はじめまして、ソシャグ編集部です!この記事では、社会にとって良い活動=ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューし、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「海の環境保全」です。世界中で話題になっているプラごみ問題ですが、その具体的な取り組みについてはあまり知られていません。世界の海で、今のままの状況が続くと、将来どんな事態に陥ってしまうのでしょうか!?今回インタビューした一般社団法人ふくおかFUN・代表理事の大神さんは、海洋環境の問題に真正面から取り組まれ、モデルとなる活動を展開しています。将来を不安に思うばかりではなく、海の下に広がる水面下の環境について知るところから、みんなの意識が変わります。大神さんは活動を通して、海で人と人がつながる素晴らしさを幅広い世代に伝えています!Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?大学在学中に訪れた西表島で、地元の方々による島の自然を守る活動に現場で触れる機会を得て、その姿に深い感銘を覚え、「自然伝承」を人生のライフワークにしたいと真剣に考えるようになりました。その頃の西表島には、手つかずの自然が多く残っていました。そして島の住人の方たちが、自分たちの暮らす島に生息する生き物や自然環境を守るために、様々な工夫をしながら努力を重ねる姿を目にしました。彼らの自然に対する意識は、誰かに教えられたとか、どこかで聞いたからということではなく、ごく当たり前の生活の一部となっており、人工的なごみが出ること一つにも注意をはらい、「自分たちが暮らす場所に対して、自分たちで責任を持って行動する」という意志を持って、皆で話し合い日々前向きに環境保全に取り組まれていました。そういった西表島の方々と、現地で直接触れる機会を得たことが、自分の人生の価値観を大きく変えるターニングポイントとなりました。それ以降、ブレることなく「自然伝承」をテーマに掲げ、自然環境保全活動を続けています。Q.2 活動内容を教えてください一般社団法人ふくおかFUNは、「自然伝承」を活動理念に掲げ、主に『海洋ごみの削減』、『生物多様性の保全』、『地球温暖化の緩和』を目的とした活動に取り組んでいます。私は西表島を訪れた後、ダイビングインストラクターの資格を取得し、25歳の頃から「自分自身の目で世界中の自然を体感したい」という想いで世界の各地に渡航してフィールドワークを重ねて来ました。2014年12月には、活動の中心を福岡・博多湾に置き、自然環境の保全を目的とした団体を設立し、ライフワークである「自然伝承」への独自のアプローチや、ダイビングインストラクターとしての経験を活かし、「ダイバーだからこそ」の視点を軸とした、次のような活動を行っています。活動1.海洋環境に関する教育・啓発活動福岡の博多湾を中心とする海に潜り、水中調査・撮影、海底ごみ回収、アマモ場の造成などに取り組み、最近では海洋環境をテーマに教育・啓発を目的とした出張授業や写真展などのイベントを主催するなど、発信にも力を入れています。海洋ごみ問題では、福岡の海を中心とした日本各地の海において、ダイバーによる海中ごみの調査・撮影・回収を行い、撮影した実際の環境データを授業や講演、企業向けCSR活動などで活用しています。活動2.「海草アマモ場の造成」活動SDGsの達成や地球温暖化抑制を目的とし、行政や企業、市民の皆さまとともに二酸化炭素を吸収・固定する「藻場」の保全・再生に取り組んでいます。一般には余り知られていない海草アマモですが、水中で光合成を行い、二酸化炭素を吸着・固定(ブルーカーボン)する役割を持ち、稚仔魚の産卵場や住処となるなど、海洋環境の改善に重要な役割を担っています。協力企業や市民の方々と一緒に、アマモの群生地から少し間引いた種子を、水槽のなかで熟成させ、そこから一粒一粒を取り出し、博多湾の適地へと還す活動を続けています。活動3.社会貢献型協業による商品開発2020年より「海のお困りごと解決!アオサ実用化プロジェクト」に取り組んでいます。生物多様性の保全・地球温暖化の緩和を目的として、都市部の海で大量発生しているアオサ(アナアオサ・ミナミアオサ)を回収し、実用化する取り組みです。地元の様々な方と協力しながら、アオサふりかけ『あおさあわせ』の商品開発も行いました。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?日本だけでなく、世界各地の海で大きな問題となっている「海洋ごみ」は、今も年々増え続けています。また、現代社会は大気汚染や、二酸化炭素排出の増加による気候変動にも直面しています。こうした環境課題に向けた取り組みは各地で行われていますが、海面下の水中世界にフォーカスし、その状況が実際にどうなっているか、という様子は、都市部で一般の社会生活を送っている方たちからすると極めて想像し難く、得られる情報も少ないのが現状です。活動を続ける中で、私たちの一つ一つのアプローチを、具体的に環境問題の解決につながる方法として示せたことには、深い意義とやりがいを感じて来ました。また、発信を続けることで、全国各地から「一緒にイベントを行いたい」、「学校での授業を行ってほしい」という問い合わせが増えました。教育や啓発活動を通して、大人の方から子供たちにまで、これまで知られていなかった問題点が認識され、解決に向けての理解が広がって行く感触を得られるようになり、様々な場所からお声かけいただけることを、とてもうれしく思っています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?様々な団体との連携が生まれているのですが、当団体と行政、教育機関、支援企業などといった、点と点が『線』になっているだけの活動が多い状況です。今後は私たちの活動を起点に、横のつながりを促進し、活動を『面』に広げていきたいと思っています。ソシャグでは、社会課題の解決に取り組む他の団体と、自然に協力関係が構築でき、連携しやすい仕組みが提供いただけると聞いています。ソシャグによって私たちの活動が『面』へと広げられることを、期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!「地球の海を守りたい!」ふくおかFUNではスキューバダイバーが中心となって、陸上からでは見ることのできない海の魅力や課題を伝える活動を行っています。イベント・写真展・授業や講演などを通じて、海の豊かさや不思議、面白さを知り、誰にとっても欠かせない身近な存在としての海に興味を持ってもらいたいと思い、活動しています。私たちは福岡の博多湾を中心とする海に潜っていますが、地球上の海はすべて繋がっています。そして、海は人と人をつなげる場所だと思います。新たに出会う人たちとの関わりの中で、自然に対して気づくことがあったり、環境意識が変わったり…、今後もそんな場面をもっと生み出していきます。今年はふくおかFUNが取り組んできた「アマモ場づくり」の活動が福岡市環境行動賞で「奨励賞」を受賞しました!生物多様性の保全や気候変動対策を目的とした活動を評価していただき、本当にうれしく思います。これからも笑顔いっぱいに「自然伝承」の想いを伝え続けていきます!海や自然が大好きな方、子ども達と遊ぶことが好きな方、ボランティア活動に興味がある方、教育関係、イベント関係、自然体験に関する仕事を目指している方などなど、私たちと一緒に活動いただける方、サポーターとして協力くださる方を募集しています。【ふくおかFUN活動紹介情報】ふくおかFUNInstagram(@fukuoka_fun_underwater)Instagram(@fukuoka_fun_diary)Twitter(@fukuokafun)YouTube(ダイバー先生)