「サステナブル」 の記事一覧

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地域資源を活用し循環する社会の実現を|株式会社サーキュライフの環境負荷低減への取り組みご紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「環境負荷」です。近年注目を集めるのがSDGsなどに代表される持続可能な社会の実現。こうしたテーマが掲げられるようになった背景には、社会の近代化に伴い人々の暮らしが豊かになった一方で、環境への配慮がされていなかったという問題があります。そんな現代の環境負荷問題の解決に取り組んでいるのが、株式会社サーキュライフです。サーキュライフは循環する社会をテーマに、間伐材を使用した「木糸」生地を用いた製品の開発・企画を行っています。また現代社会の大量生産・大量消費から適量生産・適量消費への移行を進め、環境負荷の低減を目指しているといいます。今回、サーキュライフの取り組みを紹介するため、代表取締役の川原剛(かわはら・つよし)様にインタビューを行いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?環境意識が高いアーティストや、大手アパレルメーカーのデザイナーの問題意識に共感し、資源を活用した循環型社会の実現に興味を抱くようになりました。特に注力をしているのが海洋汚染の問題です。一般ゴミや工場の排水、化学合成繊維の洗濯などで生じるマイクロプラスチックは、海洋ゴミ全体の約35%にものぼります。こうしたマイクロプラスチックが及ぼす影響が、すべて明らかになっているわけではありません。しかし環境省によれば、このまま海洋汚染が進むと、2050年までに海洋生物よりもマイクロプラスチックを含めた海洋ゴミの方が多くなることが予想されるといいます。私たちの子どもや孫の世代にこうした海洋汚染の現状を引き継いでしまわぬよう、サーキュライフでは地域資源を活用した商品企画・開発を通じて環境負荷の低減に貢献したいと考えております。Q.2 活動内容を教えてくださいサーキュライフでは、日本で初めてヒノキ単体を原料とする「木糸」を素材として製品の企画・製造・販売を行いました(木糸の製造元:株式会社 和紙の布)。また木糸の製造で使用しているヒノキは、間伐された天草のヒノキとなっています。この木糸生地には以下の三つの特徴があると考えております。特徴1.環境負荷を低減日本で流通する生地製品は、素材から製品までの約98%を海外からの輸入に頼っています。つまり日本だけで内製することがほぼ不可能な状況なのです。こうしたビジネスモデルでは、原材料の調達・製造・輸送・廃棄などそれぞれの段階で環境に負荷をかけてしまいます。CO2排出量約9万トン・水の消費量約83億m3・端材の排出量約45,000トンという数値が、日本が年間で海外から原材料を調達して製造段階に至るまでに環境にかける負荷であるといいます。サーキュライフでは間伐材を使用した木糸・生地を使用することで、こうした環境への負荷を低減できると考えております。化学合成繊維を含まないことからマイクロプラスチックが発生せず、素材の25%を日本の地域資源から作るため、C02削減にも貢献できるでしょう。特徴2.地元の雇用創出サーキュライフでは本社のある熊本県天草市を拠点に地域資源を活用した製品開発・製造を企画し、日本の地域に雇用を生み出します。現在は、木糸の製造は外注していますが、内製化を進めながら九州全体に商圏を広げたいです。そして将来的には全国に向けて、間伐材を使用した木糸による製品づくりを広めたいと思っています。特徴3.受注生産で適量生産・適量消費サーキュライフでは木糸製品の受注生産を通して、「大量生産・大量消費」から「適量生産・適量消費」への移行を推進しています。従来の大量生産・大量消費の構造では、どうしても環境に負荷がかかりやすくなってしまいます。そこで、必要な物を必要な分だけ生産することで、不要な廃棄物が出ないようにしています。そうすることで、持続可能な社会・循環する社会への実現に貢献できると考えております。Q.3活動を始めて、どんな変化がありましたか?地域の間伐材を使うことで、地元の方々から温かいお声をいただけるようになりました。地域の人が喜んでくれるというのはサーキュライフの事業を継続する上でも励みになります。また環境問題に対する意識を持ったことで、日々の生活における目線が変化したと感じています。特に「身の回りは、こんなにプラスチックだらけだったのか」と強く認識するようになりました。そして環境にとってなにが良いのか・悪いのか、という判断がつくようにもなったと感じています。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?天草の自社工場で木糸を作れるようにして、雇用で地域を活性化したい、というのが目下の目標だと考えています。そのために廃校を活用したりと、さまざまな計画を立案中です。そこで課題だと感じるのがコストの問題です。ファストファッションに代表される製品よりもコストが割高になり、そうしたコストは商品単価へ転嫁することを避けられません。ですからサーキュライフの製品づくりの背景・ストーリーに共感していただける人に、木糸生地の商品を知ってもらいたいと考えています。ソシャグでは環境問題に対する意識の高い人々コミュニティへのアプローチも今後可能であるとお聞きしておりますので、集客の点で期待しております。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!現代では大量生産・消費・廃棄が当たり前になってしまいました。サーキュライフはそこから脱却し、適量生産・消費への移行を目指しています。環境負荷の低い製品製造・還元サイクルを用いることで、循環する生活の実現をサーキュライフとして提唱してきました。こうしたビジョンに共感していただける方、また企業様がいらっしゃいましたら、ぜひご協力いただけますと幸いです。株式会社サーキュライフInstagram(@circulife_official)Facebook(@Circulife2021)

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日本発のサステナビリティ革命の実現を目指して|株式会社TBMのサステナビリティへの取り組み紹介

はじめまして! ソシャグ編集部です。この記事では、社会にとって良い活動 = ソーシャルグッドな活動に取り組まれている方にインタビューをして、その活動内容をご紹介します。今回のテーマは「サステナビリティ」です。SDGsが世界共通認識となりつつある昨今ですが、それでも、エコロジーとエコノミーの両輪を合わせて成功した事例を具体的に思い浮かべることは、なかなか難しいのではないでしょうか?今回ご紹介する株式会社TBMは、次世代新素材の開発・製造・販売を通して、正にサスティナブル・エコロジーをグローバルビジネスとして実現した、日本有数のユニコーン企業です。コミュニケーション・ディレクターの菊田さんに、社名の由来から、トップを走るサスティナビリティ領域での現在の活動について、お話を伺いました。Q.1 なぜソーシャルグッドな活動を始めたんですか?私たちTBMは、サステナビリティ領域のトッププレイヤーを目指し、「資源保全」「気候変動」「循環型経済」にフォーカスしながら、大量消費による資源廃棄や、水・森林など天然資源の枯渇問題を解決するための事業を展開しています。社名の「TBM」は、「Times Bridge Management」の頭文字を取っており、「何百年も挑戦し続ける、時代の架け橋になるような会社をつくりたい」という想いが込められています。この想いは創業者である代表が、初めて欧州を訪れた際、何百年も前に造られた建造物や街並みが現代でも生き生きとした市民生活の場となっており、そこで歴史の重みや文化の流れを目の当たりにし、大きな感銘を受けて胸に抱いたビジョンが原点となっています。「Times Bridge Management」を実現するため、以下3つの目標を掲げました。分かりやすく世の中に立つことグローバルに貢献する会社兆のつくビジネス私自身は、元々社会課題に対して高い意識を持っている人間ではなかったですが、知人が勤めていたこの会社の存在と事業内容やビジョンを知り、自分も子供たち世代の未来のために、直接貢献できる仕事に取り組みたい、という想いで強い共鳴を抱き、この会社に加わりました。Q.2 活動内容を教えてください現在、大きく注力し取り組んでいるのは2つの事業になります。活動1.プラスチックや紙に代わる新素材「LIMEX(ライメックス)」の製造・販売とくに私たちがフォーカスしているのは、水や森林など枯渇リスクが高いと言われる資源の問題です。途上国における人口増加や産業の発展によって拡大する水需給に加え、気候変動による水循環の異変等、様々な原因から世界各地において深刻な水不足が起きています。また農業用水不足による食糧危機、新たな国際水紛争の勃発、生物多様性を脅かす絶滅危惧種の問題など、重大な危惧が抱かれる状況に至っており、対策が急がれています。そこで、私たちが開発した新たな素材の一つ「LIMEX」は、主原料として石灰石を使用しており、製造時に森林資源を使用せず、水についてもほとんど使用しません。LIMEXが紙の代替として普及することにより、枯渇リスクが高い資源の保全に貢献できます。また、LIMEXの主原料である石灰石は従来のプラスチックと比較して、原料調達時や焼却時のCO2排出量も少ないため、LIMEXはライフサイクル全体で排出する温室効果ガスを抑制することができます。活動2.資源循環モデルの構築世界全体で資源循環はわずか9%と言われています。その状況で大量生産・大量消費が行われれば廃棄物の量も必然的に増加し、廃棄物処理が追いつかない、処分場が十分でない、といった問題が起きています。LIMEXは使用して終わりではなく、回収し再原料化・再製品化できます。LIMEXの普及と同時に、社会問題になっている廃プラスチックと併せた、新たな循環モデルを構築することで、エコロジーとエコノミーを両立する資源循環型社会を促進しています。Q.3 活動を始めて、どんな変化がありましたか?新素材開発の過程には様々な困難もありましたが、経済産業省からの補助金を受け、第一工場(宮城県白石市)が完成したことが大きなターニングポイントとなりました。その後、2016年の本格的な製品販売の開始から今日に至るまで、8,000を超える企業や自治体の皆様に私たちの製品やサービスをお使いいただいています。また海外でも私たちの技術や価値観に注目していただき、共感を持って「LIMEXを一緒に世界へ広げていこう」というパートナーがどんどん増えてきました。現在では、LIMEXの用途は多岐に渡り、ボールペンやプラモデルなど一般の消費者様に向けた製品であったり、飲食店のメニュー表や小売店の買い物袋、パッケージなどの店舗資材であったり、多くの導入実績によって皆さまに身近に感じていただく機会も広がっています。SNS等で私たちの開発した新素材を応援してくださる方の声や、次世代への教育としてLIMEXを取り上げたいという教育機関からのリクエストも増え、とてもうれしく思います。Q.4 活動を通して、将来達成したい目標はありますか?「日本の技術で豊かな海を残し、未来の水を守り、豊かな森林を残したい」私たちが目指す未来の実現には、多くの共感・応援の輪が必要です。そのために広範囲での情報発信や、代理店・パートナーの拡大、企業や自治体、各団体との具体的な協業を推進しています。そして、創業10周年を機に、「TBM Pledge 2030」という2030年までの目標も野心的に掲げました。2030年までにカーボンネガティブを実現する2030年までに100万トンのLIMEXとプラスチックを50カ国で循環させるこの「TBM Pledge 2030」の達成に向けた取り組みが、多くの人々を巻き込みながら日本を超えて世界へ拡大していくことで、大きな社会的インパクトをもたらすことが出来ると信じています。Q.5 活動に参加したい人や応援したい人へ、メッセージをお願いします!TBMは、サステナビリティ革命を地球規模で実現させることに本気で挑戦しています。そして、私たちが各事業を通じ、サステナビリティ革命を実現するためには、多くの人々が無意識に支配されている「価値観」をも変えて行かなくてはならないと感じます。「未来ではなく、今の選択を大切にする」という旧来の価値観から、「未来のために、今の選択を大切にする」という新たな価値観へ。未来予測ではなく、自らが強い想いで未来を思い描く『未来意志』にこそ、世界中の一人でも多くの方々に共感してもらえる力があると信じています。そんな強い意志をもった方と一緒に、私たちの挑戦を加速させたいと思っていますので、お問い合わせフォームからのご連絡、SNSのフォローをよろしくお願いします。TBMお問合せフォーム環境に配慮された製品を取り扱うサステナブルなオンラインセレクトショップ「ZAIMA」Twitter(@LIMEX_TBM)YouTube(TBMチャンネル | 日本発の新素材LIMEX)

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