2015年時点では6500万人を超える人々が難民として生活していました。しかしその数は2022年現在で、難民・避難民合わせて1億人を超えており、世界中のおよそ100人に一人が難民・避難民であるという状態なのです。そうした人々の中には避難先として日本を選択される方もいます。ですが現在の難民制度では、彼らの才能を最大限引き出せる環境を整えられているとは言い難いのです。そうした状況を改善していくため、難民の方々がもつスキル・経験を日本で活かせるプログラムを提案しています。特徴2.シリア人のキャリア課題解決株式会社Bon Zuttner(ボンズットナー)では、シリア国外にいるシリア人へのITアウトソーシング事業や企業社員向け研修事業を行っています。キャリア支援をしたいと考えた際に、まずはシリア国外で暮らすシリア人のエンパワーメントに取り組みました。しかし調べれば調べるほど、支援という言葉がそぐわない優秀な人材が多くいることに気がつきます。そこで私たちは、日本国内企業から請け負った高度なIT事業を、専門スキルを持ったシリア国外にいるシリア人に対し委託しています。IT人材の不足は日本でも大きなトピックとなっているため、優秀なITエンジニアは国籍問わず歓迎されています。特徴3.在日難民の雇用・生活課題の解決日本で暮らす難民の背景を持つ方々が持つ力を発揮し、活躍する社会にするべく、Welcome Japan(ウェルカムジャパン)の理事を務めています。ウェルカムジャパンは専門性の高い活動を支援するため、官・民・学の様々なセクターに所属するメンバーをマッチングするプラットフォームを運営しています。このようなマルチセクター連携を行う中間組織として、難民課題の解決を実現していくのが狙いです。差別のない住居システムや雇用支援など、社会包括プログラムの提供を通し、日本国内の難民が埋もれずに活躍できる社会の構築を目指しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?ボンズットナーの事業では、現地の水準よりも高い給与をお支払いできています。キャリア支援の実現という点でみても、仕事の機会を提供できているというのは嬉しいですし、安定的な給与の支払が難民の方々の生活水準工場につながると思っています。また個人的には、物事を客観的かつフラットな目線で見られるようになりました。文化的背景の違う難民の方々と理解し合うためには、そうした視点も必要であると感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?今後は日本の生活水準と同等レベルの賃金を、達成していきたいという考えがあります。また難民の方々が将来的に私たちの事業に頼らない形で、キャリアアップできるようにサポートしていけたらとも考えています。またニーズに合わせた顧客体験も課題です。現在ではビジネス自体の大きさに未知の部分が多く、今後は難民のITエンジニアを貴重なアセットとして考え、集客を進めていきたいと考えています。ソシャグでは企業同士のマッチング機能が提供されると伺っているので、コストのかかる企業の集客力向上に期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!機会の平等に対して興味をお持ちであったり、不平等・アンバランスへの問題意識をお持ちの方は、ぜひお問い合わせください。今後はSDGs・D&Iといった企業の社会的責任に対する取り組みへの参画がより一層強化され、事業者による社会課題の解決がより高いレベルで要求されるでしょう。そんな情勢の中で、ボンズットナーでは高度なIT人材をスピーディーにアサインできます。またWELgeeは多くのメディアに取り上げていただいており認知度も高いので、パブリックリレーションズへの効果も期待できます。ぜひ、下記のリンクよりそれぞれの事業をご覧ください。NPO法人 WELgeeBonZuttner(ボンズットナー)Welcome Japan

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当事者視点で障がい者の旅行を徹底サポート|櫻スタートラベルのユニバーサルツーリズムへの取り組み

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ユニバーサルツーリズム」です。先の東京パラリンピック前後は、障がいを持つ方々の目線で街のユニバーサルデザインを考え直す機運が高まりましたが、その後、誰にとっても過ごしやすい環境のために、十分な改善が行われていると言えるでしょうか?今回お話を伺った櫻井さんは、難病から生活が一変したご自身の経験を通し、「当事者の視点」でユニバーサルツーリズムを広める活動を行われています。治療やリハビリを続けながら、障がいを抱える方々の旅行支援を続けられ、同時に相互理解や協力の輪を広めるための講演にも精力的に取り組まれている、櫻井さんの言葉やご姿勢からは、障がいの有無を越えてウェルビーイングに生きる力が、その尊さが感じられます!Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?突然の病気で体の自由を失い、人の助けがないと日常生活の多くが制限されてしまう生活を続ける中で、会いたい人に会いに行けるうちに、行きたい場所に行けるうちに、やりたいことがやれるうちに、という意識を強く持つようになりました。そして、必死の思いで闘病しながら、初めての一人旅に出ようと決意したのです。旅先では、出会った人の優しさや、目に映る各地の景色に心から感動し、涙が溢れました。この経験から、自分と同じように難病や困難と向き合う方にも人生を楽しんでほしい、という思いを抱き、難病や各種の障がいと向き合う仲間と活動をスタートしました。私たちが旅を通じて「当事者の視点」でみなさんに寄り添うことで、社会や地域課題の解決策も見出し得ると考えながら取り組んでいます。Q.2 活動内容を教えてください櫻スタートラベル合同会社は、難病や障がいを有するスタッフが中心となって、当事者目線で事業を企画運営し、「誰でも、好きなときに、好きな場所へ」自由に旅行や活動が出来る社会の実現を目指しています。具体的には、「ユニバーサルツーリズム」を軸に次のような活動を行っています。活動1.オーダーメイド旅行企画難病や各種障害、疾患の当事者だからできるピアサポート的な立ち位置で、参加者の各種障害や疾患に合わせたオーダーメイドの旅行を企画し、予約手配から旅行全般のサポートを行います。時間的な制約や介助者の不足を解決するために、参加希望者のご要望の日程に合わせて自らも治療・リハビリなど医療を調整し、旅行の現場では家族や仲間の一員となって付き添いサポートします。活動2.障がい者の就労支援や業務サポート事業主でもある自分自身が闘病しながら仕事を両立することを通して、挑戦してきた課題解決や体験を活かして、一般就労が困難な方でも治療と就労が両立可能となるよう、柔軟に業務への取り組み方を試行錯誤しながら、就労支援や業務サポートを行っています。活動3.教育機関や企業への研修教育機関や企業などで、日頃は難病や障がいを持つ人と接する機会が少ない方々を対象に、私たちの具体的な支援活動を元に研修や講話を行うことで、障がいを持つ人たちの様々な声や実際の姿に触れてもらい、課題を共有する機会や支援活動に興味を持つきっかけ作りを行っています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?疾患や障がいの状況は刻々と変化して行き、特に進行性難病の当事者は、入院治療・リハビリ・服薬管理など日々の体調管理に多くの時間をかけています。そのような状況を踏まえ、旅行を希望されるそれぞれの方が抱える苦手な面や不安な部分を、お一人ずつ丁寧に伺いながら、準備に期間や時間がかかっても、苦手や不安をなるべく解決するために、さまざまな工夫を重ねています。下見や準備では現地へ直接足を運ぶようにし、受入施設との交渉も重ね、不安を最小限まで解消した状態で安心して旅行を楽しんでいただけるように心がけています。最近は、旅行業界だけでなく、幅広い企業様・自治体・学校の皆さまにも、私たちの活動に興味を持っていただくようになりました。様々な事例を通して感じた当事者としての視点や、一緒に活動に取り組むことで得られた知識だけでない大切な気付きや学びをお伝えしています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「誰でも、好きなときに、好きな場所へ」障がいの有無に関わらず自由に旅行や活動が出来る社会の実現に向けて、私たちの活動を通して見えてきた課題を一つずつ解決しながら、ウェルビーイングな社会の実現を目指します。難病の当事者は、多くの「時間」を闘病生活に費やすため、時間的・経済的・体力的に就労が難しい傾向にありますが、十分な収入を得て生活が安定しないと人生設計は難しく、余暇活動を楽しむことは難しい、と感じる方が多くいらっしゃいます。自由に出かけたくても、介助者を確保する難しさから断念してしまうことも多く、もともと体調管理が難しく精神的な不安もあり、余暇活動を楽しめない傾向にあるのです。でも、多くの方に「ユニバーサルツーリズム」へ興味をもってもらい、ご支援いただくことで、実現できる夢や可能性はたくさんあります!完治が難しい病気や様々な障害で抱える心の痛みや葛藤は、簡単に消せるものではありませんが、様々な困難があっても生き甲斐や希望を持てるような、そんな社会であってほしいと願い、活動を続けています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!学校などで行う講演では、配慮が必要な方々に対してどんなお声掛けが必要なのかを一緒に考えます。若い皆さんには、街中で配慮が必要な方を見かけたら、その方の立場に立って考えたり、必要なら声をかけたりしてほしいし、もしもいつか大切な人が困難な状況になっても、生活や心の支えになれるように、夢と希望を持って社会に出て行ってくれたらうれしい、とお伝えしています。「障がい」や「難病」に関する難しい法律や考え方をお話しすることもあるのですが、皆さんに伝えたいのは、今の人と人との繋がりを大切にしてほしい、ということです。難病の私たちでも、誰かのために出来ることがあります。コロナ禍の厳しい状況を経て、これからも皆さんと一緒に社会の課題の本質と向き合いながら、人や夢に寄り添えると信じています。櫻スタートラベル合同会社Facebook(@sakurastartravel )