はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「ジビエ活用」です。農業や林業を行っている地域で猪・鹿による被害を防ぐために猟師が猪や鹿を捕獲しています。ジビエは栄養価が高く美味しいにもかかわらず、加工処理や流通が追いついていないという理由で大半が廃棄されているという現実があります。そんなジビエの有効活用に向けて取り組んでいるのが、天領じびえです。天領じびえでは猪や鹿の被害を対策しながら、ジビエをより身近に感じてもらうため、ジビエ料理販売などの活動を展開しています。また、ジビエに対する正しい知識普及に向けてSNSでの情報発信にも積極的に取り組んでいます。今回、天領じびえの取り組みを紹介するため、個人事業として天領じびえを営む諌山亮輔さんにインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?自分が罠猟師として多くの猪や鹿を捕獲するようになり、いただいた命を無駄にしたくないと思うようになったからです。実は、捕獲された猪や鹿のうちジビエとして正規の流通・販売ルートに乗っているものはたった10%未満で、残りの90%程度はジビエとして流通できていません。90%の中には猟師が自分の家庭や近所に配るなどして消費している部分もありますが、大部分は消費しきれず廃棄されています。捕獲した猪や鹿のお肉を売れるようになれば、この廃棄問題が解決に繋がると考えました。食用化が進展しない理由の1つは、獣肉処理施設が足りていないということです。猪や鹿の捕獲頭数は全国的にも多いのですが、量や立地の問題で捕獲全量を加工施設に送ることができません。ジビエの人気が高まってきているので加工施設数も増えているのですが、それでも捕獲量に加工量が追いついていないのが現状です。また、ジビエは臭いという悪いイメージをもつ方が多く、牛・豚・鶏ほどの需要が無いのも、食用化が進展しない理由の1つです。これらの問題の解決に向け、活動を始めました。Q.2 活動内容を教えてください罠にかけて捕獲した獲物を処理・加工して、ECサイトで販売しています。また日田市の地域で盛んなマルシェを活用しようと、飲食店営業の許可を取って、串焼きなどのフード販売も7月からスタートしました。ジビエを串1本から食べてもらって、ジビエの良さを知ってもらうきっかけにしてほしいです。さらに、多くの人にジビエの調理のコツや活動の様子を知ってもらうため、Instagram(@tenryogibier)で「ジビ活」というワードを用いて発信しています。ジビエを使うキャンプやBBQなど、牛や豚と同じようにジビエを使えることをSNSで発信しています。ジビエは栄養価も高いので健康にも良いということを発信して、より身近に感じてもらいたいと思っています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?ジビエの認識を良い方向へ改めてくれているお客さんが多くいることを感じています。ジビエを食べた人から、「近所のお肉屋さんの牛肉より美味しかった」、「普段お肉を食べない子どもが、イノシシのミンチで作ったハンバーグは食べる」といったお話をいただいています。マルシェなどに出店したとき、ジビエを初めて食べたお客さんが「めっちゃとても美味しかったです」とわざわざ戻ってきて言ってくれたこともあります。また、知り合いの農家さんから、猪や鹿の被害が減ったという話を聞くこともあります。自分の活動が人の助けになっていると思うと、ジビエの有効活用以外にもこの活動の意義があると感じられます。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?将来的には、地域の人たちと一緒に、地元の猟師さんの獲物を買い取って処理することなどにも取り組んでいきたいです。私が作った施設は、現状自分が捕獲した猪や鹿を処理するために使っていますが、大きな施設ですので、今後人を雇っていけるようになればいいと思います。また、大きなビジョンとして、ジビエが牛・豚・鶏と同じくらい、家庭の食卓に当たり前に並ぶようになってほしいです。ジビエは今供給の不安定さや加工の大変さのせいで値段が高いのですが、ジビエの地位が向上し、大きい工場でシステム的に捌けるようになると、値段を下げることに繋がると思います。さらに、ジビエの認知度の向上、ジビエの適切な情報を伝えていくことが今後の課題です。ソシャグではブログのSEO対策機能などデジタルマーケティングの支援があり、情報を伝えていくという部分の支援をしてもらえるので、そういった機能に期待しています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!ジビエの美味しさは、本当に間違いないものだと思っています。100gなど少量からでも販売してるので、ぜひ一度お試しで食べてみてほしいです。日田市内のイベントに出店していることも多いので、近くの人はぜひ、串の1 本からでも食べてみてください。天領じびえInstagram(@tenryogibier)
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