はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「貧困と差別」です。厚生労働省によればホームレスの数は全国で3,800人ほどおり、また住宅喪失者は都内だけでも約4,000人いるといい、生活拠点が確保できない貧困層が増えています。また外国人差別も同様に問題視されており、物件への入居が国籍・人種により断られるケースも少なくありません。そんな貧困と差別問題へ取り組んでいるのが、合同会社Renovate Japanです。Renovate Japanでは全国で増加している空き家の改修を通し、貧困と差別問題の解決に取り組んでいます。今回、Renovate Japanの取り組みを紹介するため、代表の甲斐隆之(かい・たかゆき)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?早くに父親を亡くし、国のセーフティネットに支えてもらった経験、また母の仕事の都合で小学校の後半をカナダで過ごし、その後日本に戻った際に感じた疎外感や文化の違いなどを通し、貧困・外国人差別に関する問題に意識を持つようになりました。また、遺族年金などの制度によって恩恵を受けた身として、制度にたどり着けない・制度を受けられない人を放置したくないという思いや、外国人に対するステレオタイプ・ラベリングを無くしたいという思いがあります。貧困層・外国人に共通して起きている問題が「家に住みたいのに住めない人がいる」ことなのですが、日本には多くの空き家があります。貸し手がそうした人々に対して偏見の目を向けているということもあり、日本では「家が空いているのに、家が足りていない」という理解し難い状況が起きているのです。核家族化・高齢化が進行するにつれて世帯数が増えてきたものの、中古物件の高い維持費や新築主義思考によって中古の空き家も増加し、それらが犯罪の拠点になったり、腐食・崩壊・ゴミ屋敷化したり、オーナーの負担になったりという実態があります。それらの解決策として、空き家のリノベーションから貧困・外国人差別問題について取り組んでいます。Q.2 活動内容を教えてくださいRenovate Japanでは生活困窮者に対して「住み込みで空き家を改修する」という居場所と仕事を提供し、経済的・心理的な安心を確保した上で次のステップへ進む支援に取り組んでいます。こうした私たちのビジネスモデルには以下の三つの特徴があると考えています。特徴1.空き家を改修することで地域社会に貢献日本に存在する空き家は家屋全体の15%近くにのぼり、2033年には全国の戸建てのうち1/3が空き家になるとの試算も出ています。空き家は防災・防犯、衛生、景観等の面から外部不経済の要因となり、地域社会にとっても目に見える形で悪影響を及ぼしかねません。核家族化・高齢化や維持管理費用などの面から増加する空き家を、改修という形から新たな価値を創り出し、空き家改修を通した社会問題解決に取り組んでいます。特徴2.改修中の空き家を提供しセーフティーネットに日本には生活困窮者に向けたセーフティーネットが存在しますが、その拡充は十分とは言えません。例えば生活保護の利用率は2割程度であり、国際的に見てもかなり低い水準なのです。セーフティネットが十分に活用されない背景は、以下のように多岐にわたります。制度を知らず利用できない制度を通し悪質な環境を経験したことがある家庭の事情から難しいそもそも利用できない地域に住んでいる困窮しているのに制度の対象になれないまた外国籍を理由に入居を断られるケースも多く、在日外国人全体の約4割がそうした経験をしているといいます。そうした方々を包括的に支援でき、またオーナー様にとっても改修中に利益が得られるので、双方にメリットを提供できます。特徴3.改修済みの空き家は新たな形で運用・収益化改修後の空き家は、例えばシェアハウス・Eスポーツの合宿所など、あらゆる用途で多くの方にご利用いただけます。また生活困窮者も、住み込みで空き家を改修しつつご利用いただいた上で、就労や適切なセーフティーネットへの更なるつながりも期待できます。もちろん完成後の物件に家賃を支払っていただき、住み続けることも可能ですし、次の空き家改修にご参加いただくことも可能です。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?貧困や差別といった問題にはどこか暗いイメージがありますが、実際の空き家改修はかなり明るく、楽しい現場となっています。大きなトラブルもないため、順調に進んでいることをありがたく思います。また、温かいお言葉をたくさんいただけるようになりました。「まるで家族のようです」「この事業で救われました」「将来は社会貢献がしたいです」など、前向きな意見も寄せられているため、励みになっています。ボランティアの方にもご参加いただけるようになりましたし、今ではオーナー様からも応援を受けております。事業を始めて最初の1件目の空き家を借りるのは大変でしたが、事例を作ったことで、今ではオーナー様からお問い合わせいただけるようになり、大変ありがたく感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「タテナオシ」というのをRenovate Japanのビジネスモデルのテーマに掲げ、広く浸透させ社会現象化したいと考えています。また全国に47箇所の拠点を作るのが、今後10年の目標でもあります。その上で課題だと感じているのがマンパワーの確保です。どういう人材をどのくらいの規模で集めるべきか、まだまだ整理が追いついていません。ソシャグでは、社会問題に興味がある人同士をマッチングする機能があるとのことですので、弊社の人材確保にも活用できると期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!私たちは「誰もが生きやすい社会」を目指しています。この想いに共感いただける方がいらっしゃいましたら、ぜひご協力いただけますと幸いです。ご興味をおもちの方は下記リンクからホームページ・SNSをご覧ください。お問い合わせもお待ちしております。Renovate JapanTwitter(@RenovateJapan20)Instagram(@renovatejapan)
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